蜜蜂用巣箱のスライド底板の工夫

古くから日本蜜蜂は各地で飼育されてきました。日本ミツバチの巣虫(スムシ)対策として巣箱に様々な工夫がされてきました。今回はスライド式の底板の工夫です。巣箱を製作される時の参考にしてください。



日本ミツバチの巣虫対策

底板をスライド式にした近所の方の飼育箱の写真

日本ミツバチ(蜜蜂)の飼育は比較的簡単なのですが、蜜蜂が巣箱やその環境を気に入らないと、嫌がってすぐに逃去してしまいます。そのようにならないように管理してやる必要があります。

巣箱の中に巣虫(スムシ、ウスグロツヅリガ又はハチノスツヅリガの幼虫)が侵入したりして住み着いたり、発生しても、ミツバチが逃去することがあります。

この為、定期的に巣箱の中、特に底板周辺を綺麗に掃除する必要があります。

この写真は田舎の我が家の近所で、最近日本ミツバチの養蜂を始められた方の巣箱です。

そこで スライド式楽天 の巣箱を見ましたので、私は更に工夫をしてDIYでスライド式の巣箱を製作してみました。

この巣箱の外形寸法は一辺約325mmでした。板厚は約14mmでした。高さは一段約120mmでした。私の巣箱とは大きさの互換性がありません。

段間のつなぎ目にはガムテープで目張りがしてありました。屋根はスレートの波板でした。他人の作られた巣箱を見ると色々と参考になることがあります。

底板をスライド式にした日本蜜蜂用飼育箱と工夫

底板をスライド式にした日本ミツバチ飼育箱の写真

これが底板をスライド式にした日本蜜蜂用飼育箱の最下段の写真です。この巣箱の外形寸法は縦横約300mm、高さ約89mm、板厚約19mmです。

今後は巣箱の互換性を考えて、外形寸法の縦横を300mm角に統一することにしました。材料は主にSPF1X4材を使用しました。

スライド底板の台となる木はSPF2X4材を半分に加工して使用しました。

ブロックを左右に少し離して約2段に積み上げます。その上に最下段の重箱式の飼育箱を置きます。(この写真ではブロックが1段になっていますが、2段の方が管理し易いと思います)

この飼育箱の底板は飼育箱の中をスライドして前に引き抜くことができるようにします。底板の材料は12mm厚のベニア板を使用しました。

飼育箱の前面と底板の間に約7mmの隙間を設けてミツバチの出入口にします。こうすると簡単に、底板を抜くことができます。巣門にする板は12mm+7mm=19mm切り取ります。

また、底板を抜いて、手鏡を箱の底に持っていくと、巣箱の中を見ることができます。デジカメで撮影もできます。

しかし、底板を簡単に抜くことができる構造にも欠点があります。それは、我が家の裏山に住んでいるアナグマがこの底板を外すことがあったからです。その後、この底板は簡単にビスで動かないように止めることにしています。

底板の変形による不具合

なかなかの優れもののスライド底板ですが、私はこの方式の欠点を見つけてしまいました。それは底板が変形すると、巣門の間隔が狭くなってしまうのです。場合によっては巣箱にミツバチが出入できないこともあります。

そこでスライド式の底板と巣箱の間に約6~7mmの楔(クサビ、割り箸でも良い)を追加してやりました。これなら少々変形しても最低6~7mmの間隔は確保できます。

スライド式底板を外した飼育箱

スライド式底板を外した日本ミツバチ飼育箱

これがスライド式底板を外した飼育箱を上から見たものです。これなら簡単に巣箱の掃除ができることがわかります。

なかなか良いアイデアなので早速採用させていただきました。

コンクリートブロックの間隔は広い方が内検をし易いと思います。ブロックの高さも2段にして、高い方が内検し易いでしょう。

底板に金網を使用する場合

スライド式底板を使用しない場合では、巣虫対策として夏の間だけ底板に金網を使用する場合があります。これも多くの人が採用しているようです。私も実際の巣箱を見たことがあります。

スライド式の底板でかつ、底板を金網付きのものにすることもできます。夏は通風が良くなります。底板を取り替えるだけなので簡単にできます。