田んぼの畦に野芝を繁殖させる方法
夏の間の農家の草刈りは大変な労力を要するものです。広大な敷地を所有していると、毎日草刈りをしていても、雑草が生い茂ってきて困るものです。あまり広大な土地でなければ、草刈り作業を頻繁にすることで、田んぼの畦を自然に野芝に変えることができます。
野芝と高麗芝の特徴
この写真は、私の家の辺りに自然に生えている芝で野芝(ノシバ)と呼ばれる芝です。繁殖力が旺盛で、アスファルトの中にまで生えています。
背の高い雑草が無くて、日当たりが良ければ、とても良く繁殖しますが、草刈りを怠って、背の高い雑草が増えると、野芝は劣勢になってしまいます。高麗芝に比べると草丈が長くて繁殖力が強いのが特徴です。
ホームセンター等で販売されている芝は、 高麗芝楽天 (コウライシバ)が多いようです。これは、野芝よりは繁殖力が劣りますが、芝の長さが短くて見た目が良いのが特徴です。
これはゴルフ場や一般の家庭でよく植えられています。高麗芝は過繁茂になると病気などで部分的に枯死することが多いようです。
野芝も高麗芝もグランドカバープランツとして人気があります。田んぼの畦に植えるなら野芝の方が繁殖力が旺盛なので良いでしょう。
草刈りの頻度と野芝の繁殖
一年に何度も草刈りをして、背丈の長い草を刈り続けると、この写真のように野芝の群落になります。これは、我が家の前の日当たりの良い道端です。別に野芝を植えたわけではありません。自然にこのようになりました。
草刈りの頻度を上げて、頻繁な草刈り(刈払い)を長い間続けていると、野芝が優勢となってきます。これは、頻繁な草刈りで背の高い雑草が淘汰されてしまうからです。
もし、一年間一度も草刈りをしないと、元のように背の高い雑草に覆われてしまいます。芝生を管理する為には、頻繁な草刈りが必須の作業となります。
しかし、ひとたび、野芝が繁殖すると、他の雑草が生えなくなるのも事実です。このようになると、草刈り作業の手間が劇的に減ってきます。
夏の芝刈りは深く刈らない
一般にシバは頻繁に刈る程、美しく蜜になります。夏は、2週間に1回以上刈るのが良いでしょう。夏の芝刈りは浅く刈るのがコツです。深く刈ると、成長点まで切ってしまいますから芝へのダメージが大きくなります。
草刈りを頻繁にすることで、他の雑草が芝の上に出ないようにすることができます。それが芝を元気にする秘訣です。芝の長さは2cmを目安にして刈ります。
野芝の草刈りにはナイロンコードカッターが便利です
普通の刈払機で、芝生の草刈りもできますが、芝生にはナイロンコードカッターの刈払機が便利です。ナイロンコードカッターを使うと、チップソーよりも広い範囲を短く均等に刈ることができます。
ナイロンコードカッターの刈払機で、回転を上げて、ナイロンコードカッターを長めにするのがコツです。刈払機のパワーは大きい方が能率的です。
草刈りの後の草は芝生から取り除きます
草刈りをした後の草をそのまま置いておくと、芝の日当たりが悪くなり、芝の勢いが落ちます。また、他の雑草が生えてくる原因となります。熊手を使って、草を取り除いて、草は堆肥として利用します。
野芝の植え付け
野芝が全く無い所では、いくら草刈りを頻繁にしても野芝が繁殖するわけではありません。その場合は、野芝を植え付けてやる必要があります。野芝が繁殖している場所で約30cm角の野芝を切り取って移植してやります。
一度に野芝に変えたい場合は、大量の野芝が必要ですが、毎年少しずつ野芝の移植作業をして、頻繁に草刈りをしていると、いずれは田の畦が野芝で覆われるようになります。
芝生の特徴と利点
田んぼの畦を芝生にすると、畦の土が崩れるのを防止することができます。除草剤を撒いても雑草を抑えることができますが、除草剤では土の崩れを防止することはできません。
芝生は人や車のタイヤによる踏みつけに対して強いのが特徴です。もちろん、頻繁に車のタイヤによって踏みつけられれば芝生といえども枯れてしまいます。
芝生は低温に対する抵抗力が強いのも特徴です。冬の間は枯れたように見えますが、枯れているわけではなく、春になると緑色の芽が出てきます。
芝生は見た目が良いのが特徴であり利点ともなっています。田んぼの畦が芝生で覆われているのを見るのは農村の美しさの象徴です。