スズメバチ捕獲用粘着板の設置
日本ミツバチの飼育で、9月~10月に何の対策もしないと、スズメバチが集団で攻撃して来ます。あまりにもスズメバチの攻撃が激しいと、日本ミツバチは巣を放棄して逃去します。そうならないように、スズメバチ捕獲用粘着板を設置してみました。
日本ミツバチを飼っていると、スズメバチの襲撃を受けた時、日本ミツバチが助けてくれと言うように、巣箱から遠くに離れていても、人の近くに寄って来ることがあります。本当に助けて欲しくて来るのか、スズメバチの攻撃で殺気立っているのかよくわかりません。
このような時、飼っている巣箱に行ってみると、大抵はスズメバチの攻撃を受けています。この時がスズメバチ捕獲用粘着板を設置する好機です。
粘着ネズミ捕りをスズメバチ捕獲用粘着板として設置します
この写真は100円ショップなどで売っている 粘着ネズミ捕り楽天 を使ってスズメバチ捕獲用の粘着板としたものです。まず、飛んで来たスズメバチを100円ショップの魚捕り網で捕まえます。
このスズメバチを死なせたり、弱らせないように、ラジオペンチなどでそっとつかんで、この粘着板にくっつけてやります。これを巣箱の近所に置いてやります。
捕獲網で捕まえたスズメバチを網の上からラジオペンチでつかんで、次に網の中から別のラジオペンチでスズメバチだけをつかみ直した方がうまくいきます。
オオスズメバチは仲間を呼んで助けを求めるのか、網で捕獲した直後はカチカチと音をたてます。そして、飛んできたスズメバチが粘着板に次々に掛かります。
キイロスズメバチの場合は仲間意識が乏しいのか、ほとんどこの粘着板には掛からないようです。従って、キイロスズメバチを網で捕獲した場合は、即死んでいただきます。
スズメバチ捕獲用粘着板の上に屋根を設置します
雨が掛かると、粘着の効果が下がるので、この写真のような簡単なスレートなどで簡単な屋根を作って設置した方が良いでしょう。
また、粘着板の位置は地面から10cm~20cm以上離した方が、ゴミが付いたり、地上からの雨水が跳ねるのが違うでしょう。
生きているスズメバチを粘着板に付けていると、次から次へと面白いように粘着板に掛かります。
死んで古くなったスズメバチの死骸は、時々、ラジオペンチなどで引っぱって取り除いてやります。取り除いたススメバチの死骸にも粘着物が付いているので、これに飛んできたススメバチが止まって掛かることもあります。
半月から一ヶ月程度経過したら、粘着力が落ちてくるので、粘着板毎、新しい物に取り替えます。元々100円程度で安いので頻繁に変えてやるのが良いでしょう。
直射日光が粘着板に当たると、スズメバチが弱るので、その時は、すだれなどで直射日光を遮ってやった方が良いでしょう。
2013年9月13日オオスズメバチがやって来た
朝、いつものように蜂場を見回りしていると、5群あるニホンミツバチの巣の小さい2群に、オオスズメバチが十数匹群がっていました。蜜蜂達は怖がって巣門の中に入ってしまっています。巣門の外には数匹の大雀蜂がうろうろしています。
これは大変と、すぐに虫取り網を持って行きましたが、スズメバチの数が多過ぎて近寄れません。少し巣箱から離れた所に居たオオスズメバチを3匹捕獲して、粘着シート3枚にそれぞれ貼り付けました。3枚の粘着シートを適度な間隔をとって置いてやりました。
暫くは全くスズメバチは取れませんでしたが、その後、1匹が取れると面白い程取れて、半日で30匹程取れました。その後はニホンミツバチも安心したのか巣から出てきていました。結局、その日は約40匹のオオスズメバチを捕獲しました。
日本ミツバチは天敵のスズメバチの攻撃でも果敢に戦います
現在我が国で養蜂に使われているミツバチは、明治時代に輸入された西洋ミツバチです。西洋ミツバチは、秋のオオスズメバチの襲撃に対する防御手段を持っていないので、一般的に逃去はせず、全滅するまでスズメバチと戦うのが普通です。
西洋ミツバチは日本ミツバチのように蜂球を作ってスズメバチと戦うこともありますが稀です。そして、熱死させるのではなく、圧死させるのです。これを蜂球スクラムと言うようです。
日本ミツバチはスズメバチに攻撃されたら、スズメバチの周りに集結して蜂球を作ります。そして、スズメバチを日本ミツバチの体温で熱死させます。この温度は48度Cにもなると言われています。しかし、あまりにもスズメバチの攻撃が激しいと、巣を放棄して逃去します。