果樹に付く害虫(毛虫)とその防除(駆除)方法

ミカンやリンゴや桃などの果樹には、春から初夏になると毛虫などの害虫が葉などを食べに集まって来ます。放っておくと全ての葉を食べられて丸裸にされることがあります。スミチオン乳剤やオルトラン水和剤などの農薬を使って防除するのが一般的ですが、手で一匹ずつ毛虫を駆除するのも効果があります。



果樹に付く害虫(毛虫)

マイマイガの幼虫の写真

ミカンやリンゴや桃やクリやブルーベリーやサクランボなどの果樹を栽培していると、春から初夏には毛虫や尺取り虫の大量発生で、全ての葉を食べられることがあります。そうなると樹木は成長するどころか、枯れてしまいます。

この写真は毛虫の仲間でマイマイガの幼虫です。毒はありません。素手でも触れます。

我が家の場合、リンゴやサクランボの葉が美味しいのか、これらの樹木には特に毛虫が付きやすいようです。

樹によって害虫の種類が幾分違いますが、どんな樹にも付く毛虫や尺取り虫も居ます。また、柑橘類やサンショウにしか付かない虫も居ます。蓼食う虫も好きずきとはこのことです。

主な害虫と毛虫の毒

果樹に付く害虫には、上の写真のようなマイマイガやチャドクガや、アメリカシロヒトリやモンクロシャチホコやイラガの幼虫など多くの種類があります。

チャドクガは、お茶やツバキやサザンカなどによく付き、体長が約1~3cmで黄褐色の体に黒の斑点がある毛虫です。毛には毒があって、ちょっとでも触れると痛くてかぶれることがあります。

チャドクガは集団で葉を食害するので、放置しておくと全ての葉を食べられて丸坊主になることがあります。毛虫が死んだ後でも、触ると痛くてかぶれますので注意してください。

毒のない毛虫も居ます

上の写真はマイマイガの幼虫ですが、一番よく見るケムシで、比較的大型です。糸を吐いて木から木へ移動します。別名ブランコケムシとも呼ばれています。

これは見るからに毛が生えていて毛に毒がありそうですが、素手で触っても大丈夫です。栗の木などに多い害虫です。近くに高い木があるとそこから糸を使って移動して来ます。

害虫の駆除(防除)方法

農薬を使って駆除するか、毛虫を一匹ずつ手で取るかどちらかですが、両方しないと完全には駆除できません。

私は木が小さいうちは、毛虫を一匹ずつ手で取っています。木が大きくなると手で取るのは無理です。その場合は農薬を使うのも仕方がないかも知れません。

時々、果樹を見まわって、毛虫の大量発生がないかどうかを調べます。これをしないと、時々、毛虫が一度に大発生することがありますので注意してください。

農薬による防除

一般的には、体長約1cm未満の幼虫の場合は、 スミチオン楽天 乳剤(MEP乳剤)を約1000~1500倍に薄めて噴霧器等で散布します。

又は、オルトラン水和剤を約500~1000倍に薄めて噴霧器等で散布します。果樹によって使い方が違いますので、説明書をよく読んでください。

農薬使用の注意

農薬を使用する前には説明書きをよく読みましょう。指定濃度や、取り扱い上の注意を守って必要最小限に使用して下さい。

ミツバチは農薬にとても弱い動物です。巣箱の近くでは農薬を使わないようにします。また、花が咲いている場合も使わないでください。

農薬の散布作業には長袖の上着と長ズボンを着用します。マスクやゴム手袋をして、ゴーグルも着用してください。風上から風下に向かって作業をすると自分に薬剤を浴びません。

散布作業後は手足や顔などを石けんでよく洗ったり、全身にシャワーを浴びたりしましょう。

農薬は人体内に入るととても危険です。残りの薬剤は鍵の掛かる場所や子供の手の届かないところに厳重に保管しましょう。

手取りによる毛虫の駆除

体長が約1cm以上になると殺虫剤が効きにくくなります。ピンセットや箸を使って直接毛虫を取るのが効果的です。毎朝、毎晩取る必要があります。

綺麗に取っていても、空中を糸を引いて飛んで来たり、這って来たりします。どこから来るのか不思議なくらいです。