精米機の使い方とメンテナンス

籾摺りをした米は玄米といいます。玄米のまま食べれば栄養が豊富で体には良いのですが、食べた時の食感や味はあまり良いとはいえませんので、精米して食べるのが普通です。精米の主な方式には循環式と一回通し式があります。最近は一回通し式精米機が増えてきました



精米機について

精米とは、籾摺りした玄米の表面に付いている薄皮(種皮、糊粉層、ヌカ層)や胚芽部分を除去して、白くて味の良い 白米楽天 にすることです。

江戸時代以前は米は玄米のまま食べていました。玄米はビタミンB1等が豊富で、健康にはとても良い食品です。明治時代になってから、玄米を精米することにより、白く味を良くして食べるようになりました。

精米すると、栄養豊富な胚芽の部分を除去するので、ビタミンB1不足から、脚気という病気が増えるようになったこともありました。しかし、最近は健康指向で、胚芽米といって胚芽の部分を残して精米したものや、玄米や五分づき米を食べる人も多くなりました。

精米はお米屋さんがするもので、一般家庭ではしないものと思っていらっしゃる方もあることでしょうが、最近は家庭で精米をする人が増えてきました。

小型の一回通し式精米機で炊飯する直前に精米すると、味の良い米を食べることができます。我が家では主にこの方式で精米しています。白米でなくても5~7分づきでも精米直後に炊飯すれば美味しいご飯を食べることができます。

精米機の方式(循環式と一回通し式)

精米機の精米方式には、循環式と一回通し式とがあります。一般に普及していたのは循環式精米機です。

循環式精米機は籾のままでも精米が可能ですが、白米にする必要があります。5分づき米にすると、まだ籾のままのものが残っていますので、分づき米にはできません。玄米なら、5分づき米にすることができますが、糠が混ざった状態ですので、ふるい(フルイ、篩)で選別する必要があります。

最近は一回通し式精米機が増えてきました。コイン精米機はたいてい一回通し式精米機です。家庭用に普及している多くは小型の一回通し式精米機です。

循環式精米機の特徴

循環式精米機の写真

この写真はミズタ工業のシルバー精米機です。田舎の我が家で使っているものと同じメーカー、同じ容量です。約15kgの米を処理できます。外部にモーター(250~400W)と駆動用のVベルトを取付けています。

循環式精米機はある程度の量の玄米を処理する必要があるので、あまり小型のものはありません。この精米機は約15kg(1斗)を処理できます。

循環式精米機は、細い円筒形の筒の中で螺旋形の軸が回転しています。この中に玄米を通すことによって、玄米に圧力をかけて玄米同士をこすり合わせて少しずつ玄米の表面の薄皮や胚芽部分を取り除くようになっています。

一回通し式精米機の特徴

家庭用一回通し式小型精米器

家庭用の小型精米機(精米器)やコイン精米機では、一回通し式の精米機となっているのが普通です。最近は一回通し式精米機が増えてきました。

この写真のような家庭用の一回通し式精米機は、分づき米にすることが可能ですが、循環式精米機のように糠が混ざったりはしません。また、普通は籾のままでは分づき米はできません、少量だけ白米にするなら可能です。

一回通し式精米機は、米に大きな負荷をかけるので、米の温度が上昇します。また、モーターにかける負荷が大きいのでモーターがロックしないように注意します。米が湿っていたりする場合は特に注意し、できれば精米しないようにします。

このような家庭用の小型精米機(ホッパー容量が5合程度)では、連続で使用できないものがあるので、大量の玄米を処理する時は注意が必要です。つまり、15~30分使用したら、しばらく休ませてから使うようにします。(30分定格のものが多い)

循環式精米機の使い方と工夫

精米機をしっかりした台の上に設置して、ガタのないようにします。米の出口のシャッターを閉めておきます。これを忘れると米がこぼれてしまいます。上のホッパーから玄米を入れます。一度に15kg程度を入れることができます。機種によっては30kgを処理できます。

上のホッパーに入れた玄米が下の円筒形の中を右から左に通って循環するようになっています。左のレバーは筒の出口を塞ぐ程度を調節して、米の動きに抵抗をかけるようになっています。

私はこのレバーをいつも全く抵抗がかからないようにして精米をしています。それでは精米ができないのではないかと思う人もあるかも知れません。しかし、ちょっと多く時間はかかりますが、ちゃんと精米ができます。

このようにすると、胚芽をあまり落とすことなく精米ができるのです。また、抵抗をかけ過ぎると、精米機が回転する軸がロックして、モーターが焼けることがあります。たいていの人は一度はモーターを焼いたことがあるのではありませんか。私はこの方法にしてから、一度も失敗していません。米の温度上昇も抑えることができます。

電源スイッチを入れてから、レバーを操作して米に適度な抵抗をかけます。抵抗は少なめにします。米がうまく循環するのを確認します。精米が完了したら、米の出口に容器を受けて、米を完全に取り出します。その後電源を切ります。

精米中に、ずっと精米機の状態を監視することは時間の無駄なので、たいていはその間は他の事をします。そうすると、精米をやり過ぎて米が小米になったりします。私はこれを避ける為に、精米機には外部にタイマーを付けています。普通は40分~60分程度でできあがります。

次に糠を取り出して処理します。私は米糠を畑の肥料にしています。糠を精米機に置いたままにすると、糠にコクゾウムシ(穀象虫)がわきます。

精米をすると玄米が白米と糠に分離されます。この為、玄米が白米になると、約一割以上減少します。精白度を上げる程、白米は少なくなります。

精米機を使う時の注意とメンテナンス