日本ミツバチの逃去とその対策
日本ミツバチを飼っていると、ミツバチの逃去を経験することがあります。意味もなく逃去することはないと思われますが、その原因がなかなか分からないものです。日本ミツバチの逃去の原因とその対策方法について考えてみました。
日本ミツバチの逃去約10日前
この写真は日本ミツバチ(日本蜜蜂)が逃去する約10日前の巣の中の写真です。いつもと比べて、巣の中の蜂の数が少ないように思います。撮影、2011年6月20日
以前は、いつも巣が見えない程の蜂が居るのが普通でした。また、巣を内見した時、雄蜂が何匹も居るのを確認しました。
この群れは、約1年前に岡山市のスロー人さんから頂いたものでした。元々、蜂の数が少なかった群れでした。いわゆる弱小群と呼ばれる群れなので、冬には何回か給餌もして、やっと群れが大きくなりかけたところでした。
日本ミツバチの逃去後
この写真は、日本ミツバチが巣から逃去してから、数日経過してから巣を取り出したものです。
よく見ると、王台の跡が見えます。また、巣虫に荒らされた跡も見えます。
これらから推定すると、日本ミツバチが分蜂して蜂の数が少なくなって、巣虫(スムシ、ウスグロツヅリガ又はハチノスツヅリガの幼虫)にやられたものと思われます。
逃去後の巣には、蜜も幼虫もありませんでした。あるのは巣と巣虫だけでした。この巣は 蜜蝋楽天 を取る為に使用しました。
日本ミツバチの逃去の原因
日本ミツバチの逃去の原因は明確にはわからないことが多いのです。しかし、よく観察すると、逃去するには必ず原因があります。
一般的には、群れが小さいことや、巣虫に巣を食い荒らされたことや、蟻の攻撃を受けたこと等が考えられます。また、巣箱の場所や日当たりによっても、日本ミツバチが巣を嫌うことがあります。
近くで農薬を撒いても、環境が悪いので逃去することがあります。巣箱がいっぱいになったり、暑さで巣が落ちても逃去することがあります。スズメバチの攻撃を受けても逃去することがあります。
私は採蜜の時、巣を多く採り過ぎて、巣が落下したり、巣と巣の間隔が変化したりして、ミツバチに嫌われて逃去されたことがあります。採蜜では巣を少なめに採るようにしないと失敗します。
日本ミツバチの逃去対策
とにかく、巣箱の状態をよく観察することが大切なように思います。毎日観察していると、何らかの変化に気づくはずです。
巣虫の攻撃を受けにくくする為に、底板をスライド式にして、頻繁に掃除をすることも大切です。底板を外して、巣箱の中の状態を確認することも重要なことです。
スズメバチ対策
スズメバチの攻撃を受けるようなら、春先からスズメバチトラップを仕掛けて、スズメバチの絶対数を減らすことも大切です。秋のスズメバチの攻撃を受ける前に、スズメバチ捕獲用の粘着シートや、スズメバチトラップの準備をしておくことも重要です。巣門の前に6mm?7mmの金網を張るのも効果があります。
私は秋になった途端に、突然の大スズメバチの大襲撃を受けて、大切にしていた強群に逃去されたことがあります。丹精こめて育てていた日本ミツバチに逃去されると、落胆も大きなものです。日頃からよく世話をするようにしましょう。