トラクター(乗用耕運機)の使い方とメンテナンス

トラクターが車と大きく違うのは、ディーゼルエンジンなので、エンジンの圧縮を抜くデコンプレバーがあることです。また、急な坂道を登り降りする時には安全の為に必ずロータリーを下げてください。トラクター(乗用耕運機)の使い方とメンテナンスと注意事項について解説しました。



私が子供の頃の米作農家では、秋になると手作業で「株切り」と言って、鍬で稲刈り後の稲の切り株を切って小さくしてから耕していました。牛の居る農家では牛の力で田畑を耕していました。それが次には、ティラーで耕すようになり、更にロータリー耕運機を使うようになり、ついに乗用のトラクターを使うようになりました。ずいぶん便利になったものです。

トラクターの各部の名称(全体写真)

トラクターの全体写真と各部の名称 この写真は私が使っているトラクターです。メーカーと機種は ヤンマー楽天 のFB15Dです。これは新品で入手してからもう20年以上使っています。故障はほとんどありません。なかなか良い製品だと思います。

左の写真はトラクターの全体の写真です。この写真の左の部分にエンジンルームがあります。エンジンは15馬力の水冷ディーゼルエンジンです。中央部に運転席があり、右の部分には耕転用のロータリー爪があります。

運転席から見た写真

トラクターの運転席写真と各部の名称 この写真はトラクターの運転席です。運転方法は自動車とあまり違いませんので、車の運転のできる人なら簡単に運転を覚えることができます。

車と違うところは、ディーゼルエンジンをかける時に使う、エンジンの圧縮を抜くデコンプレバーがあることです。またフットブレーキは右と左の車輪を別々に掛けるようにペダルが右と左の二つに別れています。

変速レバーが主変速と副変速に別れているのも車とは違います。アクセルが手動レバーと足との二つあるのも車とは違います。

トラクターの運転方法

車と同じようにクラッチを切ってエンジンをかけたら、主変速レバーと副変速レバーを速度に応じて入れます。PTO変速レバーをニュートラルにして、手動のアクセルを最低にします。

左足のクラッチを静かに離しながら、右足でアクセルペダルを静かに踏みます。これは車とほぼ同じです。スピードはあまり出ないので、坂道でなければローから発進する必要はありません。

走行時はフットブレーキを左右同時に動くようにした方が運転し易くなりますのでフットブレーキを左右連結するようにしておきます。

トラクターの運転で特に注意することは、トラクターの後ろのロータリー部の上げ下げの操作です。急な坂道を登る時には必ずロータリーを下げてください。ロータリーを上げたままにすると、ロータリー部が重いので、前部が浮いてハンドルが効かなくなります。このようになってトラクター共々落ちて死亡する事故が絶えません。

スピードが出たままの右左折は、横転の原因になるのでとても危険ですからやめましょう。特に旋回時は低速で行ないましょう。

公道を走る場合、トラクターの運転免許は小型のものは小型特殊自動車の免許になりますが、大型のものは大型特殊自動車の免許が必要です。この辺はバックホウとほぼ同じですので、バックホウの運転方法のページを参照してください。またナンバープレートも自賠責保険も必要です。

公道を走らない場合は、運転免許は必要ありません。子供でも運転できますが、危険なのでやめてください。

エンジンを始動する前の始業点検方法

ディーゼルエンジンの始動と停止方法

ディーゼルエンジンの燃料系統のエア抜きのやり方

ディーゼルエンジンの燃料が切れたり、オイルフィルターの水を捨てたりした後には、燃料系統にエア(空気)が混入してエンジンが掛からないものです。

私は間違えて燃料タンクに冷却水を入れてしまう失敗をしたことがあります。その後、オイルフィルターの水を捨てましたが、エンジンが掛かりませんでした。

エア抜きの方法は機種によってまちまちのようですが、基本的にはどれも方法は同じです。オイルフィルターの上部や燃料ポンプの入り口付近にエア抜き用のネジやエア抜きボタンがあります。

エア抜き用のネジの場合は、ネジを緩めてやれば燃料が出てきます。エア抜きボタンの場合は、ボタンを押すと燃料がホースから流れ出ます。

エア抜き後、エンジンを掛ければ簡単にエンジンが始動します。

トラクターでの田畑の耕し方

トラクターを使う時の注意とメンテナンス

トラクターの修理(燃料ホースの詰まり)

トラクターで田んぼを耕している途中で突然エンジンの回転が落ちてきました。クラッチを切って少し休ませると回転は上がってきます。また、負荷を掛けると回転が下がります。

後で燃料系統を調べるてみました。燃料フィルターの前で燃料ホースを外してみました。すると、燃料がホースからポトポト程度しか出てきません。

燃料ホースの詰まりのようです。長年何の手入れもしないで使ってきたので、このようなことはよくあるようです。燃料ホースのタンク側が見えないので、ホースに自転車の空気入れをつないで空気を送ってみました。とりあえずは直ったようです。機会のある時に分解掃除をしてみます。