スチールワイヤーのループ加工(端末処理)

市販の直径9mmのスチールワイヤーの端末にループ加工をしてみました。スチールワイヤーの切断やワイヤークリップとシンブルの使い方などについて私が実践して感じた事などを書いています。この加工したワイヤーロープを使って木を引き倒してみました。



ワイヤークリップとシンブルを使ったスチールワイヤーのループ加工

スチールワイヤーの端末処理手順

この写真は、ワイヤークリップと シンブル 金具楽天 (ワイヤーコース)を使って、直径9mmのスチールワイヤーにループ加工をしている様子を説明する為のものです。

まず、スチールワイヤーの先端がバラけたり、手などが当って怪我をしないように、ビニルテープを巻いて処理します。ワイヤーの先端部分も隠れるようにテープを巻いて折り曲げてください。電気工事などでの絶縁テープ巻き方と同じ要領でやってください。

この写真をよく見て、ワイヤークリップの取り付け方向に注意してください。反対向きに取り付けるとスチールワイヤーの強度が悪くなります。

シンブルと最初のワイヤークリップの間隔はできるだけ少なくしてください。ワイヤークリップのナットを適度に締めてから、ハンマーなどで叩いてシンブル側に寄せます。その後のワイヤークリップの間隔はワイヤーの直径の7倍以上離してください。私は約65mm~70mmの間隔にしました。

ワイヤークリップは4個以上を使って確実に止めてください。最後のワイヤークリップの後ろとワイヤーの先端とは同じく70mm程度を確保してください。

ワイヤークリップの締め付けは、ナットを交互に締め付けていって、もう簡単には締まらなくなるまで締め付けてください。後でワイヤーロープを少し使用してからも、何度か増し締めを忘れないようにします。

スチールワイヤーは錆びやすいので、加工が済んだらオイルスプレーなどで油を塗っておきます。また、雨ざらしにはしないようにします。使用後できれば、ワイヤーを綺麗に巻いて、油を塗った新聞紙などをその上に巻いておくと長持ちします。

スチールワイヤーの切断方法

スチールワイヤーの切断

私が購入したスチールワイヤーは直径9mmで長さが50mの物なので、この写真のようなボルトクリッパーを使ってΦ9mmのスチールワイヤーを使い易い長さ(20mと30m)に切断しました。

ボルトクリッパーが無い時は、電動のサンダーや金切り鋸などを使って希望の長さにワイヤーを切断してください。

ボルトクリッパーで挟んだだけでは、ワイヤーは簡単には切れません。何度かワイヤーを挟んでから、ボルトクリッパーで挟んだままスチールワイヤーを何度か折り曲げるとワイヤーは簡単に切断されます。

ワイヤーを切断したら、すぐに、ワイヤーの先端にビニルテープなどを入念に巻いて、触れても怪我などをしないようにしてください。

間違った端末ループ処理をしたスチールワイヤー

間違った端末処理をしたスチールワイヤー

この写真は、間違った端末処理をしたスチールワイヤーのループ部分です。ワイヤークリップの取り付け方向が上の物とは逆になっているのがわかりますか。

正しくは、ワイヤークリップの取り付けネジのある方が、ケーブルの長手方向になります。取り付けネジの金具部分にはケーブルのすべり止めのギザギザが付いています。ワイヤークリップのU字型の部分がケーブルの先端方向に来るようにします。

この取り付け方向を間違うと、ケーブルが滑ってループが外れる原因になることがありますので特に注意してください。

シンブル(ワイヤーコース)の使い方

スチールワイヤーの先端にループを作る時は、できるだけシンブルという金具を使ってください。これを使わないと、ワイヤーロープに直接荷重が掛かったり、金具などが直接ワイヤーに触れるので、スチールワイヤーが変形したり、切れたりする原因になります。

また、スチールワイヤーの太さに合わせてシンブルの大きさも適切に選んでください。9mmのスチールワイヤーには8-10mm用として市販されている物が適用されます。