イチョウ(銀杏)

イチョウ(銀杏)は秋になると紅葉して、遠くからでも黄色い色がよく見えて、とても美しいものです。川の土手や神社や公園の中に大きなイチョウの木がよくあります。この実の銀杏を食べると身体を温める効果があり、寒さに耐える身体をつくるにはとても有効なものです。



イチョウ(銀杏)の特徴

イチョウ(銀杏)
学名

Ginkgo biloba

別名

イチョウ、いちょう、銀杏、公孫樹、ぎんなん、ギンナン

科、属

イチョウ網、イチョウ目、イチョウ科、イチョウ属の裸子植物です。

原産地

中国

分布

日本各地

樹姿

落葉高木で高さは20~30m以上にもなります。

葉の特徴

葉は扇形で葉脈が葉の付け根から葉の先端まで伸びています。葉の中央部が割れています。雌雄異種で、これが深く割れているのが雄の木と言われています。

花の特徴

雌花、雄花とも葉と共に出てきますが、目立ちません。風媒花です。

果実

雌株には秋に梅の実ほどの大きさの実を付けます。これが黄色く熟すと、ウンコのようなくさいにおい(悪臭)がします。

利用

イチョウの実は銀杏(ぎんなん、ぎんきょう)と呼んでいます。黄色く熟した、くさい外側の果肉を取ってから、殻を割って食用にします。その中の種子は茶色の薄皮を被っています。熱すると半透明の鮮やかな緑色になります。少しの苦味と独特の臭いがあるので嫌いな人もいます。

イチョウ(銀杏)の写真と採取の注意

イチョウ(銀杏)の写真 イチョウという植物はイチョウ網の中ではイチョウ目、イチョウ科、イチョウ属のイチョウしかなく、とても特異な植物です。 生きている化石楽天 ともいわれています。

銀杏の果肉にはギンコール酸などを含んでいます。これが皮膚に付くと、かぶれなどの皮膚炎を引き起こします。その為、銀杏には素手で触らないようにします。

この果肉をうまく除去するには、妻の考案した次のような方法が有効です。

銀杏(ぎんなん)の実の取り出し方

バケツにギンナンの実を入れて、しばらく水につけておくという方法をよく聞きます。この方法も試したことがありますが、効率良く実を取り出すことができませんでした。

そこで、もっと手っ取り早い方法を妻が考えました。少々臭くてもがまんできる人やかぶれに強い人には有効です。

  1. ギンナンを二重のビニール袋に入れて口を縛ります。中で十分余裕があるようにギンナンの量を調節します。量が多いとビニール袋が破れてしまいます。
  2. 長靴を履いて、ビニール袋の上からそっと踏みつけます。実際にやってみれば、踏みかげんがわかります。「ぎゅるっ」という感じで果肉から種がはずれる様子が足に伝わって来ます。全体に踏み込みます。
  3. 今度は、ビニール手袋をはめて、種(ギンナン)だけバケツへ拾って入れます。
  4. バケツに水を入れて、ビニール手袋でギンナンについた果肉を落とすようにかき混ぜながら洗います。水を換えながら完全にきれいになるまで洗います。
  5. そして、ギンナンを乾燥させれば、店で売っているような白くてきれいなギンナンができあがります。果肉は土に埋めておけば良い肥料となります。

水に漬けて何日も置くと臭いがひどいので、この方法だと1~2時間もあればできます。果肉が乾燥している場合は、果肉を潰しにくいので、果肉ごと水につけて柔らかくしてからの方がいいでしょう。

銀杏の利用と効用(栄養)

ギンナンの種とその中身 銀杏には、栄養が多く、咳を鎮め痰を切る作用があり、喘息等の症状改善に効果があります。

また、膀胱括約筋を強くする成分があり、夜尿症や夜間頻尿にも効きます。滋養強壮、強精効果もあるといわれています。

イチョウの葉に含まれる何種類ものフラボノイドやギンコライドという成分には、凝血を防ぎ、血流を促進し、心臓や血管などの疾患や脳の記憶力を改善する効果があります。

旬の物を食べると身体に良いと言われていますが、銀杏も同じです。

銀杏の種を食べると身体を温める効果があり、寒さに耐える身体をつくるにはとても有効なものです。私は電子レンジで温めて殻を割って、種の周りの薄皮と共に毎日5~6個食べています。

銀杏による食中毒

食用になる種にはビタミンB6に似た、メチルピリドキシン (メトキシピリドキシン) というものが含まれています。これをたくさん食べるとビタミンB6欠乏症になることがあります。

大人の場合は20個以上とかの数を摂取しなければまず問題はありません。特に子供の場合は数個でも問題になることがありますので注意が必要です。