行者ニンニク(山菜)の栽培方法

ネギ科の行者ニンニクは普通のユリ科のニンニクと同様に滋養強壮にとても効果があります。行者ニンニクの栽培は普通のニンニクよりも生育が遅く栽培方法も異なります。病気になったり、虫が付いたりすることはほとんどありませんが、食用にする為には多くの株を栽培する必要があります。



行者ニンニク栽培用の土作り

野菜栽培の基本は土の準備から始まります。有機農法でやるなら堆肥造りからやります。

草刈りをした草や落ち葉や籾殻や米糠等の有機物を積み上げて、水を掛けておくと発酵が始まります。これを何度も切り返してやります。堆肥ができたら土と混ぜてトラクターや耕運機で何度か耕してやります。堆肥は多い方が良いようです。行者ニンニク栽培の土壌は弱酸性が良いので少し酸性気味でもかまいません。

小規模栽培のプランターなら市販の土でも十分です。花や野菜用の土として市販されている物をそのまま使っても良いし、それを畑の土と混ぜてもかまいません。

行者ニンニクの植え付け

行者ニンニクの写真

ホームセンターや 園芸ショップ楽天 で行者ニンニクの苗を買ってきます。なかなか市販されているものを探すのは難しいかも知れません。その場合はネットで探します。私はホームセンターで見つけました。

植え付け深さは10~15cm程度にします。球根の上部に3~5cm土が被さるようにします。

植え付け場所は、半日陰でも育ちますが、早く大きくするには日光にはよく当ててやります。あまり乾燥した場所より、少し湿気の多い所が良いでしょう。真夏の直射日光は少しさえぎった方が良いでしょう。

元々北海道に自生しているものなので、寒さには強く、冬には何もする必要はありません。また、冬には枯れて地上部には何もありません。

なかなか大きくならないので、苗はできるだけ多く植え付けます。何本も植えないと収穫はいつになるかわかりません。

行者ニンニクの苗の増やし方

ある程度大きくなると、親株の脇に出た新芽を株分けする方法で増やすことができます。4年以上栽培した苗から新芽が2~3個出てきます。

新芽が出ても、あまり小さいものまで無理に株分けせずに、ある程度大きく育ってから株分けしましょう。

行者ニンニクの花

行者ニンニクの花

5月中旬頃に行者ニンニクに小さい白い花が咲きました。普通は種を蒔いてから7~8年すると花が咲きます。

何となくニラの花に似ているようです。花の後、種を採って種から増やすこともできます。

2009年には花の後、ヒョウが降って行者ニンニクの葉をやられてしまいました。

行者ニンニクの種蒔き(たねまき)の方法

行者ニンニクを種から育てるには、発芽率が低いので、7月頃に採取した種を、約1~2週間水につけたまま冷蔵庫で保管するか、1日水につけた後布袋に入れて冷蔵庫に保管します。そうすると休眠状態から目覚めて、発芽率を上げることができます。

また、種は採取したらできるだけ早く蒔くことが大切で、種まきの時期が遅れるほど発芽率が下がります。

水やり、追肥

表面の土が乾燥したら株元に水をやります。7月には葉が黄色になって枯れますので、秋になったら株元に完熟堆肥や発酵油粕等をやります。

収穫方法

4月初め~5月中旬に茎と葉を収穫します。根元から茎を2~3cm以上は必ず残すようにします。成長が遅いので1度収穫すると次回に収穫するまでに約2~3年かかります。

行者ニンニクの効能

行者ニンニクは普通のニンニクのように食べると、体内の自然治癒力を高め、ガンを予防する成分が含まれていることが知られています。ニンニクの臭いの成分のアリシンには優れた効能があります。一方、体内の糖質を燃焼させる時に必要なのはビタミンB1ですが、このビタミンは水溶性ですので、体外に出て行きやすいのです。

アリチアミンはニンニクのアリシンとビタミンB1が結合したもので、これは体内に長く保持できてビタミンB1を利用しやすい状態とすることができます。

行者ニンニクの料理方法(調理と食べ方)

行者ニンニクはアクの無い山菜なので料理は簡単です。行者にんにくを水洗いして、根元にはかまがある場合はこれをきれいに取り除きます。そして行者ニンニクの葉を「おひたし」にします。おかかや醤油やカラシ味噌で和えたりします。なかなか手に入らないので、食べるのがもったいないです。

または、さっと茹でてから調理をしても美味しくいただけます。鶏肉や豚肉と炒めたり、味噌、砂糖、みりん、すりゴマ等で味付けしても良い。