田圃(水田)への進入路の工夫

田舎の耕地整理の済んだ田圃(水田、たんぼ)にコンバインやトラクターを入れるには、坂道の進入路を通らねばならない場合がよくあります。この場合の進入路は農業の経験のない人が設計したのか使いにくくて危険です。危険な進入路でトラクターの転落事故が絶えないのが現状です。



従来(本来)の田圃(たんぼ、水田)への進入路(坂道)

従来(本来)の田圃(水田)の進入路(坂道)

私の田舎の耕地整理をした田圃が坂道の進入路(出入り口)となっていました。この写真の手前の坂道が田圃への本来の進入路です。

コンバインや トラクター楽天 や農機具を運転しながらこの坂道を登って行って、田圃の畦まで来ると急に田圃側が下がっているので、コンバインやトラクターや農機具が大きく反対に傾きます。

このように急に登り坂から下り坂になる場合は、運転しているととても危険に感じます。

これを写真の奥のように、田圃の水面より道路が少し高くなった場所に、田圃への進入路を変更します。

変更した田圃(たんぼ、水田)への進入路(平坦路)

変更した田圃(水田)の進入路(平坦路)

この写真は上の写真とは逆の方向から見たものです。奥に従来の坂道の進入路があり、手前に新たに作った平坦な進入路があります。

この写真のように田圃の水位より、道路が少し高くなった位置に進入路を取付けます。

こうすると、進入路の長さも短くすることができますし、平坦な進入路となりますので、コンバインやトラクターを安全に田圃に出し入れすることができます。

他にもある危険な進入路

私の近所でも他にもこのような危険な進入路がたくさんあります。近所の人は何も考えずに耕地整理をした時の危険なまま使っている人も多くあります。

私は別の田圃でも同様に進入路を変更しました。この別の田圃の進入路は長さ10m以上もあり急な坂道となっていました。

もちろん、道路と田圃がほぼ同じ高さの所がないとこのように変更することはできません。しかし、できるだけ段差ができない位置に進入路を設けることができれば、少しでも安全になります。

こんな簡単なことでも、ちょっと工夫するだけでずいぶん使いやすく安全になります。この進入路を設計した人は何を考えていたのでしょうか。田圃の進入路は田圃の角地でなければならないと思っていたのでしょうか。

危険な進入路(坂道)でのトラクターの転落事故

毎年、トラクターの坂道での転落死亡事故のニュースが絶えません。私も過去に坂道でトラクターを転落させた経験が一度だけあります。大抵の人は一度はトラクターで危険な目にあっているのではないでしょうか。

トラクターを坂道で運転する時、上り坂を前進する場合、ロータリーを上げたままだと、後ろのロータリーの重みで前輪が浮くことがよくあります。また、登り坂を急発進させた時も前輪が浮きます。

前進で上り坂を登る時は、ロータリーを下げておくことがとても重要です。後進で下り坂を降りる時も同様に、ロータリーを下げておかなければなりません。前進で坂道を下りる時もロータリーは下げておいた方が安全です。とにかく坂道では重心を下げる為にロータリーを下げましょう。

これを怠ると、前輪が浮いて、ハンドルが全く効かなくなります。そうなると、あわててしまって(パニックになって)何もできずに、トラクターもろとも転落するのです。トラクターから安全な所に飛び降りられれば問題はありませんが、何百万円もしたトラクターなら置いて逃げられないのが人情です。

この場合、冷静に考えれば、エンジンを停止させれば良いのですが、ディーゼルエンジンはエンジンキーを停止にしてもエンジンは止まりません。デコンプレバーを引いてエンジンの圧縮を無くしてやらないとエンジンは止まらないのです。

ここでエンジンを止められないとパニックになります。もうクラッチを切ることもブレーキを踏むこともできなくなります。元々、坂道でクラッチを切るのはとても危険です。

トラクターで坂道を安全に運転する方法

トラクターを運転する場合、道路の状態をあらかじめ、よく見て、危険がないかどうかを考えておくことが大切です。

坂道でトラクターを停止して、トラクターから降りる時は、もし、トラクターが動いても危険の無いように、ハンドルの方向やトラクターの向きなどを考えてトラクターを止めることがとても重要です。

乗用トラクターの安全対策(転落対策)

乗用トラクターに骨組みだけの安全フレームが付いているものではシートベルトとヘルメットを併用することが重要です。安全キャビンが付いていても体をぶつけないようにシートベルトとヘルメットを装着することが重要です。

古い乗用トラクターでは安全キャビンも安全フレームも無いので、これを取付けるのが最良ですが、古い機種では取付けができないものもあります。

その時はシートベルトは返って逆効果になります。万一の時は上側に飛び降りた方が安全です。日頃から脱出のイメージトレーニングをしておきます。