杜仲茶の効用(杜仲の成分と薬効、利用方法)
杜仲(とちゅう)の木は、トチュウ科トチュウ属トチュウの落葉高木で、植えてから20年程度経過すると高さ約10m以上の巨木になります。雌雄異株で、雌株には緑がかった白い花が咲きます。杜仲の葉を乾燥させて杜仲茶を作ることができます。
杜仲茶(とちゅうちゃ)の利用の歴史
杜仲の原産地は中国で、漢方薬では鹿茸(ロクジョウ、鹿類の幼角)や 高麗人参楽天 と共に三大名薬と言われています。中国では杜仲の皮を乾燥させたものを煎じて飲むと「不老長寿の薬」とされて栽培されてきました。
杜仲が日本に伝わったのは、奈良時代~平安時代頃といわれています。杜仲は高麗人参と同様に入手が難しく高価なものだったようです。
杜仲の木が大きく成長するには何年もの歳月がかかります。一度、樹皮を収穫すると、その再生までに数年以上がかかります。昔は皮だけを利用していたので、多くの量を収穫できませんでした。その後、杜仲の葉をお茶にすることが行われるようになり、現在のように杜仲茶として普及しました。
杜仲(とちゅう)の葉の写真
杜仲の葉はこの写真のように楕円形で、この若葉をお茶として用いることができます。若葉なら若い木でもたくさん収穫ができます。葉をちぎると白いゴム状の糸を引きます。
樹皮の表面は灰褐色でザラザラしています。樹皮の内側は黒褐色で、ツルツルしています。樹皮や枝を折っても糸が尾を引きます。
杜仲茶は健康に良いので、私は日常的に飲む為に、自分で栽培することにしました。我が家の畑と山の間に2本程植えてみました。大木になるそうなので、周囲に十分な余裕のある所に植えました。
杜仲の雌株は植えてから十年近く経たないと花が咲かないそうです。その後、実を付けます。葉、花、実、樹皮の全てに有効成分が含まれています。
杜仲茶(杜仲葉茶)の有効成分と薬効
杜仲の葉には健康維持に必要な鉄分や亜鉛、カリウム、カルシウム、マグネシウム等の各種ミネラル成分やビタミン類を多く含んでいます。その他、杜仲茶の有効成分にはアルカロイド、ペクチン、タンニン等も含まれています。
杜仲茶の薬効として、動脈硬化を予防して血圧を降下させたり、肝機能の向上や血行障害の改善や利尿効果や鎮痛効果があるようです。また、杜仲茶には内臓脂肪を減少させる働きがあるとも言われていますので、ダイエットやメタボリックシンドロームの人には良いかもしれません。
杜仲茶は効き目が穏やかで副作用がないので、安心してたくさん飲むことができます。
杜仲茶の作り方と利用方法
やかんに約1リットルの水を入れて、市販の杜仲茶のティーパックを1つか、杜仲の乾燥した葉(約スプーン一杯)を入れて、沸騰したら弱火にして約数分間煮てください。効果を増す場合は、杜仲茶の量を増やすとよいでしょう。
杜仲茶は何となく甘くてまろやかな味で、くせの無い飲み物なので、誰でも美味しく飲めると思います。もし、この味が嫌いな場合は、緑茶や紅茶に混ぜて飲んでもよいでしょう。
また、カフェインが無いので就寝前に飲んでも問題ないでしょう。できれば日常的に続けて飲むのが健康に良いと思います。
杜仲茶の栽培方法
杜仲の木は元々、虫等を寄せ付けない性質があるので、農薬を全く使う必要がありません。寒暖にも強くどこでも栽培が可能です。この為、比較的簡単に栽培できます。一般的に植物の栽培に適した土なら問題ないでしょう。木が大きくなるので、周囲に十分余裕のある場所に植えましょう。
家庭での杜仲茶の作り方(加工方法)
自家製の収穫した杜仲の葉を洗ってから、適当な大きさに裁断します。唐箕等の通気性の良いものの上に並べて天日で乾燥します。
中華鍋やフライパン等で炒って作る焙煎茶にしてもよいでしょう。新芽を焦がさないように混ぜながら適度に乾燥させます。市販のものは焙煎してあるものが多いようです。