梅の栽培方法と利用方法

梅(ウメ、うめ)は一般的に梅干しや砂糖漬けやホワイトリカー漬け(梅酒)に利用されています。薬効が多い健康食品です。栽培はとても簡単で無農薬でもそこそこ収穫できます。



梅の薬効成分と注意事項

梅の木と実の写真

梅の果実にはコハク酸、 クエン酸楽天 、リンゴ酸、酒石酸などの有用な有機酸が多く含まれていますので、梅は健康に大変良い食品と言えます。

しかし、未成熟の青梅には有毒の青酸配糖体(シアン)が含まれていますので、生では食べないように注意が必要です。

特に梅の種子(仁)には果肉の数百倍の青酸配糖体(シアン)を含んでいますので注意してください。核(仁)を食べると食中毒を起こし、死に至ることがあります。

梅の効用

疲労回復効果
梅のクエン酸は、乳酸を分解して排泄する働きがあります。
殺菌効果
ばい菌やバクテリアに対して抗菌や殺菌作用があります。
整腸作用
便秘や下痢を解消して、胃や腸の働きを助けます。
老化防止
梅のクエン酸は新陳代謝をスムーズにして老廃物を排泄する働きがあります。

土作りと植え付け

梅は日照が良ければ、痩せた土地や乾燥した土地でも簡単に栽培できます。初心者が適当に植えてもまず失敗することはないでしょう。

梅の植え付けは一般に早春に行ないます。大きな穴を掘って、堆肥や腐葉土を多く入れて水はけを良くし、肥料にもします。

梅の苗木は接木の1~2年生苗を根と土を一緒にして植え付けてやります。その後たっぷりと水やりをします。

梅の剪定

梅の剪定は冬の間に行ないます。梅は長い枝には実があまり成らないので、短い枝にするように剪定をします。全体の木の高さをどの程度にするかを考えながら、植え付け時に1m程度で切ってしまいます。

次の年には新しい枝の1/3を切ります。その後は主枝になる何本かの枝をバランスよく配置するように剪定します。

梅の木は放っておくと枝が出過ぎて、下の枝には日が当たらないので、風通しと日当たりを考えて剪定を行ないます。

梅の収穫

収穫した梅の実と砂糖漬け

6月上旬頃に梅を収穫します。私は適当に植えてほとんど手入れをしないので、まず下草を刈ることから始めます。

梅の種類によって実の大きさと用途が違うので、種類毎に入れ物を別にして収穫します。この写真はよく熟れた小梅と、大粒の梅を砂糖漬けにしたものです。小梅は梅干しにします。

梅の砂糖漬けの作り方

梅の砂糖漬けはとても簡単に作ることができます。5リットルの広口瓶に大粒の梅2kgと砂糖2kgとを交互に入れます。上の方には砂糖ばかりを入れます。普通、砂糖には氷砂糖を使いますが、私は三温糖という少し黒い砂糖を使っています。理由は、大量に作るので、少しでも安く作ることができるからです。

3ヶ月程度で梅の水分が出て、梅の砂糖漬けのでき上がりです。この液体を5倍程度に薄めて飲むと梅ジュースのでき上がりです。梅の実も後で食べてしまいます。あまり長く置くと発酵して梅酒のようになります。私はこれを飲んでも酔うことがあります。アルコールにとても弱いのです。

砂糖漬けにした梅の実は、そのまま食べても良いし、種を取ってから梅ジャムにします。梅の果肉と砂糖を1対1くらいにして、中火で煮詰めます。

梅酒の作り方

梅酒作りも簡単です。梅の果実500gと氷砂糖400gを、焼酎(ホワイトリカー)1リットルに漬けます。氷砂糖が溶けて無くなったら梅酒ができています。

下痢の特効薬、梅肉エキス

漢方では、青梅の果肉をしぼった汁「酸梅膏」(さんめいこう、一種の梅肉エキス)を腸内の薬として用いています。梅の強力な抗菌作用は細菌性の下痢にも効果が期待できます。

簡単に作るなら、市販の梅肉エキスや梅酢を湯で薄めて飲みます。又は、梅干しを300ミリリットルの水で半量に煎じて飲みます。

下痢が改善してきたら、乾燥梅干しを粉末にしておかゆにふりかけて食べます。

梅のラッキョウ酢漬けの作り方

梅をラッキョウ酢に漬けても簡単です。梅の果実2kgをラッキョウ酢1.8リットルに漬けます。これに砂糖1kgを加えます。好みの味になるように量は加減してください。