猪(イノシシ)捕獲用の檻(おり)を設置

近年、この地区の猪が増えて、田畑の被害が深刻になってきました。被害はある程度は、電気柵で防げますが、あまりにも猪が多いとそれのメンテナンスも大変な労力になります。そこで、この猪を捕獲する檻(柵、わな、箱罠)を設置することにしました。



猪捕獲用の檻(柵、わな)の組み立て

猪捕獲用の檻の組み立て

近くの鉄工所で作ってもらった、猪 捕獲楽天 用の鉄製の檻(柵、わな、箱罠)を組み立てました。

これは国か県や町の補助金を利用して設置したものです。費用は2台で約35万円でした。この町内会で一部負担しました。

この写真の捕獲用の柵の広さは約1.4m X 3mで高さが約2mあります。上も下も鉄格子で囲まれています。箱罠によっては上が開いていて、イノシシ以外の動物は逃げられるようになっています。

入り口の扉は檻の長手の両側にあります。このスライドする扉部分のレールは重量鉄骨で作られています。

設置場所は猟師の方に判断してもらって、猪の通り道に設置しました。従って、人家から離れた山の中の畑です。資材の搬入には人力が主となりました。

現地での組み立てと設置は6人がかりで、2セット約4時間半かかりました。図面を見ながらこの写真のようにボルトとナットで止めていきました。

図面が間違っていたり、図面の読み間違いがあったりで、試行錯誤を何度も繰り返しました。久しぶりの町内会の人との共同作業で、普段あまり話すことのない人との交流もできました。

猪捕獲用の檻(柵、わな)の下部には土を入れました

猪捕獲用の檻の下部に土を入れる

この写真は、上の写真の場所とは別の場所に設置した檻です。ここも、人家からかなり離れた山の中の畑です。

昔は畑として使っていましたが、山の木が茂ってきたので、日当たりが悪く、今は畑として使える状態ではありません。

この写真のように柵(檻)の下部には5cm程土を入れて、金属部が見えないようにして猪に警戒されないようにします。

檻を設置するには、町と猟師の許可が必要です。猪が捕れたら猟師に頼んで処分してもらいます。

この写真は、組み立てが終わってから、全体の安定が悪いので、片方の支柱の下に石を詰めようとしているところです。

猟期には捕獲しないようにします

イノシシを捕獲するのは普通は11月15日から2月15日頃の猟期ですが、ここでは、この猟期にはこの柵(檻)では捕獲しません。何故なら、猟期には猟師が猟犬と鉄砲で捕獲するので、猟犬が誤って檻に入って事故にならないようにする為です。

猟犬は特殊な訓練をした犬なので、もし、事故で怪我をしたり死んだりしたら、その補償がとても難しいのです。他県で、猪の捕獲用の檻の扉に猟犬が挟まって怪我をしたり、死んだりした事故があったそうです。猟師からの要望で、この扉は両方共開けたままで落ちないようにするか、扉を閉めたままにします。

2月15日までの間は、この檻の中に猪用の餌(米糠や小米が良いらしいが、残飯でも何でも良い)を置いておきます。つまり餌付けをするわけです。これはこの地区の住民で分担してやります。2月16日からの捕獲が楽しみです。

設置してから約1年後に猪が捕獲用の檻に掛かりました

猪のオスが罠に掛かりました

2011年9月18日に初めて猪のオスが、上側の写真の檻(おり、わな)に掛かりました。

猪は一晩中暴れたのか、足元はぐちゃぐちゃに土を練っていました。

猪も逃げるのに必死なのでしょう、鼻の辺りは檻の網目に突進して傷つき、血を流していました。

また、猪が飛び上がると、この檻の天井まで届くくらいジャンプしていました。やはり、野生の猪の運動能力はすごいものです。

この約1ヶ月後にも、同じ箱罠でもう一頭を捕獲しました。もう一箇所のこのすぐ上側の写真の箱罠では設置してから数年後にやっと捕獲できました。

かわいそうですが、猪には銃で死んでもらって部落の人の有志と漁師の人達で解体しました。漁師の人達に解体の手ほどきをして戴いたので、うまく解体することができました。うまく解体しないと、同じ肉でも肉が臭くなったりするそうです。肉はみんなで分けて食べました。

2016年の捕獲状況

2016年の8月に両方の箱罠で1頭ずつイノシシを捕獲しました。町内会の人達は、イノシシの肉は飽きたのか、もう要らないと言っていました。

この時、解体した肉を近所の人が持って来られたので受け取りました。上手に料理すればイノシシの肉も美味しく食べることができます。