高圧洗浄機の選び方と使い方

高圧洗浄機は農業に限らず、機械の汚れを落したり、建物の屋根や壁を洗浄したりするのに有効なものです。水を高圧の状態で噴射することによって汚れや苔などを落とすことができます。高圧の水を使う事から、取り扱いに注意しないと対象物を壊したり傷をつけたりすることがあります。



高圧洗浄機の特徴と注意

高圧洗浄機の写真(ケルヒャーのK2.99M)

この写真は家庭用に市販されている高圧洗浄機の代表的な物(ケルヒャーのK2.99M)です。噴射する水の最大 圧力楽天 は約7~10MPaです。1気圧が約0.1MPaですから、10MPaは約100気圧に相当します。

水道の水の平均的な圧力を約0.5MPaとすると高圧洗浄機の水の圧力は、その約20倍にもなります。

この高圧水の為に、汚れを落とすことが可能なのですが、注意しないと、この高圧水によって塗装がはがれたり、デリケートな機器の部品などが故障したり破損したりすることがあります。

また、高圧水は危険なので、噴射口を人に向けたり、壊れやすい窓ガラスなどに向けたりしないようにしてください。

高圧洗浄機の選び方

高圧洗浄機は使用する目的に応じた機能のものにします。大きさや重さや高圧水の最高圧力が適当なものかどうかを吟味します。また、ノズルの種類や高圧ホースの長さも目的に沿ったものかどうかも考えます。予算も重要です。

家庭用で家の外壁を洗ったり、車を洗ったりする程度なら、市販されているごく普通のものでも特に問題は無いでしょう。しかし、仕事で使うとなると、その目的に応じて性能や耐久性なども考慮しなければなりません。

高圧洗浄機の使い方

高圧洗浄機を屋根に載せる場合は落ちないようロープ等で縛って落ちないようにします。次に、高圧洗浄機の水の供給口に水道の蛇口から耐圧ホースで接続します。高圧洗浄機に高圧側のホースと適当なノズルを接続します。

水道の蛇口を開けて水を供給します。ノズルのレバーを引いて水道の圧力の水がノズルから出るのを確認します。

15A以上流せる延長用電源コード(電線の断面積2mm2以上のもの)を高圧洗浄機の電源に接続します。電源スイッチを入れてノズルから高圧水が出ることを確認します。

レバーで水を止めたらモーターも止まることを確認します。水漏れが無いことを確認してから使用します。ノズルの先端の形状は使い易いノズルパターンになるようにします。目的に応じて水圧を調整します。

塗装する前に屋根の高圧洗浄をする例

高圧洗浄機で屋根に付いた塗料のはがれやカビや苔を取る

塗装をする前に、この写真のように高圧洗浄機で屋根に付いた塗料のはがれやカビや苔を取ってやります。高圧側のホースの長さは普通8~10mですので、高圧洗浄機を屋根の中央に置いた方が良いでしょう。

高圧洗浄機の圧力はこの場合は最高にしてやった方が良いでしょう。この時に使った高圧洗浄機の圧力は約70気圧 = 7MPa、水量は6.5リットル/分、消費電力は約1.4kWでした。

高圧水を噴射する方向に注意しないと、屋内に水漏れを起こすことがあります。スレート屋根や瓦のつなぎ目の所は特に噴射方向に注意してください。

高圧洗浄機の効果

屋根の高圧洗浄した所と、何もしていない所の比較

この写真の左部分が高圧洗浄した所で、右部分が何もしていない所です。

高圧洗浄した所はカビや苔が取れて白くなっているのがわかります。ワイヤブラシよりも確実に綺麗になります。

このようにカビや苔を徹底的に取って塗装をすると塗料の乗りが良くなります。

次に塗装するまでの塗装がはがれる可能性を減らすことができます。

ブロック塀の塗装やブロック塀にモルタルを塗るなどでも、高圧洗浄をした場合は何年か後の状態を見ると結果が良くなっているのがよくわかります。

農業機械の高圧洗浄の例

農業機械のトラクターや田植機などやバックホーなどの汚れの洗浄には高圧洗浄機がとても有効です。車輪の近くの土汚れは普通の水道水だけではなかなか取ることができません。また、複雑に入り組んだ部分の汚れも通常の掃除方法では取ることができません。

高圧洗浄機なら、車輪の近くの足回り部分の汚れをうまく落とすことができます。しかし、高圧の水を噴射すると、当たった水の跳ね返りも大きく、そこら中が水浸しになりますので、屋外の広い場所が必要です。

最近の農業機械はハイテクなので、電装部品の近くには水が掛からないように特に注意してください。汚れ落しの為に洗浄しているのに機械を故障させたのでは本末転倒です。