マダニ(野生動物に寄生しSFTSを媒介することで注目)

マダニが媒介する新しいウイルスによる感染症が2012年の夏頃に国内で発生していたことで注目されました。この感染症での致死率は10~30パーセントと言われています。



この病原菌は2011年に中国で確認された新型のSFTS ウイルスです。これまでに日本で検出されたウイルスは、その遺伝子から日本に元々あったウイルスだと考えられています。

猪に寄生していたマダニの写真

猪に寄生していたマダニの写真

この写真はイノシシの捕獲檻で捕獲した猪に寄生していたマダニです。ダニは死んだ猪に取り付いていても生きていけないので猪の体から離れていきます。猪の体の上を何匹もゾロゾロと歩いていました。

マダニ科のダニは日本国内に広く分布していて、猪やタヌキやアナグマなどの野生動物や牛や馬や山羊などの家畜や犬などのペットの皮膚に食いついて、その血を吸って生きています。

マダニの成虫は、長さが約数mmの大きさですが、幼虫では1mm以下のものも居ます。犬などのペットにくっついていたら気がつかないことがありますので気をつけましょう。

撮影 2011年9月、場所 小田郡矢掛町

学名 Ixodes scapularis
別名 マダニ、まだに、真ダニ、真だに、真蜱
ダニ目、マダニ亜目、マダニ科
特徴

嗅覚が鋭く、哺乳類からの酪酸の匂いで、草むらから哺乳動物に飛び移ります。

食べ物

哺乳動物の皮膚に食いついて吸血して成長します。

マダニが媒介する病気

マダニが媒介する新しい ウイルス楽天 による感染症(SFTS:重症熱性血小板減少症候群)が2012年の夏頃に国内で発生して注目されました。症状は発熱、嘔吐、下痢などで、この感染症での致死率は10~30パーセントだと言われています。有効な治療法はまだありません。

マダニによって日本紅斑熱に感染すると、発疹や発熱などが起こります。早めに医療機関に掛かれば大事にはならないので、すぐに病院に行くことが重要です。

マダニによるQ熱も、早めに治療しないと重症になったり、死に至ることがあります。その他にはライム病もマダニによる感染症です。

山野を歩いた後に、マダニによる皮膚疾患や、風邪に似た発熱などの症状になったら、上記の病気の可能性がありますので、早めに医療機関に掛かりましょう。

マダニが媒介する病気の予防方法

マダニが居るような山などに行ったり、畑で農作業などをする時は、素肌を出さないことが大切です。長袖のシャツや長ズボンや靴下や帽子を着用し、長靴や手袋をして、首に手ぬぐいを巻いたりして肌を露出させないでください。

もし、ダニに噛まれてしまった場合は、すぐに医療機関で処置してもらうことが重要です。でも、あまりにも小さいので噛まれたかどうかがわからない場合があります。