鋸(ノコ)の目立てとあさり付けの方法
鋸を使用していると刃先が磨耗してきます。そして切れ味が悪くなってきます。そうすると、まっすぐに切れなかったり、鋸が木に食い込んで動きが悪くなったりします。鋸の目立てとは、ヤスリで刃を研いで鋭くし、アサリを修正して再びよく切れる様にする事です。
鋸の目立てに使うヤスリ
この写真は鋸の 目立て楽天 に使う専用のヤスリです。近頃は鋸の目立てをする人が少ないのか、このヤスリを置いていない店もあります。
目立てをするには、このようなのこぎり目の目立て専用のヤスリを使います。
のこぎりは、縦引き、横引き共に、刃の一番尖った部分が丸くなると切れが悪くなります。その一番先端の部分をヤスリで研いでやると切れがよくなります。
やり方は、一つ置きに同じ方向の刃を押して削り、反対に返して、もう一方の刃を削ります。ひとつひとつの刃の前と後ろの両方を以前と同じ角度に研いでいきます。
研いだ刃は刃先が光って見えます。研ぐ時はあまり大きな力を入れないで、軽く撫でる程度で良いと思います。
鋸のアサリについて
鋸を使っていると、目立てをして切れ味は良くても、鋸が木に食い込んで鋸の動きが悪くなることがあります。この場合は、鋸のアサリ(あさり)と呼ばれる部分の修正が必要です。
この写真は鋸を刃先方向から拡大して見たものです。この写真のように、鋸にはアサリと言って、鋸の幅より少し広く木材を切って、鋸がスムーズに動くように、鋸の刃を互い違いに外に反らせています。鋸を使っているとこのアサリ部分も摩耗してきます。
鋸のアサリ取り器(ソマックスのソーセット)
鋸のアサリ付け(アサリ出し、アサリ取り)の方法には他にも色々な道具があるようですが、私はこのアサリ取り器(ソマックスのソーセット)を使ってみました。
この写真が、鋸のアサリ取り器(ソマックスの ソーセット楽天 細目用No.250)です。これを使うとうまくアサリを付ける(あさりを取る)ことができます。
これは、木工鋸の歯数25mm当り4~12山、厚みは最高1.6mmまでに使用できます。
アンビルの番号は鋸の歯数(25mm当り)に相当しますが、これは目安です。アンビルをセットする量は数字を大きめにしてください。そうしないと刃が折れることがあります。
鋸のアサリ取り器の使い方(あさりをつける方法)
アンビルの調整は、アンビルのネジを緩め、セットする歯とピストンの先を正確に合わせて位置を決め、よく確かめてからアンビルのネジを固く締めてください。
アンビル番号の選択は、山数にあまりこだわらず、経験に基づいて、鋸の刃の硬さや被工作物等を勘案して、適当な番号を決めてください。
特に固い刃の場合は、普通の刃に比べてアンビル番号を大きめに合わせて、刃が折れないように注意してください。
調整が済んだら、鋸の刃に正確にセットしてレバーを握るだけで、アサリを付けることができます。これを刃の一つ置きに行なっていきます。済んだら鋸刃を反対に向けて再度行ないます。
鋸の目立てとアサリ取りをした感想
古くて、もう捨てても良いと思ったノコギリでも、鋸の刃の目立てとアサリ取り(あさり付け)をしたら、見違えるようによく切れるようになりました。
鋸によってはアサリ取りをしなければ全く使えない物もありました。これで古いノコを再生して何回も利用することができます。