睡蓮の特徴と育て方(すいれん、スイレン)

睡蓮は水位が比較的安定している淀んだ川や沼や池等に生息していて、地下茎から長い茎を伸ばし、水面に葉や花を浮かべています。よく似た水草に蓮(ハス)があります。池がなくても大きな瓶(カメ)や火鉢などを使って庭先でも育てられます。



睡蓮(スイレン)の特徴

スイレンは睡蓮と書きます。水連とか水蓮と書くのは間違いです。睡蓮は3日間、昼間に咲いて夜には萎む花なので、「睡眠する蓮」つまり、「睡蓮」となりました。

科、属 スイレン科、スイレン属の水生多年草
別名 睡蓮、すいれん、スイレン、未草、ひつじぐさ、ヒツジグサ
繁殖地 日本全国の池や沼に広く分布
葉の特徴 円形から広楕円形で、葉に深い切れ込みが入っています。普通の植物では気孔は葉の裏側にありますが、スイレンには葉の表側にあります。ハスのように葉には撥水性がありません。

睡蓮(スイレン)と蓮(ハス)の違い

蓮(ハス)はスイレンとよく似ていて混同することがありますが、蓮(ハス)はハス科で、全く異なる種類です。ハスは水面から上に花柄が伸びて花が咲きます。

熱帯産のスイレンには水面から上に花柄が伸びて花が咲く種類もあります。

スイレンもハスも葉は円形ですが、スイレンの葉には大きな切り込みがありますがハスには切り込みがありません。

ハスの葉にはスイレンと違いサトイモの葉のように撥水性があります。またハスの根は レンコン楽天 として食用になります。

スイレンの育て方

スイレンの栽培の基本は日当たりの良い場所で水中の株元までよく日光が当たるようにしてやります。そうしないと花付きが悪くなります。枯れて腐りかけた葉は摘み取ってやり、葉が茂りすぎたら葉を摘み取って適度に水中まで日光が届くようにします。

真夏には水温が上昇しますので適度に直射日光を遮るか、涼しい場所に置いて水温が上がり過ぎないようにします。又は、水量の多いカメに植えてやり、カメを土の中に深く埋めてやるのが良いと思います。

耐寒性スイレンは寒さに強く水中で越冬できます。しかし、カメやスイレン鉢が凍結して壊れないように土中に埋めたり、覆いをしたりして防寒した方が良いでしょう。

肥料は植え付ける際に元肥として骨粉や油粕等を土に混ぜてやります。用土は粘土質の土が良いので、田圃の黒い土を入れてやります。

漬物用の大きなカメやスイレン鉢で育てるには、まずスイレンを鉢に植えてから、その鉢を水に沈めて栽培します。水中に蚊の幼虫のボウフラが湧くことがありますのでメダカを飼うとボウフラを食べてくれます。メダカは溜まり水でもよく育ちます。

睡蓮(スイレン)の花の写真

睡蓮の花の写真

近所の方から頂いたヒメスイレンを大きな漬物用のカメ(瓶、甕)に入れて育てています。水の中に蚊の幼虫のボウフラが湧くのでメダカの卵を入れました。メダカもやっと大きくなりボウフラを食べてくれています。

時々蛙がカメに入ってメダカを食べるので、夜はカメに覆いをした時期もあります。最近は、メダカが増えたので、全滅することはないので、何もしていません。

このような自然環境を人工的に作ったものをビオトープと呼ぶようです。カメの中に苔や水草が生え、カエルやトンボが卵を産み、アメンボや小鳥が来たり、多様な生物が住める環境が出来上がります。

よく観察すると、色々な生物が見られます。珍しい生物が見られることもあり、観察が楽しくなります。(撮影 2005.07.18)

睡蓮(スイレン)の水中花

睡蓮の水中花の写真

我が家のスイレンの花が珍しく完全に水中で花を咲かせました。水面下10cm位の深さです。水が少し濁っていますので、鮮明には写りませんが、水中で綺麗に咲いていました。

金色のメダカも偶然写っています。メダカだけを写すのは動きがすばしっこくてなかなか難しいですね。

急に水が増えた場合は水中で花が咲きそうですが、このスイレン鉢にはいつも水がいっぱいに入っていました。とても不思議です。(撮影 2010.07.20)

睡蓮の和名はヒツジグサ(未草)といいます。未の刻(午後 2 時)に咲くということから名付けられたようです。この睡蓮は黄色ですが、ピンク色や白色のものがあります。

メダカと一緒に金魚も入れています。夏祭りの夜店などで金魚を手に入れたものの、その処分に困って金魚も睡蓮鉢に入れると、金魚はメダカと同類のようで、元気に育っているようです。

夏の猛暑の時期には、流石に金魚も暑いように見えたので、水が減らないように庭に散水する時に、睡蓮鉢にも水をいっぱいに足しています。