野菜栽培用の土作り(つちづくり)の方法
野菜作りがうまくいくかどうかは土によって決まります。野菜に適した土なら何もしなくても野菜は元気に育ちます。耕したり、石灰(消石灰等)を入れて土のPHを調整したり、堆肥を入れて有機物を増やしたりします。野菜用の土作りの方法を具体的に考えてみます。
通気性を良くする為に耕します
土に何も植えないで草も生えない状態だと、土は段々硬くなってきます。そこで土を掘り返して軟らかくして空気を入れてやります。耕起すると土中に住んでいた病原菌を日光や外気にさらして死滅させることにもなります。
また、新鮮な空気が土の中に入ることで、土中の好気性微生物が活発になります。つまり耕すことは植物が生育できる環境を整える元になります。
土を耕す方法としては、未開墾地等では、スコップや鍬(クワ)を使って深さ30~40cm掘り起こします。この時、小石や雑草や木の根等を取り除きます。大きな土の塊は野菜の根の伸張を妨げないようにスコップや鍬で細かく砕きます。
石灰(消石灰等)を入れて土のPHを調整します
耕起した土に石灰質の資材(消石灰、水酸化カルシウム等のアルカリ性物質)を混ぜて土のPHを調整します。未耕起の土は、たいてい酸性になっていますので、耕起した後すぐに石灰を混ぜて土を中性に近づけておいた方が良いでしょう。
耕起のすぐ後なら混ぜ込むのも簡単です。石灰は表面に撒いただけでは効果はありません。必ず耕起して土と混ぜ込みます。
石灰の使用で注意することは、 石灰楽天 と窒素肥料とが混ざると窒素肥料成分がアンモニアガスとなって空気中に失われることです。
時々、畑でアンモニアの臭いがするのに気がついたことはありませんか。石灰の効果が無いばかりか、肥料成分も失われてしまいますので気をつけましょう。
堆肥を入れて有機物を増やします
堆肥は土の団粒構造を保つ為には欠かせないものです。土の中の有益な微生物の餌にもなります。堆肥でなくても、草や落ち葉や籾殻を混ぜることで土がすぐに固まってしまうのを防ぐこともできます。
堆肥の量は1平方メートル当り2~5キログラム程度を入れます。未開墾地では多めに入れてやります。すぐに植え付けをする場合は完熟堆肥を入れてやります。
前記の石灰を入れてから石灰が土になじんでから堆肥を入れるように気をつけます。そうしないと堆肥の窒素分がアンモニアガス化して抜けてしまいます。
土の良否の調べ方(簡易的な方法)
植物の成長に適した土かどうかを簡単に調べるには、一般的に次の条件を満たしていれば良い土と言えます。
- スコップか鍬を軽く土に挿入してみて30cm程度簡単にささる事
- 土が黒っぽい色をしている事
- 土を手に取って強く握りしめると団子状に固まる事
- その塊を指で軽く触ると形が崩れる事
客土が必要な場合(客土とは)
開墾したばかりの土では、植物の生育には良くない砂土や粘土の場合があります。この場合は別の場所にある植物の栽培に適した土を入れて混ぜてやる必要があります。これを客土(きゃくど)と言います。
客土の目的は作土層を増やしたり、より良い土にする為に行ないます。量が多くなければホームセンター等で入手した土を混ぜても良いと思います。
粘土質の土の場合は、一旦水を含んでその後乾燥すると土が硬くなってガチガチになります。この場合は堆肥や籾殻を多めに入れてやります。更に目の細かい砂土を客土として混ぜてやります。また頻繁に耕起を行なって土の風化を促進させてやります。
排水不良の畑の場合
雨の降った後、水たまりができるような排水の悪い畑では、植物が根腐れを起こしやすいので、畝を高くする等して排水を良くしてやります。また堆肥を多めに入れると少しは排水が良くなります。
水田を畑にした場合等では、畑の土を客土として入れて土の表面を高くして排水を良くしてやります。
元々水田だった所に野菜を植える場合は、暗渠排水工事(見えない地下に排水用の溝を掘る)を行なって排水を良くしてやる必要があることもあります。
排水が良すぎる畑の場合
砂の多い土では排水が良すぎて乾燥しやすいので、団粒構造ができません。その場合は肥料が水と共に失われ易いので、植物の生育には良くありません。これを改善するには粘土質の客土をするか、堆肥を多めに混ぜてやります。
逆に排水が良いのを利用して、砂質に適したラッキョウやサツマイモや長芋を植えるのも良いと思います。
古い土を再利用する時の再生の方法
まず、よく晴れた日に土を日光に当てて消毒します。新聞紙等を広げてその上に土をほぐしながら広げて日光に当ててやります。
土に混ざっている根やゴミなどを取り除きます。フルイを使って土とゴミを分けてやると簡単です。
土の団粒構造を再生させる為に、土壌改良材(堆肥等)を土に混ぜ合わせます。元肥もついでに加えます。