水田の水管理(中干しの時期と方法)

水田での稲作り(栽培方法)は、水管理のやり方にあると言っても良いくらい、水管理がとても重要です。水管理が悪いと、稲の生育が悪かったり、草が多く生えたり、稲が倒れたり、稲の収量が悪かったりします。中干しも過剰な分げつを抑えたり根を健全に保つには必要です。

水田の水管理をうまくやるには、水を入れる時は十分な深さに水を入れることができて、水が減らない事が大切です。また、田んぼを干したい時はすぐに水が抜けることが重要です。その為には暗渠が必要なこともあります。

浅水管理と深水管理

一般的に田植え後は浅水管理にして、初期の分げつ(分けつ)を促します。活着後の水管理は2〜3cmの浅水管理で田の水温を高めて生育を促すようにします。

田植えの約1週間後には 除草剤楽天 を播くので、その時は深水管理とします。除草剤を撒いたら、水を動かさない方が良いのと、水を切らさない方が良いので、その前にできるだけ多くの水を入れておきます。

その後の生育を促すには浅水が良いし、草を生やさない為には深水が良いので、水田の状況に応じて管理方法を変える必要があります。この辺は各農家の考え方次第です。私は水管理の楽な深水管理にしていますが、いつもうまくいくとは限らず、時々水が無くなっていることもあります。

中干しをする目的

中干し適期の稲の状態

中干しをする目的は、過剰な分げつ(分けつ)を抑えることと、土壌中に酸素を送って根を健全に保つことです。また、稲の根の一部を水根から畑根に変えたり、土を固くして、稲を倒れにくくする効果があります。

この田圃はちょうど中干しが終わって、水を入れたところです。今年は株も大きくなり、生育が良いようですが、雑草の コナギ楽天 が生えてきました。雑草に負けない位に稲の株が大きくなると雑草に太陽の光が当たらないので良いのですがどうでしょうか。

(撮影、2010.07.18)

中干しの時期と方法

中干しは一度水が完全に無くなって、表面がヒビ割れする位に干します。その後すぐに水を入れます。中干しの期間は、水田によってすぐ干る田(漏水田)と、なかなか干ない田(湿田)があるので、一概には言えません。湿田では暗渠の水も抜いてやり、早く田を干すようにします。

中干しを一度もしないと穂が出始めると稲が倒れてきます。中干しは米作りにはとても重要な作業なのです。特にコシヒカリという品種は稲の背丈が長いので、とても倒れやすいのです。中干しは完全に、念入りに行なう必要があります。

上の写真のように稲の株が約20本以上になって、花が咲きそうになる少し前には中干しを終えるようにします。

中干し後の水管理(間断給水)

梅雨明け後は稲作期間中で最も高温になる時期で、根の活力が低下しやすい状況になります。この時期に長期間冠水した状態にすると土壌の中が低酸素状態になります。これを防ぐ為に、田を干して稲の根の一部を水根から畑根に徐々に変えてやります。(中干しと同じ状態)

また、穂が出てから穂が発育していく時期には稲の葉からの蒸散量が最も多い時期になり、稲には十分な水分が必要となります。

この両方の条件を満たそうとすると、中干し後は間断給水(間断かん水、間断かんがい)が最適となります。つまり、水を貯めたり、干したりしてやります。干す時は完全に干すのが重要です。

この辺りでは中干しは梅雨の終わり頃になりますが、地方によっては梅雨の時期に中干しの時期が重なることもあります。梅雨の間は降雨が間断給水の役割をしてくれることもありますから、それを考慮してずっと水を止めておくのが良いのかも知れません。

間断給水をしない場合の注意事項

中干し後に全く間断給水をしないで、水を溜めたままにしておくと、田んぼの土が柔らかく戻ってしまって、中干しをした意味が無くなって稲が倒れてくることがあります。

水田の状態によっては、そのようにならないこともありますが、稲を倒さない為には、中干し後の間断給水が重要なことは、私も何度も経験しています。

水根と畑根について

稲の根には、白色で太くて長い水根と、茶色で細くて短い畑根とがあります。水の中で育った稲は主に水根が出てきます。他方、水の少ない畑で育った稲は畑根となります。

中干しで田圃を完全に干してしまうと、水根が完全に畑根に変わってしまいます。その後水を入れるとまた畑根が水根に変わろうとします。これでは稲が混乱してしまいます。

私は、中干しは程々にして、出穂後の間断かん水で稲の根の一部を徐々に水根から畑根に変えていくのが良いのではないかと思っています。

でも、思い通りにいかないところが農業の面白さかも知れません。色々と試行錯誤しながら、良い方法を探していくのが良いのかも知れません。いつまで経っても農業は素人のままです。