スズメバチ対策用出入り口の製作
日本ミツバチを飼育していると、9月?10月にはスズメバチが集団で攻撃して来ます。スズメバチが来ても日本ミツバチが巣箱から出入りできるように、出入り口を多様化して様々な方向から出入り可能なようにステップ式のゲートを製作設置しました。
日本ミツバチを飼っていて秋(9月頃)になると、オオスズメバチが襲撃してくるようになります。これを放置しておくと、スズメバチが巣門の前に集団で来て、日本ミツバチが巣から出られなくなります。こうなると、日本ミツバチはこの巣を嫌がって逃去するのです。
そのようにならないようにする為に、巣門の前にステップ式のゲートを製作して設置してみました。元々の巣門の高さは約7mmにしてあります。この間隔ではスズメバチは通ることができません。
スズメバチ対策用のステップ式のゲートを製作
この写真は スライド丸鋸楽天 を使ってオオスズメバチ対策用のステップ式のゲートを製作したものです。同じ寸法の板が大量に必要なので、スライド丸鋸で加工するととても便利です。
主な材料は、厚さ12mmで幅90mmの野地板を長さ300mmに切ったもの1枚と、左右共20mmずつ、奥行き20mm小さくした野地板1枚と、更に同様に小さくした野地板1枚です。
これに長さ60mmで太さ6mmのISOネジ2本と、6mmのナット6個と、1mm厚のワッシャー約20枚が必要です。
巣箱への取り付けとスペーサー用に、厚さ6mmの板で大きさが約70x70mmの物が2枚必要です。20mm程度の木ネジも6本要ります。
これらの材料を、板と板の間隔が約6mm~6.5mmとなるように組み立てます。私は厚さ6mmの板には、厚さ2.5mmと3.5mmのベニヤ板を重ねて使いました。1mmのワッシャーは多めに(計算上の間隔を7~8mmにする)使ってナットの締め付け具合で板の間隔を調節してください。そうすると強固に仕上がります。
スズメバチ対策用のステップ式のゲートを巣箱に設置
前記の組立が完了したら、スズメバチ対策用のステップ式のゲートを巣箱に設置します。巣箱へはスライド式の底板の上に置きます。つまり、元々の巣門(ゲート)の前に取り付けます。そうすると、一番下もスライド底板との間隔が約6mmとなります。
後は、巣箱へビスで固定するだけです。この時、スライド底板との間隔が広がらないように注意します。7mm程度までは広くなっても構わないでしょう。
設置してすぐには、ハチ達が慣れないのか、入り口を探して右往左往します。そのうち、一番上と一番下の出入り口から出入りするようになります。
全部の出入り口から出入りするのは、少し先になります。このようなゲートを取り付けると、オオスズメバチが日本蜜蜂の出入りを監視できなくなるので、日本ミツバチは安心して巣から出入りできるようになります。
このステップゲートの効果
このステップゲートを設置してから、キイロスズメバチの姿はよく見るのですが、巣箱周辺でオオスズメバチの姿を見ることがなくなりました。私の知らないうちに来ているのかも知れませんが、ミツバチへの攻撃や巣への侵入を諦めて去っているのかも知れません。
2015年の秋の状況を説明します。このステップゲートの効果はとても大きく、日本蜜蜂は全くスズメバチを恐れなくなりました。巣門の前にスズメバチが張り付くということは全くありませんでした。もちろん、その年は蜜蜂が一群も逃去していません。
このステップゲートのアイデア
このステップゲートは岡山のスロー人さんの作られているものを参考にしました。私の物は横幅が約300mmと巣箱に合わせて大きくなっています。元のアイデアは2009年1月7日出願の久志 冨士男さんの特許公開情報出願番号(特願2009-23078)です。他人の特許でも自分で製作して自分で使う分には何も問題はありません。
このステップゲートのアイデアを特許にしたと言う人が現われる
2016年2月15日の昼過ぎに、このアイデアを特許出願したと言う若い男が島根県の浜田市から我が家に訪ねて来ました。
蜂の駆除業をしていると言うこの男の話によると、自分の特許情報をウェブページで公開しては困るとの事です。(つまり、削除せよとの事だと思います。)この男は特許の申請をしたけど、まだ、公開にも特許にもなっていないそうです。ということは、出願して1年半が経過していないということです。
公開されていない情報なのに私が盗んだとも言いました。特許の権利も持っていないのに、言うことが理不尽です。もし、特許の権利がある人であっても私の情報公開を制限することはできません。私は公開されている既知の情報に自分のアイデアを付加して個人的に利用しているだけですので、表現の自由という権利があります。
また、特許権の無い人が私に権利を主張して制限を加えることもできません。この男のしている事は考え方によっては恐喝や強要にあたります。「私のしている事が不法と思うなら裁判にでも訴えてくれ、受けて立つ」と言っておきました。
用件がわかった時点で早々にお帰り頂きました。このゲートを設置して公開している皆様の所にも行く可能性がありますのでご注意ください。
キイロスズメバチは日本ミツバチにとって脅威ではありません
オオスズメバチと共にキイロスズメバチも日本ミツバチを攻撃して来ますが、キイロスズメバチは日本ミツバチにとってあまり脅威ではありません。
黄色スズメバチが来ても、日本ミツバチは集団で体を震わせて威嚇行動をします。キイロスズメバチは日本ミツバチを捕獲する能力が低く、なかなか捕獲できないようです。でも、あまり多くのキイロスズメバチの攻撃があると、網による捕獲しか防御の方法は無いようです。粘着シートにはキイロスズメバチは掛かりません。
日本ミツバチは天敵のスズメバチの攻撃でも果敢に戦います
日本ミツバチはスズメバチに攻撃されたら、スズメバチの周りに集結して蜂球を作ります。そして、スズメバチを日本ミツバチの体温で熱死させます。この温度は48度Cにもなると言われています。しかし、あまりにもスズメバチの攻撃が激しいと、巣を放棄して逃去します。