チェンソーの使い方とメンテナンス
中山間部では山林を所有している農家が多く山林の手入れに木を切る機会が多くあります。少しなら手動の鋸でもよいのですが、多くの量になるととても手ではできません。そのような時チェンソーがあるととても能率が上がります。チェンソーは取り扱いには注意が必要です。
チェンソーの特徴
チェンソーにはエンジン式のものと、モーター式のものがあります。100Vの電源がある所ではモーター式の物が便利で、故障も少ないようですが、一般的にはどこでも使えるエンジン式の物が主流です。
チェンソーの各部の名称と使い方
この写真は私が使っているガソリンエンジン式の小型チェンソー(共立のGC301) です。刃の長さが短くて (ガイドバー35cm、14インチ) 小型で安価な機種です。
エンジン (排気量約30cc) の回転をチェーン式ノコ刃 (鋸刃) に伝えて木を切るようになっています。エンジンから鋸刃の間には自動遠心クラッチが付いていて、エンジンの回転を落とすと自動的に刃の回転が止まります。
フロントハンドルとリアハンドルを持って木を切りますが、ノコ刃との間にフロントハンドガードがあります。これを前に倒すとチェーン刃にブレーキがかかるようになっています。
燃料と チェンオイル楽天 を入れたらエンジンを掛けます。暖機運転後にフロントハンドガードを手前に引いてチェンのブレーキを解除します。
フロントハンドルを左手で、リアハンドルを右手でしっかりと支えて、スロットルロックアウトレバーを握ってスロットルを少しずつ引くとエンジンが高回転になります。
この時、刃の延長線上に体の中心線が来ないようにします。頭や目も刃の延長線上からずらしてやります。これは安全の為にとても重要です。
木材にチェンの下側の刃の根本を当てて切ります。刃の先端やチェンの上側を木材に当てるとキックバックが起こってとても危険です。
木材を切るだけなら誰でもできますが、木材を切った後に木材の自重で木材が下に落ちたり、反動で木材の位置が上や横に移動したりします。これを予測しながら作業をしないと非常に危険です。これができないと命にかかわる重大な事故となります。
2サイクルエンジンのかけ方
- フロントハンドカバーを前に(刃の側に)倒しておきます。
- ストップスイッチのあるものは、スイッチを始動の位置にします。
- スロットルレバーを低速の位置にします。
- チョークレバーのあるものは、チョークレバーを「閉」の位置にします。
- メーカーや機種によってはその他に始動のレバーがあるものがあります。
- プライマリーポンプを数回押して、燃料が燃料戻りパイプから燃料タンクへ戻るまでガソリンを気化器に送り込みます。
- 本体を手でしっかり押さえながら、スタータグリップをエンジンの爆発音がするまで数回引きます。
- 最初のエンジン爆発音がしたらチョークレバーを「開」の位置に戻します。
- 再びスタータグリップを引っ張るとエンジンが簡単に始動します。
- エンジンが始動したら、2~3分間低速で暖機運転します。
- エンジンが暖まっている場合で、燃料が切れた時でなければチョークレバーを「開」のままでエンジンをかけます。
チェンソーの刃の目立て方法
この写真はチェンソーの刃の拡大写真です。この写真の中央上部の刃で木が切れるようになっています。その右のデプスゲージとの高さの差 (デプス) 分だけ切れるようになっています。
この機種では直径4mmの丸ヤスリをチェン刃の進行方向と60度の角度になるように当てて刃を研いでやります。デプスが浅い時は、平ヤスリでデプスゲージ部を約0.6~0.7mm低く滑らかにしてやります。刃の部分をよく観察すればどのようにしたら良いのかはすぐにわかります。
目立てをしても切れ味が回復できなくなったらチェン刃 (ソーチェン) を交換します。必ずメーカーの指定の刃 (この機種ではオレゴンのチェーンタイプ91VG、ピッチ9.35mm、ゲージ1.27mm、リンク数52E) に交換します。
チェンソーを使う時の注意とメンテナンス
チェンソーは長い刃が露出していて、高速で動くので取り扱いを誤ると、とても危険なものです。注意事項をよく守って安全に使いましょう。
- チェン刃の張りは常に適正になるようにします。張り過ぎやたるみ過ぎになると機械の寿命に影響しますし危険です。
- チェン刃用のオイルの量は必ず点検してください。また、自動オイルポンプの調整も必要があれば調節します。
- 保護メガネを必ず使用します。チェンソーを使うと切りくずが飛んでくることがあります。
- 服装は長袖シャツと長ズボンを着用して、靴はゴム長靴のようなのを履きます。帽子や手袋も必ず着用します。これは体を保護する為でとても重要です。
- チェンソーの機械的に動く部分には注油またはグリスを注入します。ただし、自動遠心クラッチには油分を付けてはいけません。
- 2サイクルエンジンには混合油を使用します。メーカーの指定の混合比にします。一般的にはエンジンオイルとガソリンを1:20~1:50の比に混合します。よくわからない時は1:25位にします。
- 作業をする近くに他人が入らないように常に気をつけて作業をします。
- 刃が手前に移動する部分で切るようにします。刃の先端や刃が先端に移動している部分ではキックバックが発生するので危険です。
- チェンソーを長期間使用しないで格納する時は、タンクと気化器の中の燃料を空にしておきます。また燃料を抜いた後、止まるまで運転しておきます。そうしないとエンジンの気化器の細いジェット部が詰まることがあります。
- 回転部や動く部分には注油したり、グリスを塗っておきます。
- その他にも各部を時々点検して、不具合な所は修理しておきます。