荒神祭の行事に住民全員参加

私の田舎で6年毎に行われている荒神祭りの詳細を記録しました。町内会の4軒と、以前の住民2軒の協力で荒神祭りを実施しています。町内にある小さな祠の荒神様に、町内会の皆さんが総出で藁で大蛇としめ縄などを作り、神主と神楽太夫の協力のもとで荒神祭を行ないます。



荒神様の小さな祠とお供え物

荒神様の小さな祠とお供え物

私の田舎には荒神様という6畳も無い程の小さな建物があり、その中に小さな祠があります。

ここで、7年に一回と言われている荒神祭りが6年毎に行われています。この写真はその祠とお供え物です。祠の左右に榊を飾ります。

神様のお供え物は、特に決まりがある訳ではありませんが、その季節の果物やしいたけなどの山で採れる物や大根や人参などの畑で採れる野菜と、 鏡餅楽天 や小餅や塩や日本酒などです。

並べ方も特に決まりはありません。檜で作られた三宝の上の皿の向きは神様の方には継ぎ目が来ないようにします。

荒神様に特有の大蛇としめ縄

荒神様に特有の大蛇としめ縄

荒神様には大蛇がつきもののようです。私の田舎の荒神様にも昔から大蛇が飾ってあります。

6年に1回、荒神祭の約1ヶ月前に、新しく大蛇を作ります。大蛇は主に稲藁で作ります。

村の男達が1日掛かりで、古い大蛇の構造を調べてから、それを真似て作るのです。難しいのは口の所の上顎と下顎と瞼です。

これは、藁を編むようにして作ります。場合によっては2人掛かりでやらないといけません。

大蛇の身体の部分は3から4人での共同作業となります。柱に括りつけた藁の束を捻りながら縄をない、その縄を3本更に巻きつけていくのです。

その後、しめ縄もいくつか作ります。

町内会の皆様が総出でお参りします

町内会の皆様が総出でお参り

祭の当日は、男性達で、作った大蛇を飾り付けたり、しめ縄を取り付けたり、朝から荒神様の周辺を掃除したり、落ち葉を集めて焚き火をしたりします。

女性達は、荒神様の建物の内部を掃いたり、拭き掃除したりします。

その後、神主が来られたら、榊に紙で作った紙垂(しで)を付けたりして祭の用意をします。その後、皆様全員でお参りします。

何年か前には、祭りが終わった後に、お茶を飲んだり、寿司の弁当を食べたり酒を飲んだりしていましたが、最近は、簡素化でそれらも取り止めになっています。

2020年1月

湯立てと湯払いの神事

湯立てと湯払いの神事

この湯立てと湯払いの 神事楽天 は荒神様独特なのかも知れません。私の知る限り、他では見たことがありません。

大きな釜に水を入れて、薪で火を焚いて湯を沸かします。その後、神主が祝詞を上げます。

神主が湯に笹を浸して、それを持って、荒神様の建物の中や外を清めます。その後、氏子達の前で笹を振って、もろもろのけがれを祓い清めるのです。

太鼓は祝詞を上げる時に使います。お囃子のようなものです。この太鼓は明剱神社の祭の時にも使うので、氏子の誰かが持ち回りで管理しています。

荒神祭での神楽奉納(大黒様の舞)

荒神祭での神楽奉納(大黒様の舞)

この写真は12年前の荒神祭での神楽奉納(大黒様の舞)をした時のものです。餅まきも行ないました。

神楽太夫に大黒様と荒鬼の舞いを奉納、披露して頂きました。しかし、これも簡素化で、6年前から行われていません。

過疎化で家の軒数が減り、費用も掛かるので仕方がありません。