日本ミツバチの巣落ちの原因と対策

日本ミツバチを飼育していると、猛暑で巣箱の中の巣が下に落ちることがあります。元々、日本ミツバチの巣はあまり丈夫にできてはいないので、蜜や花粉や幼虫やミツバチなどの重さで巣が耐えられなくてはがれて落ちるのです。巣落ちすると、日本ミツバチは逃去することがあります。



日本蜜蜂の巣落ちの原因

日本ミツバチは巣箱の中で、縦に何枚も巣を作ります。巣は天井と横の壁にミツバチが取付けますが、壁にはあまり取付けようとしません。猛暑などの理由で巣が柔らかくなり、巣箱の中で巣が落ちるのを巣落ちと言います。

巣落ちしやすいのは、巣落ち防止桟(棒)が無かったり、これを細い針金で作っていたり、巣の方向と巣落ち防止桟の方向が並行だったり、巣が急激に大きくなって巣の強度が足りなかったりした場合などに起こりやすいようです。

この時、地震などの外部からの振動や猛暑なとが重なると巣落ちする可能性が更に高くなります。

巣落ちして、逃去寸前の日本ミツバチの巣箱

巣落ちして、逃去寸前の日本ミツバチの巣箱

2014年春に入居した日本ミツバチがその年の夏の猛暑で巣落ちしました。

蜜蜂がほぼ全部、巣の外に出ていました。巣箱の上の雨を防止するスレート屋根の下にも大量のミツバチが集結していました。つまり、分蜂の時と同じような状態になっていました。

また、巣落ちした巣から、巣箱の下には垂れた蜂蜜が流れ出ていました。もし、蜂蜜が漏れているのを発見したら巣落ちしていると思ってください。

このようになったのを放置していると、日本ミツバチ達は修復不可能と判断して別の新天地を求めて逃去してしまいます。

巣落ち対策

巣落ちしたらすぐに、底板を外して落ちた巣を取り除いてやります。底板が外れない場合は、巣箱の底が見えるように巣箱の上を外してやります。

次に、屋根の下の蜂を箒で落としてやりました。蜂達は次第に巣箱に帰って行きました。この時、あまり手荒な事をすると蜂が攻撃して来ます。私は服の上から下着も通過して胸と背中を日本ミツバチに刺されました。

とにかく、このようになったら、一刻も早く、蜜蜂が快適に暮らせる環境に戻してやることが最も重要なことです。

夏の暑さ対策をした日本ミツバチの巣箱

夏の暑さ対策をした日本ミツバチの巣箱

その後、巣箱の周囲を綺麗に掃除してやりました。巣箱の南側に大きな ヨシズ楽天 を立て掛けて日除けを作ってやりました。

場合によっては、西側も立て簾などで西日も当たらないようにする必要があります。

巣箱の周りには落葉広葉樹を植えるのが良いと思います。そうすれば、夏は日陰になり、冬は日当たりが良くなります。

この巣箱は主屋のすぐ前に設置しています。このようにすると、ミツバチが家の壁やベランダなどに糞をすることがあります。

その場合、巣箱を家から少し離した方が良いかも知れません。また、知らない人が近づいてミツバチに刺されるおそれもあります。

巣落ち防止桟(棒)を取り付けた巣箱

巣落ち防止桟(棒)を取り付けた巣箱

巣落ち防止桟(棒)は針金で作るよりも、太さや強度がある竹や木で丈夫に作る方が巣落ち対策には効果が大きいようです。

この写真は、外形約30cm角で高さが約9cmで板厚約1.9cmの巣箱に、巣落ち防止桟を約2cm角の木で作ったものです。

この桟(棒)の方向が互い違いになるように巣箱を積んで使うか、巣の方向と巣落ち防止桟が直角に近くなるようにして使います。

つまり、巣落ち防止桟で巣を串刺しするような方向に空き箱を巣箱の下に積むのです。

私は全部の巣箱をこの方式に変更しました。これをしてから、自然に巣落ちすることは全く無くなりました。

蜂蜜を絞る時、上段から巣箱を切り取りますが、この時、通常、2段(18cm)を切り取って蜜を絞ります。しかし、たまに、3段を切り取った場合、巣の支えが無くなって巣落ちする場合が何回かありました。

採蜜の後、巣落ちしているかどうかをスライド底板を外して必ず確認してください。そうしないと、採蜜後、逃去することがよくあります。

採蜜後に蜂の状態をじっくりと観察しても逃去を防ぐことができます。もし、巣落ちした場合は、巣落ちした巣をすみやかに取り除いてやります。