干し柿(吊し柿)の作り方

干し柿は西条柿などの渋柿の皮をむいてから、ひもに取り付けて、柿の表面を消毒する為に熱湯に約15~30秒間浸します。その後すぐに軒下などに吊るして乾燥させます。寒いところで風にさらすことで渋が水に対して不溶性になり、乾燥して体積が減り甘い美味しい干し柿になります。



干し柿は軒下に吊るして作ります

干し柿

干し柿は軒下に吊るして作るので、つるし柿とも言います。西条柿のよく採れる地方では、干し柿作りが晩秋の風物詩のようなものです。

近年は地球温暖化の影響か、西条柿の採れる秋に気温が高いことが多く、品質の良いつるし柿を作ることが難しくなってきました。

矢掛町では小田の山の上地区が干し柿作りで有名です。標高が高く、気温が低く、乾燥しているのが良いのかも知れません。我が家は標高が約160mあり、下界より干し柿作りに向いているかも知れません。

この写真は2011年11月8日に撮影しましたが、この数日は気温が高く雨が降ったりして、柿にカビが生えて管理が大変でした。上手に作るには11月下旬以後に作ると良いのかも知れませんが、そうすると、西条柿が熟してしまいます。この点、あたご柿は柿が硬くて熟しにくいので、12月上旬でも収穫することができるようです。

ハエや蜂が柿に来るので、追い払うのも大変でした。蝿や蜂が干し柿にたかるのを防止するには、全体をネットで覆ってやります。なかなか手間が掛かります。

自然乾燥ではなく、 除湿機楽天 を使って一気に乾燥させればうまく干し柿ができるのではないかと思います。天気の良くない日が続いた時、干し柿を室内に取り込んで除湿機で乾燥させてみました。カビが無くなり、早く乾燥させることができました。

干し柿の作り方

干し柿作りの工夫

干し柿を作るには、まず、渋柿(西条柿が良い)の皮をむきます。柿のヘタの部分はひもに吊るす時に使いますので残しておきます。

そして、干しやすいように、ひもに取付けていきます。ヘタが取れてしまったものは、竹串などに挿して干します。

昔は藁縄に吊るしていましたが藁が柿にくっ付くことがあります。最近は専用の縄( 干し柿 ひも楽天 )を売っています。

普通の合成樹脂製の縄(ロープ)だと重い柿はスルスルと落ちて動くことがあります。

柿の表面を消毒する為に、熱湯に約15~30秒間浸します。その後すぐに軒下に吊るして乾燥させます。干す場所は、雨が掛からなくて、風通しが良く、日光のよく当たる所にします。

柿が重ならないようにして吊るす工夫

柿同士が重ならないように適度な空間を空けて吊すのがコツです。この時、この写真のように割り箸を使って吊す縄を広げてやると良いことがわかりました。割り箸に紐(縄)を巻きつけてやるだけです、簡単でしょう。

最初に一気に水分を飛ばすのが重要です。もし、雨が降ったりしてカビが生えた場合は、もう一度熱湯消毒します。

ハエや虫や鳥から柿を守るには、ネットで干し柿を覆ってしまいます。この場合は通風が悪くなりますので、天気が良い場合にはネットで覆ってもかまわないでしょう。

果糖の成分を表面に出す為に手で揉みます

2~3週間干したら、手で柿を揉(も)みます。硬めの干し柿にする場合は数週間干します。その後、室内で数日間保管してねかせます。

その後もう一度干します。この頃には、柿を揉むことによって柿の表面に白い粉が吹いてきます。この粉はカビではありません。柿の中から主に果糖の成分が結晶して出てきたものです。甘くて美味しい証拠です。

手でもまなくても、干し柿を作ることができます。面倒な作業を省いて、乾燥させることに専念してください。良い干し柿ができると思います。

完成したらカビが生えないように、密封して冷蔵庫などで保存します。種を取って冷凍しても美味しく食べられます。

上手に干し柿を作るなら品種も重要です

最近は、地球温暖化で、秋になっても気温が高いことが多いのと、雨が多く、干し柿の乾燥に問題があることがあります。そうすると、干し柿にカビが生えて失敗することが多くなります。

そこで、12月になっても硬い渋柿が収穫できる、愛宕柿や美濃柿や蜂屋柿などの品種が良いかも知れません。何回か美濃柿で干し柿を作ってみましたが、いずれもうまく仕上がりました。

干し柿の栄養

干し柿には食物繊維やカリウム(K)やマンガン(Mn)などのミネラルやカロテンなどの栄養素が多く含まれています。しかし、ビタミンCは、干すことによって大部分が失われ、ほとんど含まれていません。

干し柿は干すことによって水分が減って、栄養や糖分が3~4倍に濃縮されていますので、甘くて栄養豊富な食品です。