日本ミツバチの巣箱の防寒対策
日本蜜蜂(ニホンミツバチ)は冬でも巣の温度を約30度C以上に維持していて、寒い冬は巣から熱が逃げていきます。この熱の維持に必要なエネルギーは蜂蜜が使われます。冬に蜂蜜の消耗を抑えるには巣箱に防寒対策をすることです。蜂蜜が無くなると群れは消滅します。
日本ミツバチは巣の温度を一定に保温しています
日本蜜蜂は群れで越冬して、巣の温度を約30度C以上に維持して(保温して)います。一般的に 昆虫楽天 は変温動物ですが、ミツバチはあたかも恒温動物のような挙動をします。とても不思議なことです。この温度は夏は約35度C、冬は約32度Cと言われています。
この写真のようにミツバチは巣箱の中で、巣に群がって巣全体の温度が一定になるようにしているのです。その理由は自分達が凍え死なないようにする為と、幼虫を育てたりする為と、蜂蜜が結晶して固くならないようにする必要があるからです。ミツバチは単独では生きていけないのです。
巣の温度を一定に保つにはエネルギーが必要です。このエネルギーにはミツバチが集めた蜂蜜が使われます。ミツバチ達は冬を越す為にせっせと蜜を集めているのです。
稲わらで防寒対策をした例
この写真が日本ミツバチの巣に稲わらを巻いて寒さ対策をしたものです。もちろんコモやムシロでもかまいません。11月から12月初め頃には防寒対策をした方が良いと思います。
この巣箱は巣のある上の方の板厚が12mmしかなく、巣箱の外に手のひらを当ててみると、ほんのりと暖かさを感じます。つまり何もしないと熱がどんどん逃げて行っているのです。
重箱式の巣箱では上下の箱の間に隙間ができるので、そこからも寒風が入るおそれがあります。その意味でも防寒対策をした方が良いと思います。
梱包用プチプチで防寒対策をした例
こちらの写真は日本ミツバチの巣に梱包用のプチプチを巻いて寒さ対策をしています。
梱包用のプチプチは湿気を通さないのですが、突起部分を内側にした方が完全密閉にはならないので良いと思います。つまり上と下の隙間から少しずつ空気の入れ替えがあります。
プチプチの突起部分を外側にすると、巣箱が完全密閉になるのと、突起の無い部分では保温になりにくいので効果が薄いと思います。
また、巣箱の板厚が約20mmあると、このプチプチシートを巻いてもシートの内側には結露しません。
プチプチシートを巻くのは横だけで上と下は何もしません。保温効果は抜群で、春になったら蜜がまだ多く残っているので、分蜂回数が多くなります。
巣箱の出入口を狭めて防寒対策します
この巣箱は蜂の出入口の横幅が26cm近くあり、寒い風が巣箱に入りますので、横幅を1/3~1/2に狭めてやります。冬の間の蜂の出入りは多くないので問題はありません。
冬のミツバチの世話時には刺されないように注意
冬にはミツバチが殺気立っていることが多いので、刺されないように注意しましょう。やはり、蜜の少ない季節にはミツバチの巣に近づいたり、世話をしていると刺されることがあります。
その場合は、予め、巣の出入り口を塞いでから世話をしましょう。もし、外勤蜂が帰って来たら、少し入り口を開けて入れてやります。