既存の整理棚、家具に追加する耐震棚の製作
既存の整理棚や家具は地震の時、倒れるおそれがあるので、地震対策としてその上に追加する整理棚をDIYで作ってみました。SPF材を使って安くて丈夫で実用的な棚を作ることができました。
既存の整理棚(市販品)
この写真は、市販の整理棚です。高さが約1.8mあり、天井までの空間が約59cmあります。このままでは大地震の時に倒れるおそれがあります。と言うよりも、大地震なら必ず倒れて、前に居ると怪我をするでしょう。
そこで、この上に地震でも倒れないように、追加の整理棚を作ることにしました。このような場合は現場の寸法に合わせてDIYで自作するしかありません。または、大工さんに製作依頼することになります。
SPF材で作った地震対策用の整理棚
この写真が今回製作した整理棚を既存の整理棚に乗せたものです。幅826mm、高さ580mm、奥行き381mmの大きさで作りました。棚は2段で棚板の間隔は固定としました。
下がスケルトン仕様なので、上もスケルトンに近いデザインにしました。
主に1x4と1x6の SPF材楽天 を使用し、裏板には厚さ約12mmのコンパネを使用しました。既存の棚との接合にはI字形のステンレスの金具を4個使いました。
製作した地震対策用の整理棚の高さは、既存の整理棚の高さと天井までの空間よりも約1cm低くして作りました。これはピッタリに作ると、製作してから上に置くのに苦労するからです。整理棚の上に置いてから、天井への当て板を取り付けて隙間を無くするのです。
天井への当て板は、棚の後部のみに取付けました。当て板が上下できるように、ステンレスのL字形金具を使って、上にスライドさせて隙間を無くすようにぴったりと取付けました。当て板は前部には取付ける必要はありません。前部に天井への当て板を付けてもこれは何の役にも立ちません。見栄えは良くなるでしょう。
厚みのある木を使っていますので、下の市販の物に比べて小さくても重量があります。あまりにも重い場合は、既存の棚の上ではなく、下に追加した方が良かったかも知れません。
地震対策用の整理棚の効果と応用
この出来上がった棚を手前に倒そうとすると、後ろの天井への当て板が効いて、棚の上部が約1cm前に動くだけで倒れることはありませんでした。想像通りの大成功でした。
このような棚は冷蔵庫やタンスや家具の地震対策としても有効です。大地震に備えて作ってみては如何でしょうか。物入れにもなります。
材料と板取り
SPF 1x4(19mm x 89mm x 1830mm)---4枚
SPF 1x6(19mm x 140mm x 1830mm)---2枚
コンパネ合板(12mm x 900mm x 1800mm)---1枚 (実際に使うのは、580mm x 826mm)
SPF 1x6は棚板として使用します。長さ786mmの物が4枚必要です。SPF 1x4も棚板になる部分は長さ786mmの物が2枚必要です。つまり、140mmの幅のものを2枚と89mm幅のものを1枚でひとつの棚板になります。
天井の当てになる部分は、SPF 1x4の棚板と同じものつまり、長さ786mmの物が1枚必要です。
棚板の受けとしてSPF 1x4を使用します。これは縦に半分(幅43mm程度)に切ります。長さ368mmの物が4枚必要です。
側板にはSPF 1x4を長さ580mmに切ったものを4枚使用します。これらの加工には丸鋸と自作の丸鋸ガイドを使用しました。
全ての板の加工が済んだら、オービタルサンダーで板の表面の凹凸をなくしたり、面取りをしたりします。この加工が済むと白木の美しさが出てきます。
整理棚の組み立て方法
まず側板を組み立てます。18mm x 89mm x 580mmの板2枚を棚板の受け(19mm x 43mm x 368mmの板)で止めていきます。これを2組作ります。
棚板の上下の間隔は約340mmとしました。下側の棚の高さはA4ファイルが余裕で出し入れできるようにしました。
組み立てる時、スクリュービスを止める場合は板が割れないように約Φ3mmのドリル刃でビスの下穴を開けておきます。
加工済みのコンパネに先程作った側板を取付けます。ビスはコンパネ側から止めていきます。この後、棚板を3枚ずつ2段に取り付けたらほぼ完成です。
棚板は棚板受けの上側からスクリュービスで棚板受けに締め付けていきます。とても簡単に組み立てが終了します。
写真では、側板に棚の物が落ちるのを防止する板を付けてあります。これは余った端切れを利用しました。従って捨てる部分はほとんどありません。
今回は塗装をしませんでした
ラッカーやペンキで塗装しても良いのですが、木目を活かす為に、今回はニスも使わず、オービタルサンダーで研磨しただけです。
今回のような場合、透明なニスだけを使っても良かったかも知れません。