日本ミツバチのハチミツの糖度について

日本ミツバチが巣の中に蓋をして保存しているハチミツの糖度は約78度だと言われています。この糖度以下の場合はハチミツが発酵することがあります。ミツバチが集めてきた、花の蜜の糖度は低くて一定していません。ミツバチは糖度が低い蜜を巣の中で水分を蒸発させて糖度を上げているのです。糖度が約78度になると、それ以上乾燥しないように巣に蓋をします。



花の蜜の糖度

一般の花の蜜の糖度は40度未満と言われています。これでも、普通の果物に比べたら十分糖度は高いのです。

このままの糖度で蜂蜜を保存すると、ハチミツは発酵してアルコールになってしまいます。

糖度を上げるミツバチの仕事

ミツバチは蜜を巣に持ち帰ってから、蜜の水分を発散して濃縮します。最終的に蜂蜜の糖度を約80度に上昇させています。

ミツバチが水分を蒸発させるには、口器で蜜を膜状に引き延ばす動作があります。この時、ミツバチの唾液に含まれる酵素が蜜に混入します。

このミツバチが出す酵素によって「花の蜜」がブドウ糖と果糖に分解されて、次第に蜂蜜になっていくのです。

ハチミツ用の糖度計について

ATAGOのデジタル糖度計

この写真のような糖度計でハチミツの糖度を測ってみてください。糖度が約80度以上あれば、長期保存ができます。

一般に市販されている糖度計は糖度50度以上は測定できないものが多いようです。購入するのなら、糖度80度以上でも10度以下でも測定できる、 デジタル糖度計楽天 をお勧めします。

購入する時、糖度の測定範囲を確認してください。私の購入した糖度計は、アタゴのPEN-1stです。糖度の測定範囲は、0~85.0%となっていました。電源は単4アルカリ乾電池1本です。

ハチミツの糖度が低いと何が問題か

ハチミツの糖度が低いと、ハチミツはアルコール発酵します。糖度の低い蜂蜜を保存していると、ハチミツの中から泡が発生します。

それをそのままにしておくと、蜂蜜酒となります。本来のハチミツではなくなってしまいます。また、ハチミツとして長期保存ができません。

ガラスのビンやプラスチックの容器に保存する場合は、発酵によって二酸化炭素が発生して内部の圧力が上昇します。それによって、ハチミツ漏れや蓋の外れ、容器の破損等になることがあります。

もし、蜂蜜酒を作るのなら、ハチミツを水で約2~3倍に薄めてアルコール発酵させます。水で薄めると糖分の濃度が下がり、酵母が繁殖して発酵が始まります。ドライイーストを加えてやると更に発酵が促進されます。

この場合、アルコール度数1パーセント未満で作るのなら問題ありません。それ以上の度数では、家庭内で作成した場合でも酒税法違反となり、製造するだけでも5年以下の懲役または50万円以下の罰金となりますので注意してください。

採取した蜜の糖度を上げる方法

日本ミツバチを飼育している方達が、蜜の糖度を上げる方法として実際にやっている方法には、次のような方法があります。

自然蒸発、または、扇風機で送風する方法

ハチミツを深さの浅いバットのような容器に入れて、自然蒸発させても糖度は上がります。扇風機で送風すると、速く糖度を上げることができます。

しかし、この方法はハチミツにゴミが混入することがありますので、ゴミなどが混入しないように、フィルターなどを通して送風する必要があります。

乾燥剤(シリカゲル)を使う方法

密閉した空間に、底が広くて浅い容器に入れたハチミツを置きます。同じ空間に乾燥剤(シリカゲル)などを置きます。

時々、乾燥剤を取り替えます。ヒーターで温めると速く糖度を上げることができます。費用が掛かり効率が悪い方法です。

除湿機による方法

乾燥剤の代わりに、除湿機を使ってもハチミツの糖度を上げることができます。最近は、ペルチェ素子を使った小型で消費電力が小さい 除湿機楽天 があります。

これを密閉した空間に、底が広くて浅い容器に入れたハチミツと共に置きます。何日か放置すると糖度が表面から次第に上っていきます。

時々、撹拌して糖度を測定してください。この方法は効率良くハチミツの糖度を上げることができます。費用も手間もあまりかかりません。

砂糖を添加する方法

ハチミツに砂糖を加えても、糖度を上げることができます。ハチミツを商品として売るのでなければ、砂糖を加えるのは簡単な方法です。

自家消費用で、比較的長期保存をするのなら手軽な方法だと思います。でも、砂糖を加えると本来の蜂蜜ではなくなります。

ハチミツを約40度に温めて、糖度計で糖度を測定しながら、砂糖を加えて混ぜます。糖度が約80度になったらできあがりです。