お茶の効用(緑茶の成分、薬効、利用)

お茶(緑茶)は、お茶の木(チャノキ)そのもの、又は、お茶の木の葉や茎を加工して作られる飲み物です。最近、お茶の中のカテキンの機能が見直され、ガン予防や高血圧予防に効果があることがわかってきました。



お茶(緑茶)と茶道の歴史

お茶の葉の画像

お茶の栽培は栄西や空海や最澄により中国から伝えられました。お茶が栽培されるようになると共に嗜好品として飲まれるようになりました。

中国から 茶道具楽天 と一緒に茶会などの作法が伝わって、「茶の湯」へと発展しました。江戸時代に入ると庶民の間にも広がり煎茶が広く飲まれるようになりました。「茶の湯」は明治時代に「茶道」と呼ばれるようになり、女性の嫁入り前の礼儀作法となるまでに一般化しました。

お茶(ツバキ科)は冬でも葉を落とさない常緑樹です。この写真のように春には新緑の季節を代表する若草色の新芽が伸びてきます。

日本で栽培されているお茶の木の品種の大部分は「やぶきた」です。最近は「おくみどり」「さえみどり」「つゆひかり」等の新しい品種も栽培されています。

お茶(緑茶)の花と実の写真

お茶の花の画像 お茶の実の画像

お茶は左の写真のように夏~秋頃には椿の花を小さくしたような白い花が咲くことがあります。栽培しているお茶の花は咲かない方がいいのです。天候とかお茶の栽培管理に障害があると危機感を感じて子孫を残す為に花が咲くのです。私の家では全く手入れをしていないので、花が咲いて実がたくさんなりました。

右はお茶の木の実です。お茶の葉や実を採って洗って干して炒ったら、ウーロン茶のようなのが出来ました。美味しくいただきました。作るのは超簡単でした。(撮影 2002年7月)

緑茶の有効成分と薬効

お茶にはタンニン(カテキン類)、ビタミンC、ビタミンE、ベータカロチン、食物繊維、ミネラル、葉緑素、テアニン、カフェイン等の各種有効成分が知られていて、昔から薬用を目的に飲用や食用にされてきました。

それらの中には活性酸素の害から体を守る抗酸化物質が多く含まれています。カテキンには発がん抑制作用や抗腫瘍作用があると言われています。

お茶に含まれているカテキンは、ボツリヌス菌やコレラ菌、黄色ブドウ球菌、O-157のどれにも抗菌作用や抗毒素作用があります。

お茶の効用

静岡県掛川市は日本一ガンの死亡率が低いそうです。その他のお茶の産地も同様に死亡率が低いことがわかりました。掛川市のお茶はどちらかというと濃いお茶が多いそうです。

深蒸し茶やすり鉢ですったお茶にすると、細胞壁が壊れて中の成分が多いお茶になるそうです。(ためしてガッテンで放送されていました)

お茶の効用は、ガンの死亡率を下げたり、悪玉コレステロールを下げたり、ダイエット効果もあります。濃いお茶を毎日多めに飲みましょう。

緑茶の利用方法

緑茶は飲むばかりでなく、食べて全ての栄養素を利用したいものです。食べるなら1~2mmの荒挽きにするのがよいでしょう。

すり鉢とすりこぎを使ったり、ミキサー等で加工します。買うなら市販されている食茶を利用しましょう。

ご飯に荒挽きのお茶の葉を好みに応じてパラパラとふりかけたり、薬味としてきんぴらやひじきやヤキソバ等にふりかけたり、お菓子やクッキーやケーキの生地に混ぜて利用したりします。

お茶(茶葉)を使った食べ物

食用茶
茶がらをそのまま食べてしまいます。中国旅行で飲んだお茶は、急須を使わずに茶葉も食べてしまいました。
お茶漬け
ご飯に小魚、塩辛、梅干、海苔等を入れて煎茶をかけて食べます。食欲の無い時にはよく食べられています。
茶粥
和歌山県や奈良県が有名で、茶葉を入れて作ったお粥です。お粥の湯が沸き米が踊りだす頃に茶葉を投入して一緒に炊きます。茶葉は途中で取り出します。
茶そば
抹茶を蕎麦(ソバ)に練りこんで作ったソバです。静岡県が有名です。
茶団子
抹茶を加えて団子を作ったものです。京都府宇治市が有名です。
抹茶ソフトクリーム
ソフトクリームに抹茶を加えたもので観光地ではよく売られています。

これら以外にも、茶葉を使った食べ物は日本料理や中国料理を中心に様々なものがあります。

緑茶と紅茶と烏龍茶(ウーロン茶)の違い

緑茶と紅茶と烏龍茶(ウーロン茶)は同じお茶の木の葉から作られています。製造方法の違いで緑茶や紅茶やウーロン茶となります。

緑茶はお茶の葉を摘んでからすぐに加熱します。すると葉に含まれる酵素の活性が壊れて、発酵が止まります。ウーロン茶はある程度発酵を進ませた後、加熱して発酵を止めます。紅茶は加熱しないで最後まで発酵させて仕上げるのです。このように、茶葉の発酵のさせ方により色や味が決まり、発酵が進むに従って香りが強くなるのです。

緑茶の栽培方法

お茶の木の植え付け適期は3月下旬~5月で、植える場所は水はけの良い土地をお勧めします。酸性土壌を好むので排水の良い砂地や畑に、ピートモスや完熟の牛糞堆肥を混合してください。

植え付けは約30cm間隔にして、乾燥防止の為に株元に敷き藁をしてやります。肥料は植え付けの翌年から油カスを株元にひと握り程度施します。

剪定は、たくさんの枝を広げた樹形にすることで均一な新芽を多く取れるので、植え付け時に先端の芽を切り、2年目から切り返しをして、横から枝を多く出させるようにします。

家庭でのお茶の作り方(加工方法)

家庭でのお茶の作り方は、中華鍋やフライパン等で炒って作る釜炒茶が一般的で簡単です。新芽を焦がさないように混ぜながら適度に乾燥させた後、手の平で揉みます。これを繰り返して乾燥させていく方法です。