日本ミツバチと西洋ミツバチの違い
日本蜜蜂は古くから日本に生息していたミツバチです。西洋ミツバチは養蜂の為に西洋から移入されたものです。どちらも蜜を集めることができますが、様々な違いがあります。養蜂をするにはこれらの違いを把握しておく必要があります。
日本ミツバチの特徴とその飼育
日本ミツバチは古くから日本列島に住んでいたミツバチです。江戸時代には紀州藩で日本ミツバチを使った養蜂がさかんに行われていたそうです。
日本ミツバチは西洋ミツバチに比べてハチミツの採取量が少ないのが特徴です。また、巣や住んでいる環境が気に入らなければすぐに逃亡する性質があります。この為、日本ミツバチの飼育は明治以後、徐々に減ってきました。
山間部では杉や檜の植林で広葉樹が減り、自然林に生息する日本ミツバチが減少して、種としての存続が心配された時期があります。しかし、最近は中山間部や都市部で日本ミツバチの愛好者に、飼育が復活する兆しがあります。
ミツバチは昆虫で一般的には変温動物ですが、ミツバチは自分の体温を変えられる動物です。日本ミツバチは スズメバチ楽天 の攻撃に対して、集団で蜂球を作って温度を45度C以上に上げて、スズメバチを熱殺することができます。しかし、スズメバチに集団で攻撃されたり、何日も攻撃されると、巣を放棄して逃去することがあります。
日本ミツバチの体の特徴
日本ミツバチは胴体の縞模様がくっきりしています。体全体の色は、黄褐色のような茶色に近い西洋蜜蜂と比べると、黒っぽくて黒褐色をしています。
日本ミツバチの体長は約10~12mm、体重は約60~80mgです。西洋ミツバチは日本ミツバチより少し大きく体長は約12~14mm、体重は約110~130mgです。
日本ミツバチの性質
日本ミツバチの性格は西洋ミツバチに比べておとなしくて、病気に強く、飼育し易いのが特徴です。しかし、西洋ミツバチに比べて、神経質で住む環境が悪いとすぐに逃去します。日本ミツバチは自然界で自力で生きていけるのです。
日本ミツバチは金稜辺(キンリョウヘン)という特殊な蘭の花に分蜂群が集結する性質があります。これを利用して、分蜂群を捕獲することができます。西洋ミツバチは金稜辺の花には見向きもしません。
西洋ミツバチの特徴とその飼育
西洋ミツバチは、ヨーロッパ~中近東に分布していたミツバチを養蜂として利用してきて家畜のようになったものです。日本には明治時代になって養蜂のため移入されました。現在は日本全土で採蜜の為に飼われています。蜜を集める能力が高いのが特徴です。
西洋ミツバチで日本で飼われているものはイタリアン種という品種が主で腹部が黄色い色をしているのが特徴です。
西洋ミツバチはスズメバチの攻撃に対して、集団で対抗することはあまりありません。スズメバチの攻撃で巣を放棄して逃げることもなく、数時間で1群が全滅することがあります。西洋ミツバチは日本の自然界では人間の庇護がないと生きていけないのです。
西洋ミツバチの体の特徴
日本ミツバチと比べて、胴体の縞模様の黒い幅が、尻の近くは広くて、胸に近い部分は狭くなっているのが特徴です。西洋ミツバチは体全体の色が黄色に近い色をしていて、日本ミツバチに比べて体が大きいのが特徴です。
西洋ミツバチの性質
日本ミツバチに比べると攻撃的な性格で、病気に掛かりやすく、飼育の手間が掛かります。しかし、巣箱から逃去することはほとんどありません。
日本ミツバチと西洋ミツバチの見分け方法
日本ミツバチと西洋ミツバチとの一番簡単な見分け方法は、働き蜂の腹部の色を比較することです。日本ミツバチは全体に黒い色をしています。また、白い縞模様が際立っています。西洋ミツバチは体全体が黄色がかっています。また、日本ミツバチは西洋ミツバチに比べて小柄です。