トマトの効用、効能

昔から「トマトのある家に胃腸病なし」とか「トマトが赤くなると医者が青くなる」といわれるほど、その薬効が大きいようです。トマトにはカリウム、カロチン(カロテン)、ビタミンC、ビタミンB群、ケルセチン、リコピン等が多く含まれています。



トマトについて

我が家で採れたトマトの写真

トマトはペルー、エクアドルを原産とするナス科の一年生草本です。日本へは1580年頃、ポルトガル人によって伝えられ、主に観賞用として楽しまれていたようです。

明治時代には「アカナス」として洋食には使われていましたが、庶民の間で本格的に食べられるようになったのは昭和30年代からです。

その頃、私はまだ小学生でした。昔食べたトマトの味は今よりずいぶんトマトらしい臭いがして美味しいものでした。何故か今のトマトは独特の香りが少ないように思います。栄養も少なくなければ良いのですが、どうでしょうか。

季節のものを、その時期に食べると栄養も多く、味も良いものです。その上健康にも良いとなれば、食べない手はありません。どんどん食べて健康になりましょう。自分で無農薬で栽培できれば言うことはありません。

トマトの薬効

漢方楽天 では、トマトは「清熱解毒作用」つまり、血液を浄化して、脂肪の消化を助けてくれると考えられています。事実、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸等の有機酸が胃液の分泌を促して消化を促進します。また、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム等のアルカリ性のミネラルが酸血症を中和してくれます。

カリウムの働きは体内のナトリウムを排泄する働きがあり、必然的に血圧を下げてくれます。血管を丈夫にするケセルチンとともに心疾患や動脈硬化を予防し、肌をきれいにします。

トマトに多く含まれるビタミン類

トマトにはカロチン(ビタミンA)、ビタミンC、ビタミンB群、ビタミンP(ルチン、フラボン)がとても多く、一般的にビタミンの多い野菜と言われています。これらのビタミンの血管強化作用や拡張作用によって、高血圧や眼底出血の予防に効果があります。

トマトのリコピンと酸味の作用

リコピン(リコペン)はカロチン(カロテン、カロチノイド)の1種で、ジュースやケチャップ等に使われる赤色系のトマトに多く含まれています。

リコピンは赤みを作っている色素で、抗酸化作用があり、活性酸素を消す働きがあります。トマトジュースを毎日摂ると小じわの予防改善に効果があるそうです。

免疫力を強化して、ガンの予防にも有効だと思います。また、リコピンは熱にも強いので、煮てケチャップを作るのも良いと思います。

トマトの酸味はクエン酸、リンゴ酸、コハク酸などの有機酸で、胃の調子を整えて、乳酸等の疲労物質を取り除く働きもあります。

トマトに含まれるその他の有効成分

トマトには、血液をサラサラにするという、ピラジンという香り成分が含まれています。ピラジンはニラやパセリやタマネギやセロリ等にも含まれている独特の香り成分で、血小板の血液の凝固作用を抑制する働きがあります。つまり、血栓をできにくくする効果があり、動脈硬化の予防に有効です。

また、トマトにはアミノ酸の1種のグルタミン酸が多くあり、魚と共に煮込むと、魚に含まれるイノシン酸と、トマトのアミノ酸との相乗効果でうまみが多くなり、とても美味しくなります。また、グルタミン酸やアミノ酪酸には健脳効果があります。

当然、野菜の1種のトマトには食物繊維のペクチンも多く含んでいますので、整腸作用があり、コレステロール値の改善や便秘にもとても有用なものです。

ミニトマトと普通のトマトの成分比較

ミニトマトは栄養的にみると、普通のトマトよりもカロチン、ビタミンCが豊富です。カリウム、鉄、亜鉛などのミネラルの含有量も多くなっています。普通のトマトよりも赤みが強くて、リコピンの含有量も多くなっています。でも、味や食感は普通のトマトの方が美味しいようです。

トマトケチャップの効果と利用

トマトケチャップはリコピンが凝縮されていて、トマトの無い時期には、トマトケチャップが有効です。トマトケチャップを味噌汁の出汁(だし)に使う方法がNHKで紹介されていました。他の出汁を使っていないのに、美味しい味噌汁が作れるようです。

ご飯にトマトケチャップを入れて炊き込みご飯にする方法も紹介されていました。とにかく、トマトケチャップは色々な料理に使えるようです。

その他にも、だし巻き卵や切り干し大根など出汁を使う和食なら何にでもケチャップが使えるそうです。後は、あなたの工夫次第です。

トマトの食べ過ぎに注意しましょう

トマトを生で多く食べ過ぎると、冷え性の人や、胃腸の弱い人は体調が悪くなることがあります。トマトには体を冷やす作用がありますので、たくさん食べる場合は煮たりして火を通しましょう。希に、トマトアレルギーの人がありますのでその場合は気を付けてください。

いくら食べても大丈夫な人は、そう気にすることはありません。ナスやキュウリも体を冷やすと言われていますが、私はいくら食べても大丈夫です。また、一般に野菜はカロリーが少ないので、たくさん食べても太ることはまずありません。

トマトを保存用に加工する方法

農家ではトマトの収穫時期には捨てる程の量が採れて、食べられずに処分に困ることがあります。この場合はトマトを煮ておくと保存が利きます。その後、小分けにして冷凍にしておくと料理に使うのに便利です。リコピンやトマトのビタミンCは熱にも強いので、煮てケチャップを作っても良いと思います。