ため池を利用した農家の雨水利用システム
ため池を利用した農家の雨水利用システムです。最近、雨水利用システムが見直されています。我が家は中山間部の農家なので、池を使った雨水利用システムを考えてみました。雨水を池に溜めておいて、稲作や畑のかんがいとして利用したり、井戸水の代わりに利用したりできそうです。
最近、都会では雨水利用システムが見直されています。雨水の利用は雨を直接河川に流さないので、各戸で利用すれば洪水の防止や水不足の解消に少しでも有効なものです。
また雨水の地下浸透も洪水の防止や水不足の解消に有効です。井戸の利用も地下に浸透した雨水の利用になります。
ため池に適用したサイホン式給水装置
雨水を利用する為に、我が家のため池にサイホン式給水装置を設置した場合で説明します。
まず出口側のスリースバルブ(ストップバルブでも良い)を閉めておき、入口側のボールバルブを上側と出口側が通じるようにします。
そして上側のパイプにペットボトルで作った漏斗(ろうと、ジョウゴ)を取り付けてパイプの中に水を入れてやります。
パイプの中が水でほぼ満たされたら、ボールバルブを水の吸い込み口側と出口側が通じるように操作して、下側のスリースバルブを開けて水を出します。
後はこのスリースバルブの操作だけで水道の蛇口のように水を使う事ができます。このバルブの後にホースなどを接続しておいても良いでしょう。
我が家専用の池
これは我が家専用の池です。家の裏にあり、家の敷地より約4メートル高い位置にあるので、うまく利用すれば良い雨水利用システムが作れます。
この池は元々畑や水田に水をやる為に、私が子供の頃家族全員で作りました。1996年にこの下の段に家を建てました。今では、道路も広くなり、この近くの水田が少なくなり水田には利用しなくなりました。今では主に畑と稲の苗代用に使っています。
この溜池に溜まる水は家の裏山の谷に降った雨水が全て溜まるようになっています。どの位の面積があるのか計算したことがありませんが、かなりの面積になるものと思います。また染み出した地下水も溜まるので、雨が降っていなくても水は自然に池に入ってきます。
写真の中央より少し上に排水口があります。この池には他に排水口を作っていません。つまり雨はこの排水口までは自然に溜まることになります。最大数トン以上の雨水を溜めることができます。この池の水質が悪くなったりボウフラが発生しないように、池には川から捕ってきた魚(カワムツやドジョウ)やニナ貝を入れています。
将来はこの池の土手をセメントで固めて水が漏れるのを少しでもくい止めるつもりです。池の底も深くしてもっと多くの水を溜めようと思っています。池の土手の厚さは約8mあります。このような工事にはバックホウ(油圧ショベル)がとても便利です。
排水口とボールバルブ部
これは排水口と ボールバルブ楽天 部の拡大写真です。
このサイホン式給水装置は全てVP20のパイプを使用しています。給水パイプの先には大きめのストレーナーを取り付けてゴミや小石が入るのを防止します。
排水口はVU150くらいです。大雨の時にはこの排水口から自然に排水されます。
この部分は露出しているので、冬には凍結するおそれがあります。その為、冬にはパイプの中の水は抜いておきます。
排水口とサイホン式給水装置の水の出口
この写真が排水口とサイホン式給水装置の水の出口です。ここにはスリースバルブ(ストップバルブでも良い)を取り付けています。真冬以外はこの装置を使って畑に水をやっています。
このパイプの先にホースを取り付けて畑に散水します。このバルブが水道の蛇口のような役目をします。
将来はここから地下を配管して畑の中まで水を引く予定です。
我が家の掘り抜き井戸
左の井戸枠(井筒)が直径90cmの掘り抜き井戸です。右の井戸枠は直径75cm高さ60cmで井戸ポンプを入れています。この井戸枠はポンプの凍結防止と保護の為です。これらは溜池のすぐ下の畑の中にあります。池からの水平距離は約15mです。
井戸の深さは約4.2mで、水深は常に約2mあります。井戸枠の地上部は約30cmです。湧水量は約50リットル/分以上あります。井戸に異物が入らないようにコンクリートの蓋をして更にステンレスのカバーをしています。このカバーには鍵を掛けています。簡単には中を見ることができません。
池の水がすぐに井戸に入ってくる訳ではありませんが、長い目で見たら井戸の水は元々雨水です。これも雨水利用と言えるのかも知れません。