日本ミツバチ(和蜂)用巣箱(待ち桶)の製作1
日本ミツバチを一時期飼ったことがあり、その時以来いつかはまた飼いたいと思っていました。インターネットで日本ミツバチを飼っている人の情報を見ていると、簡単に捕獲しているようなので、巣箱(待ち桶、捕獲箱)を製作して設置してみました。
日本ミツバチ(和蜂)とは
日本ミツバチ(和蜂)とは日本に古くから居るミツバチで西洋ミツバチのように 蜂蜜楽天 (ハチミツ)を多く集めるミツバチではありません。蜂蜜は少なくてもその味は西洋ミツバチのものとは一味違った濃厚なものです。とても入手しにくい貴重なものなので、ネットでも高値で取引されているようです。
西洋ミツバチは元々日本に居なかったミツバチなので、天敵のスズメバチにねらわれたらひとたまりもありません。西洋ミツバチを飼っている人は工夫してスズメバチの対策を考えなければなりません。
それに比べて日本ミツバチは天敵のスズメバチに対抗する手段を備えています。スズメバチが巣に進入してきても、集団でスズメバチに取り付いて体温でスズメバチを熱死させるそうです。
日本ミツバチの捕獲のしかた
日本ミツバチは女王蜂を中心に働き蜂たちと集団で暮らしています。この群れが栄えて大きくなると、女王蜂を産んで群れを2群に分けて巣から出ていきます。これが分蜂と呼ばれるものです。
この時、古い女王が巣から働き蜂を連れて出て行きます。これを捕獲する為の巣箱が「待ち桶」と呼ばれるものです。巣箱(待ち桶、待ち胴)は日本ミツバチが住みやすいように、気に入ってくれるように作って待ち受けます。
巣箱(待ち桶、待ち受ける箱)の設置場所は冬は日当たりが良くて暖かく、夏は日陰になって涼しい場所を選んでやります。
巣箱(待ち桶)用の材料の準備
巣箱(待ち桶)の材料は杉材を使用します。どんな木でも良い訳ではなく、松のような臭いのきつい材料は良くないようです。でも、自然界では松の木の室(むろ)にも巣を作ることから松ではいけないという事でもなさそうです。
今回はネットで見つけた製作記事と同じ物を作ってみました。外形寸法は縦横約260mm、高さ約180mm、板厚約12mmです。
この寸法は以前作った物と互換性がないし、寸法が半端なので、今後は、外形寸法を縦横約300mmと切りの良い寸法として、高さ約90mm~150mm、板厚約20mm~30mmで作る予定です。
板厚は保温の点から厚い方が良いようですが、一般的に12~30mm程度の物を使っています。今回は板厚12mm、幅180mmと45mmの杉材を使いました。
この写真の左上から、幅45mmの板で長さ290mmの物を2枚、265mmの物を2枚、260mmの物を2枚、230mmの物を4枚、幅80mmの板で長さ260mmの物を1枚です。
左下から、幅180mmの板で長さ290mmの物を2枚、260mmの物を7枚、235mmの物を4枚用意します。
写真と、この説明の枚数が少し違っていますが、私はこの説明通りの枚数で製作しました。この他にも2X4材で長さ260~360mmの物を縦に半分にした物も必要です。
巣箱(待ち桶)の組み立て
まず、幅180mmの板で長さ260mmの物4枚、235mmの物4枚で巣箱の主要部分(巣枠、重箱)を2個作ります。25mmのコーススレッドネジで組み立てます。板が割れないようにあらかじめΦ3mmの穴をドリルで開けておきます。幅45mmの板で長さ260mmの物を2枚使って、上下の巣枠(重箱)を結合します。板の向きは芯側を外側にしました。この後、重箱の下部に幅5~10mm、高さ7mmの入り口を作ってやります。
次に底の部分を作ります。幅180mmの板で長さ260mmの物2枚を繋ぐのに、この下に、2X4材で長さ260mmの物を縦に半分にした物2個を使って接続します。その上に幅45mmの板で長さ230mmの物を2枚使ってこの上に乗せる巣枠がずれないようにします。
次に蓋の部分を作ります。幅180mmの板で長さ260mmの物1枚と幅80mmの板で長さ260mmの物1枚とを、幅45mmの板で長さ230mmの物を2枚使って繋ぎます。ちょうど巣枠(重箱)に蓋ができて、横にずれないようにします。
次に屋根の部分を作ります。幅45mmの板で長さ265mmの物2枚、260mmの物2枚を巣枠を作った時と同じように、巣枠の外側に入るように組み立てます。この上に幅180mmの板で長さ290mmの物2枚を取付けます。
後で屋根は波板等で別に作るので、私はこの屋根の部分は特に作る必要がないように思います。保温や夏の暑さを防ぐ為には、上が二重になるので有ると良いかも知れません。
この後、バーナーを使って木の表面を焼いてやります。これは見た目を目立たなくするのと、不要な臭いを消すのに効果があると思います。腐食を防止する効果もあるかも知れません。
巣箱(待ち桶)をそのまま飼育箱にすることが多いので、巣箱の中に十文字に竹ヒゴを配置して、振動等で蜂の巣が落ちないようにしておくのが良いでしょう。
現在私が使っている巣箱
この待ち桶(巣箱)はこの時作ったのが一回きりで、今は外形寸法が300mm角で高さが約9cmの物を使っています。結局この時作った巣箱も外形寸法を300mm角に統一しました。高さも90mmとしています。そうしないと互換性が保てません。
巣箱(待ち桶)の設置
巣箱(待ち桶)を裏山の大きな岩の上に設置しました。下にコンクリートブロックを2個置いて、下からの湿気が来ないようにしました。
巣箱の上には雨よけに鉄板を置いて、ブロックの重しをしました。
これでうまく日本ミツバチを捕獲できるでしょうか。近年は全国的にミツバチの数が少ないようで、私の田舎でも例外ではないようです。花に来ているミツバチを観察すると例年より少ないように感じています。
ミツバチの捕獲には、ランの一種のキンリョウヘン(金稜辺)の花が良いとのことです。何故か日本ミツバチだけがこのランの花に誘因されるようです。私は知人からキンリョウヘンではありませんが、日本ミツバチの誘因に効果があるというランを譲り受けて育てています。来年には花を咲かせて実験してみたいと思っています。
巣箱(待ち桶)にスズメバチが巣を作りました
巣箱(待ち桶)を設置していて、何年も放置していたら、スズメバチが巣を作っていました。
日本ミツバチを育成する為に頑張っているのに、天敵のスズメバチを育てていたのではしょうがないですね。
この写真のように竹ヒゴで十文字に配置して、巣落ちを防止しましょう。
この箱の寸法は外形縦横約300mm、高さ約90mm、板厚約30mmです。