耕運機(耕耘機、管理機)の使い方とメンテナンス
乗用の耕運機(トラクター)を使う程、広い田畑でもない時や傾斜した畑を耕すには、小型の耕運機(耕耘機)が便利なものです。しかし、小型でも使い方を誤るととても危険なものです。耕運機を使う時の注意やメンテナンスについて書いてみました
耕運機の特徴と使い方(ホンダFU600)
この写真は私が使っている耕運機です。メーカーと機種はホンダのFU600で4サイクルのガソリンエンジンを使用しています。
これは新品で入手してから何年も使っています。故障はほとんどありません。なかなか良い製品だと思います。
この写真の右下の部分には耕耘用の ロータリー爪楽天 があります。このロータリーは耕運機の後ろにあります。またロータリーのすぐ後ろに「尾ソリ」と呼ばれる抵抗棒があるのが特徴です。
この抵抗棒が無いと、田畑(田圃、畠)の土が硬かったりすると、ロータリーの回転で耕運機が急に速く前進することがあります。その場合は耕運機の後側を下げて尾ソリの抵抗で速く前進しないようにします。
また、このタイプの耕運機は傾斜の急な畑で使う時には、特に注意が必要です。坂を上りながら耕すには問題はありませんが、坂を下る時にはとても危険です。
つまり、前のめりになって、手前が上に上がるとロータリーがむき出しになってとても危険です。そうなると抵抗棒の働きが無くなりとても速く前進します。
小型耕運機の特徴と使い方(例、ホンダFP35)
この写真は私が使っている更に小型の耕運機です。メーカーと機種はホンダのFP35で4サイクルのガソリンエンジンを使用しています。
この写真の右下の部分には耕耘用のロータリー爪があります。この耕運機はロータリーが車輪より前に付いているのが特徴です。
このタイプの耕運機は傾斜の急な畑でも、前記のような問題は比較的少ないようです。しかし、傾斜の急な畑では、機械の取り回しに人力が必要なので知識と経験が必要です。
最近の小型耕運機では、動力に100Vのモーターを使ったものや、カセットガスボンベを使ったものもあります。どれも一長一短です。用途に応じて選びましょう。
エンジンを始動する前の始業点検方法
- 耕運機のエンジンを掛ける前に各部を見て異常が無いか点検します。
- ベルト等のゴム部品以外の動く部分に潤滑油を注油します。各種操作レバーのワイヤー部にも注油しておきます。
- グリスを注入する部分にはグリスポンプでグリスを注入します。
- エンジンオイルの量や汚れを点検し、異常があれば補充、交換します。
ガソリンエンジンの始動方法
- エンジンに合った燃料を燃料タンクに入れます。(2サイクルエンジンには混合油を入れます)
- 燃料コックを開きます。
- アクセルレバーを低速から少し引いた位置(始動位置)にします。
- クラッチを切り状態にします。
- エンジンが冷えている時はチョークレバーを引きます。
- エンジンキーを始動の位置にします。
- スターターを引いてエンジンを始動します。
- エンジンが始動したら、2~3分間低速で暖機運転します。
- チョークレバーを戻します。
耕運機での田畑の耕し方
- クラッチを切っておきます。
- ロータリーを回転させるレバーを運転(作業用)にします。
- 車輪の回転を作業用にします。
- 耕運する深さ調節や抵抗棒の調節をします。
- エンジンの回転を適度に上げます。
- クラッチを入れて耕耘します。
- 田畑の端に来たら、右または左に旋回します。この時、走行クラッチの操作で旋回するものと、人力で旋回するものがあります。小型のものはたいてい人力です。
耕運機を使う時の注意とメンテナンス
- 服装は長袖シャツと長ズボンを着用して、靴はゴム長靴を履きます。帽子や手袋も必ず着用します。これは体を保護する為です。
- 耕運機の運転で特に注意することは、耕運機の後ろのロータリーの回転です。田畑を耕さないで移動する時は回転を止めます。
- 急傾斜の畑では危険なので、できるだけ耕運機を使わないようにしましょう。
- ロータリー部を触る時は必ずクラッチレバーをニュートラルにしてエンジンを止めてから行ないましょう。ロータリーに巻き込まれる事故がよくあります。
- 耕運機を長期間使用しないで格納する時は、燃料タンクの中のガソリンは抜いておきます。フロート部の燃料も抜いておきます。2サイクルエンジンでは特にこれに注意しないと、次に使う時にエンジンが掛からないことがよくあります。
- その他にも各部を時々点検して、不具合な所は修理しておきます。