稲の最適発芽、成長条件(温度管理と水管理)

稲(水稲)の苗代には毎年試行錯誤しているのですが、なかなかうまく発芽が揃わないものです。昔からのやり方を守っていてもなかなかうまくいかないものです。稲(種籾)の最適な発芽条件を知って管理した方が良いに決まっていますので調べてみました。

稲の発芽や苗代の作り方は農家によって色々と工夫されているようです。この近所でもやり方は千差万別です。私も何年も色々なやり方を経験しているので、様々な工夫をしてみました。

私の近所での苗代作りの一般的な例

従来の苗代と私の考えた苗代

私の近所では多くの人が従来通り、苗代をこの図のように、田圃に直接 苗床楽天 を作っています。

この図のように水を入れる為の溝を切って少し高くした苗代に種を撒いたポット苗などを並べているのが普通のやり方です。

その上に竹や針金で作ったアーチ状の物を取り付けて、白色や銀色の育苗シートだけで覆う人が多いと思います。

育苗シートの特徴は、白色や銀色なので太陽熱の透過が少なく、シートの厚みで保温性が良いので、この方法での育苗には最適です。

その他のやり方としては、新聞紙でまずポット苗を覆って、更に有孔ポリシートでその上を覆う人もあります。この辺は各自工夫をされているようです。

他人と同じやり方をしても、田圃の状態は個々に違うので、同じ方法でも結果が同じになるとは限りません。

田圃の日照条件や水温や水量や畝の高さや苗床の浮き具合等のちょっとした条件によって結果が全く違ってきます。

籾の発芽条件

種モミ(種籾)は、15度C以上の温度で発芽に十分な水分があれば芽を出します。発芽に最適な温度は30〜35度Cです。

適度な温度と水分で、まず胚乳が水を吸って水分が13%以上になると呼吸が盛んになり、細胞が分裂して幼芽と幼根が成長を始めます。この時、酸素が十分だと根が先に出ます。酸素が不十分だと芽が先に伸びます。

一般的には種籾を水に浸けて何日か日向に出しておいたり、風呂の残り湯に浸けたりしているようです。中には本格的な発芽器を使っている人もあります。

稲の生理を考えると催芽温度は発芽の最適温度より少し低い約25度C前後が良いようです。25度Cで約4日間で催芽させます。(100日度C)

幼苗期(播種後)の成長条件と管理

育苗器等を使う場合では、2〜4日間、30〜35度の温度を保って一気に発芽させます。約1cmの状態となるまでには水分と温度と酸素が必要で、光は必要ではありません。

このように発芽には光が特に必要ないので、ポット苗を積み上げて管理する方法もあります。ハウスの中や温室で温度管理と水管理ができればどんな条件でもかまいません。

育苗器ではこの後、光に当てて緑化させますが、育苗シートで保温した場合は光が当たっていますのでそのままで葉は緑色になります。

その後に育苗ハウスの中に並べるか、苗代田に移動させて育苗シートをかけて保温します。気温が上昇して、保温の必要が無くなるとビニールトンネルを外します。

苗代の苗床の管理のコツ

苗床での保温期間が長過ぎたり、ビニールトンネル(育苗シート、遮光シート)による光不足等は、苗を軟弱化させたり、徒長させたりします。

それらを防ぐ為には、苗を外気に当てて太くて短い強い苗に育てます。ある程度の低温にも当てて、徒長(伸びすぎ)を抑制してやります。

しかし、春先は天候が不安定なことが多く急に寒波が来ることがあります。霜が降りそうな日には、夜間には育苗シートを掛けておく必要があります。

稲が生長する限界温度は葉では約15度、根では約12度以上ですので、これ以下にしないように管理します。これ以下の低温になりそうな場合は、深水にして水の保温効果(この辺りの水温は18度位か?)で苗を守ってやります。

稚苗以前の段階で水が多すぎて苗箱が常に水に浸かっていると、酸素不足になって根が伸びず成長が止まってしまいます。時々水を減らして根に酸素を供給してやります。

苗の生育が悪い時の管理

温度管理や水管理に失敗して苗の成長が遅い時や苗の色が薄い時は、液肥を薄めて(100倍程度)ジョロで撒いてやります。様子を見て何回か撒いてやります。

また、植物活性剤(商品名HB101)や酵素を薄めて(1000倍とか)撒いてやるのも効果がある場合があります。

水稲の発芽と成長の条件さえ守れば工夫が可能です

このように、水稲の発芽と成長の条件さえ守れば工夫が可能です。何も従来のやり方に固執する必要はありません。今度は工夫して試行錯誤してみようと思っています。