石油ファンヒーターのメリットとデメリット

石油ファンヒーターは、電気を使って灯油を燃焼させたり、温度調節したりして、ファンの力で対流を起こす暖房器具です。電気をうまく使って燃焼の制御を行なっている為に、火力調節範囲が広く、狭い部屋でも温度調節がうまくできるのが特徴です。



石油ファンヒーターとは

石油ファンヒーターとは、石油(灯油)を燃焼させたエネルギーの熱を送風ファンによって機器外に排出する暖房器具です。エアコンなどと共にランニングコストが安いのが特徴です。

しかし、灯油の価格によってコストへの影響を受けやすく、価格が安い時は良いのですが、原油価格の高騰で使用をためらうこともあります。

石油機器は灯油そのものの臭いや扱いが面倒なことや燃焼時や点火や消火時の臭気がデメリットとなっています。

代表的な小型石油ファンヒーターの例

代表的な小型石油ファンヒーターの例

この写真は、木造で9畳、コンクリート製で12畳まで用の3.2kWクラスの代表的な小型石油ファンヒーターの例です。

代表的な3.2kWクラスの小型石油ファンヒーターの最大火力は3.19kW(0.310L/h)です。

このトヨトミの機種では、最小火力は0.79kW(0.077L/h)となっています。つまり最小火力は最大火力の約25パーセント(1/4)となっています。

コロナの同様な機種では、最小火力は最大火力の約20パーセント(1/5)となっています。

これは石油ファンヒーターは 火力楽天 の調整範囲が最小火力の4~5倍ととても広い事を表しています。

ガラス芯を使った石油ストーブの火力の調整範囲は、一般的に最大火力の約60パーセントまで(調整範囲は最小火力の約1.7倍)ですので、小さい部屋で使うには、石油ストーブよりも石油ファンヒーターの方が適しています。

石油ファンヒーターのメリット

温度設定をしたら、機器が温度調節を自動で行なうことができます。石油ストーブのように手動で火力調節を行なう必要はありません。

火力調整範囲が広い。つまり、一般的に石油ファンヒーターは最大火力の約1/4~1/5にまで火力を絞れます。石油ストーブは最大火力の約6割までしか火力を絞ることができません。これは、小さい部屋でも温度調節が簡単にできるということです。

電気を使って各部の制御を行なっているので、安全性が高いと言えます。また、タイマーやチャイルドロックなどの安全装置が充実しています。

高温部分は前面の吹き出し部分だけで、それも石油ストーブに比べたら温度が低いので、近くに燃えやすいものがあっても比較的安全だと言えます。

エアコンや電気暖房などに比べると、燃焼によって水分の発生があるので、加湿の必要性があまりありません。

対流や前面に熱を出すことから、部屋全体や部分暖房の両方に対応できます。

石油ファンヒーターのデメリット

灯油以外に電気を使っているので、 停電楽天 の時には使えません。これは最大のデメリットと言えますが、日本では停電はほとんど無く、普通に使う分には大きな問題はありません。

石油ファンヒーターは灯油以外にも電気エネルギーを使っているので、少しですが、石油ストーブに比べたらエネルギーの使用効率が落ちます。

灯油の燃焼によって、二酸化炭素の発生があり、定期的な空気の入れ替えの必要があります。

灯油がエネルギー源なので、灯油の補給を定期的に行なう必要があります。寒い時の灯油の補給は面倒なものです。

石油ファンヒーターの手入れ方法

シーズン中の日常の手入れ方法は、燃焼用の空気取り入れ口の掃除や対流用の空気取り入れ口の掃除などです。

1ヶ月に1回程度は、油受け皿やその受け皿の中の油フィルターの掃除をしてください。水やゴミなどで詰まっていることがあります。これがひどくなると、灯油があるのに灯油切れの症状になることがあります。

シーズンが過ぎて、収納する時は本体内やカートリッジタンク内の灯油を全部抜き取りましょう。油フィルター部分を取り外して、油受皿内の灯油を市販の給油ポンプや専用スポイトなどで完全に抜き取りましょう。

最後は灯油受け皿の中の残った灯油やゴミなどはティッシュペーパーなどで綺麗に拭い取って乾燥させてください。こうしておけば、下部のタンク内に残った水分などが少々あってもすぐに蒸発してしまいます。

気化器の手入れの必要なものは、取扱説明書に従って気化器の手入れ(空焼き)をしてください。毎年、しまう時に手入れをしておくと毎年の使い始めにスムーズに使えるものです。

注意事項

石油ファンヒーターを使う時は、枝毛コートや床用のワックスなどに含まれるシリコーン(シリコン)の影響で、内部のフレームロッドなどにシリコンが付着することがありますので注意してください。

つまり、石油ファンヒーターがある部屋では、枝毛コート剤を使わないことです。床にもシリコーン入りワックスを使わないことです。

フレームロッドなどにシリコンが付着すると、点火しにくくなったり、途中消火したりします。ひどくなるとフレームロッドや燃焼部分の部品の修理や交換が必要になることがあります。

一般的に、石油機器の価格に比べて修理代は割高なので、ちょっとした注意をすることで、無駄な出費をおさえることができます。