完熟堆肥の作り方(刈った草を堆肥にする)
草刈りをした後の雑草をそのまま放っておいたり、焼いたりしているのをよく見かけますが雑草も資源です。このタダで手に入る雑草を完熟堆肥として利用する方法を紹介します。完熟堆肥は有機栽培には欠かせないものです。
草刈りで出る草はやっかいものでしょうか
私の田舎の近所では、草刈りで出る 雑草楽天 を焼く人が多いのですが、これはこれで理由があるようです。
つまり、雑草をそのままにしておくと雑草が肥料となって更に雑草が増えるというものです。また、雑草の種が増えて雑草が繁殖するというものです。
その雑草を焼けば種も焼けて無くなるし、雑草も無くなって雑草の肥料にもならないし、焼いた熱で雑草が暫くは生えにくいというのがその理由です。
草を焼くのは良い事ばかりではありません。悪い場合もあります。焼くことで煙が発生して近所迷惑になります。火災の危険性もあります。特に山林火災の原因の多くは草焼きです。
しかし、よく考えてみると、その雑草を堆肥として利用すれば、完熟堆肥がタダで手に入ります。少し手間が掛かりますが、雑草は有望な資源と考えられます。
また、草を刈った後、その草を取り除くと地面に日光が良く当るようになります。そうすると芝類が繁殖して、その他の雑草の生育が悪くなります。芝が繁殖すると草刈りがとても楽になります。一石何鳥にもなります。
草刈り後の草を堆肥として利用します
私の田舎では田や道の法面(のりめん)が多く、草刈り面積が半端ではありません。場所によっては田の面積よりも法面の面積の方が広い場合もあります。
草刈り後の草の量も半端ではありません。上の写真のように草を熊手で集めて堆肥にするのですが、集めるのも重労働です。
草を運搬するには、3輪の運搬車が便利です。草を沢山積めるし、ダンプカーのように荷台を傾けて積み荷を出すことができます。
集めた草は直径約1.2m高さ45cmのトタン板で作った堆肥枠に入れていきます。この大きさだと、大量の堆肥を作ることができます。
このトタンで作った堆肥枠は私が子供の頃から使っているものです。この堆肥枠は親戚の板金屋さんに特注した物ですので、市販はされていません。
堆肥枠への草の詰め込み方
上の写真のように草の上に上がって草を詰め込んでいきます。この時、周囲を踏み込んで固めると自然にうまく詰めることができます。
ある程度草が詰まったら、堆肥枠を写真のようにして少しずつ引き上げてやります。
秋になると落ち葉が大量に手に入りますので、落ち葉で堆肥を作ることもできます。私は落ち葉は堆肥にせずに直接水田に撒いてトラクターで耕しています。
堆肥を作る為に加える添加物とその後の管理
草だけでなく、米糠(米ぬか)や石灰窒素や鶏糞や牛糞や水を混ぜてやると早く草が腐って、(発酵して)堆肥を作ることができます。
また、草が腐る時に温度が60度以上(発酵熱)になって草の種が発芽しないようにできます。草の発酵が終わると完熟堆肥のでき上がりです。
一般に畑の雑草や法面の雑草は水田では育たないものが多くそのまま水田に入れてもほとんど問題はありません。
唯一問題になる雑草は露草(ツユクサ)の一種のイボクサです。これは畑でも水田でもとてもよく繁殖します。完熟堆肥にすればイボクサでも問題ありません。
草を積み上げて堆肥を作る時、堆肥の上にビニールシートを被せて雨から守ってやります。また、保温効果もあるようです。
完熟堆肥や緑肥を肥料として利用します
夏に作っておいた完熟堆肥は、冬の間に田圃をトラクターで耕す前に、田に入れてやります。その後すぐにトラクターで土と混ぜてやります。
この時、私は山道で取ってきた落ち葉も一緒に田に撒きます。春になると田圃には雑草が生えてきます。これもトラクターで土の中にスキ込んでしまいます。これを緑肥と言います。私は水田には化学肥料をほとんど使いません。