蜂蜜(はちみつ)の効用、効能、効果
蜜蜂が巣の中に貯蔵している天然の甘味料のことを蜂蜜(はちみつ)と言っています。ミツバチが花から集めた蜜や花粉を原料にして作っています。このハチミツを加工して製品化したものが市販のハチミツです。市販の蜂蜜は成分が本来の蜂蜜とは異なり、本当に純粋な物は養蜂している現場でしか入手できません。
蜂蜜(ハチミツ)の生成過程とその成分
蜜蜂(ミツバチ)が花から取ってきた蜜に 蜜蜂楽天 の体内で転化酵素が加えられます。そして、ハチミツは分解されて成分が変化していきます。また、蜂の代謝熱による35度C前後の温度と、常に蜂が巣内に送風し換気する為に、蜂蜜は水分が蒸発して濃縮され、糖分が約80度になります。
蜂蜜の主な成分は果糖、ブドウ糖、イソマルトオリゴ糖、グルコノラクトン(ハチミツ酸)等です。その他に各種のアミノ酸、ビタミン、ミネラル等を含んでいて、とても栄養価が高い食品です。
蜂蜜は様々な物質の混合物なので、蜜蜂の種類や素材となった花の種類によって成分と味が大きく異なっているのが普通です。
蜂蜜は血管若返りに効果があります
蜂蜜に含まれるカリウムやコリンは血管年齢若返りに効果があります。ギリシャのイカリア島では長寿の島として有名です。この島で行なわれている養蜂も長寿に効果があるようです。
カリウムは高血圧の予防や摂りすぎたナトリウムを排出させる効果があり、コリンは記憶力を高めたり、血圧を下げたり、コレステロールの値を正常にする働きがあります。これらは血管を若返らせる効果が高く、長寿に効果があると考えられています。
この情報は「主治医が見つかる診療所スペシャル」でテレビ放送されていました。
蜂蜜(ハチミツ)の食用としての利用
蜂蜜は一般的にホットケーキやパンに塗って食べたり、ヨーグルトに加えたりして利用されています。また、砂糖の代わりにコーヒーや紅茶や飲み物に用いたりしています。変わったところでは、ロールケーキに大量にハチミツを加えて作ったケーキが販売されたりしています。
蜂蜜の主成分の果糖は低温では甘味を感じやすいのですが、高温では感じにくいので、熱い飲み物に蜂蜜を入れる時は、量が多くならないようにしましょう。
蜂蜜は殺菌作用があり、保存性が良いのでニンニクや梅やレモンの果実を蜂蜜漬けに利用することもあります。
蜂蜜(ハチミツ)の薬用への利用
蜂蜜は殺菌や消炎作用があり怪我の傷の消毒に使えます。また、医薬品として口内炎の治療や術後の傷の治癒などにも使われています。日本薬局方には医薬品としてのハチミツがあります。
漢方薬では生薬の粉末を蜂蜜で練って丸薬を作るのに利用されています。八味地黄丸や何々丸といったものがこの方法で作られることもあります。
蜂蜜の美容への利用
ハチミツの熱量は1g当り約3kcalです。砂糖が約4kcalですから、ハチミツは砂糖よりも熱量(カロリー)が20%以上も低いのです。また、砂糖よりアミノ酸、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が多くダイエットにも効果的です。でも摂取量が知れていますからダイエットになるかどうかは疑問です。
蜂蜜は食用だけでなく、皮膚に塗っても美容効果が大きいものです。それは、蜂蜜の成分が皮膚の表面から直接皮下細胞に吸収されることによります。蜂蜜は皮膚(肌)に潤いを与えます。自然が生んだ保湿剤とも言われています。
- 蜂蜜パックの作り方と使い方
- 蜂蜜を小サジ1、小麦粉を小サジ2、水を小サジ1とを混ぜたものを皮膚に塗り、上にガーゼを当てます。数分後に洗い落します。
- 蜂蜜レモンパックの作り方と使い方
- 蜂蜜の中にレモンの絞り汁を適度に入れてよく混ぜたものを皮膚に塗り、同様にパックに利用します。
- 洗顔や洗髪に蜂蜜を使う
- 洗顔石鹸液やシャンプー液の中に蜂蜜を少量混ぜ合わせて普通に使用します。
市販の蜂蜜の品質
蜂蜜には、純粋蜂蜜、加糖蜂蜜、精製蜂蜜等の種類があります。純粋蜂蜜は一切の添加や成分調整を行っていない蜂蜜のことです。
加糖蜂蜜とは、異性化液糖その他の糖類を40%未満まで添加した蜂蜜のことです。一般に市販されているのはこの加糖蜂蜜です。特に価格の安いものはこれです。精製蜂蜜は、蜂蜜から臭いや色等を取り除いたものです。
日本で市販されている蜂蜜は、異性化液糖や砂糖水等の甘味料を添加している場合が多いようです。異性化液糖や他の物質の添加については、今の分析技術では異性化液糖と蜂蜜の区別や添加の比率の測定は困難と言われています。
いずれにしても、純粋な蜂蜜を求めるには、日本薬局方の蜂蜜か、養蜂場で採取したての物を求めるしかないように思います。
蜂蜜利用の注意点
ハチミツは良いことだらけのように見えますが、次のように気をつけなければならない点もあります。
乳幼児ボツリヌス症
蜂蜜の中にはボツリヌス菌の胞子が含まれていることがあります。成人が食べた場合は、蜂蜜に含まれているボツリヌス菌は胃酸によって殺菌されたり、腸内細菌によって繁殖できないことが多く、問題はほとんどありません。
しかし、消化器官や腸内細菌の状態が未だ正常ではない乳幼児の場合は、腸にまでボツリヌス菌が行ってしまうことがあります。この為、一歳未満の乳幼児には蜂蜜を与えてはいけないのです。
ハチミツは殺菌作用があるので、ボツリヌス菌はハチミツ中では死んでしまうのではないかと思われますが、ボツリヌス菌は休眠状態なので、ハチミツによって死んでしまうことはありません。加熱すれば死滅させることができます。
その他の有害物質の混入
有毒植物のトリカブトやレンゲツツジから作られた花粉や蜜は有毒です。また、蜂蜜から検出されてはいけない抗生物質が検出される例があり、国産、外国産を問わず注意が必要です。あまりにも安い蜂蜜や入手先の不明な蜂蜜には注意しましょう。
特定の植物でのアレルギーがある人は、不用意に蜂蜜を食べるとアレルギー症状になることがあります。採取した植物がわかっているものを利用するのが好ましいのですが、混じりけのないものを探すのは困難だと思われます。少量ずつ利用して確かめるのが良いでしょう。
日本蜜蜂の蜂蜜
市販されている蜂蜜は、ほぼ全てが西洋蜜蜂から採取した蜂蜜です。日本では古くから日本蜜蜂(ニホンミツバチ)の野生集団を人工巣に誘導して蜂蜜を取ることも行なわれています。この日本蜜蜂の蜂蜜は味が濃厚で好きな人も多いのですが、この入手はとても難しく、高値で取引されているようです。