梅の木の剪定方法
梅の木を放っておくと木が茂るばかりで、実があまり付きません。害虫も発生しやすくなります。上手に剪定をして毎年大きな実がなるようにしましょう。繁茂し過ぎた枝を整理するだけでも効果があります。剪定講習会で学んだことをまとめてみました。
梅の剪定は比較的簡単な部類になります。繁茂し過ぎた枝を整理するだけでも効果があります。おそれず大胆に剪定をしてみましょう。次の年には前年の剪定の反省をすると段々と剪定が上手になっていきます。
梅の剪定の時期
梅の整枝や剪定(せんてい)の時期は、一般的に9月~1月頃に行ないます。それは、梅の木が葉を落として休眠状態になるからです。
果樹園には梅だけでなく、柿や栗や ブルーベリー楽天 などの様々な樹木があります。この場合は他の落葉果樹と一緒の時期に剪定してもかまわないでしょう。
葉が付いている時期、つまり春から夏頃に剪定をすると、樹勢を落とすことになります。反対に樹勢を弱めて木をコンパクトにするのなら、葉が付いている3~7月頃に剪定をします。
この剪定の時期はあまり考えなくても多少前後してもあまり問題ではありません。それよりも、剪定するかどうかの方が問題です。
梅の剪定の仕方
「桜切るバカ、梅切らぬバカ」という言葉があるように、梅の木は剪定をしないと、木が茂り過ぎて実がならなかったり実が付き過ぎたりします。
また、剪定をしないと、葉への日当たりや風通しが悪くなり、害虫が発生しやすくなり、返って樹勢が衰えることもあります。
剪定に使用する道具
梅の木を剪定する道具としては、 剪定バサミ楽天 だけでなくノコギリが必要です。梅の枝は1年でかなり大きくなります。太い枝は剪定バサミだけで切ることが難しくなります。特に何年も剪定していない木では、ノコギリは必須の道具となります。
また、高い所の枝を切るには、3本足の脚立だけでなく、高枝切り鋏が必要になることもあります。普通は高い所の枝は収穫が難しいので、枝を高くしないようにするのですが、既に高くなってしまった枝を切るのに必要です。
将来の樹形を考えて、不要な枝は元から切る
現在の樹形を見て、将来はどのような樹形にするのかを決めて、不要と思われる枝は、元から切ってしまいましょう。枝を途中から切ると、逆に枝の勢いが増してしまいます。
木の全体を見て内側を向いて伸びた枝は、取り除いてしまいます。内側に伸びた枝は日当たりが悪くなっている場合がよくあるので、バッサリと切ってしまいましょう。
同じ方向に平行に伸びた枝は、どちらか一方を取り除くか、両方共取り除くかは臨機応変に決めてください。
梅は枝先に花をつけるので、段々上の方に実が成るようになります。上に向かって伸びる枝の実は高くて採ることができなくなります。
この為、脚立を使用しなくても収穫作業がし易いように、高く伸び過ぎた枝は思い切って切り戻しをして高さを低くしましょう。
花芽を確認しながら、花芽を数個残して外芽の上で切る
花芽と葉芽が区別して見える1月頃に剪定をするようにします。花芽は丸くて膨らんでいますが、葉芽は細く尖った形をしているのでわかります。花芽を数個残して、その少し先を剪定して切り落とします。
梅の木は枝の先端付近の長い結果枝(長果枝)に付いている花は不完全花が多く、結実率が悪い傾向があります。
それに対して枝の真ん中や下付近の短い結果枝(短果枝)の花は充実していてよく実を付けます。収量を上げるにはこの短果枝を多く残すようにします。
枝の芽で幹側にあるのが内芽で、幹と反対側にあるのが外芽です。この外芽の少し上で切るのが原則です。もし、内芽の所で切ると太い徒長枝が上に出やすくなります。
夏の剪定
上記のように梅の木は秋から冬にするのが普通です。しかし、夏に剪定してもかまいません。私は面倒なので、いつも夏にしています。
梅を収穫した後、樹形だけを整えるように、大きく間引くように剪定しています。これだけでも毎年たくさんの実がなります。風通しを良くして、日陰にならないようにするのが主な目的です。
実際に剪定してみると、なかなか教科書通りにはいきません。毎年剪定をしてみて、その結果がどうなっているかを翌年確かめながら、段々と上手になっていくものだと思います。まずは恐れずにばっさりと切ってみましょう。