鉄筋・軽量鉄骨の加工方法
中山間部で農業をしているとセメント(モルタル)を使ってコンクリートブロックを積んだり、倉庫の基礎を作ったり、用水路の修理をしたりすることがよくあります。その時、コンクリートの強度を増す為に鉄筋を入れることがあります。また、倉庫の軽量鉄骨や、電気柵の鉄の支柱や、ちょっとした鉄製品を加工する必要があります。
このような鉄の加工はDIYで簡単にできるものです。私もこのような鉄の加工をよくしてきましたので私の経験から鉄筋・軽量鉄骨の加工方法を紹介します。
コンクリートの補強として鉄筋を使う理由
コンクリートは圧縮の力に対してはとても強いのですが、引っ張りの力には大変弱いものです。コンクリートに引っ張りに強い鉄(鉄筋)を中に埋め込むことによってコンクリートの強度を更に高めることができます。これを鉄筋コンクリートと呼んでいます。
鉄筋は錆びに弱いので、アルカリ性のコンクリートで鉄筋を覆ってやることにより鉄が錆びることを防ぐことができます。その為には、コンクリートを作る時に配合するセメントの量を少なくしないことが重要です。また、鉄筋の周りのコンクリートは十分な厚み(最低厚さ3~4cm)が必要です。
その他に注意する事として、コンクリートの中の砂の塩分が鉄筋の錆び問題になることがあります。海砂でなく川砂を使うことも重要なことです。現在、海砂の採取は禁止されているようです。
鉄筋の種類
普通建材に使う鉄筋は、表面が凹凸している異形鉄筋(いけいてっきん)です。表面に凹凸(おうとつ)があるので、摩擦抵抗が大きく、コンクリートの中に埋めて使うと付着力が大きく強度が増します。
鉄筋の太さはΦ10mmとΦ13mmを使うことが多いと思います。強度の必要な所にはΦ13mmの物を使い、普通はΦ10mmの物を使います。
異形鉄筋の長さは4mの物が一般的ですが、買って帰る時に長すぎる場合は、店で切ってもらうか2mの物を買うようにします。
鉄筋・軽量鉄骨の切断方法
鉄筋は大きなペンチのような形をした鉄筋カッターで切ることもできます。この写真のような ディスクグラインダー楽天 (ディスクサンダー)に鉄鋼用の切断砥石をつけて簡単に切ることもできます。
本格的に作業をするなら高速切断機(高速カッター)を使って切るのが良いでしょう。もちろんガス溶接機を鉄筋や鉄骨の切断に使うこともできますが、個人では一般的ではありませんね。
ディスクグラインダーや高速切断機で鉄筋や鉄パイプを切る場合は、早く切ろうとしても切れるものではありません。適度な切断速度が必要です。あまり速く切ろうとすると砥石が減るのが速くなります。電動工具は負荷を軽くして使うのがミソです。
私は他にも様々な作業にも使えるので、ディスクグラインダーで切ることが多いです。軽量鉄骨やシャッターのレールもこれで切ることができます。
ディスクグラインダーは鉄に限らず、ダイヤモンドカッターを付ければ石やブロックやスレートを切ることもできますし、研磨砥石を付ければ石の研磨や鉄のサビ落としにも使えますのでとても便利です。
鉄をディスクグラインダーで切る時、多くの火花が散りますので目にゴミが入らないようにする必要があります。普通のメガネでも無いよりましですが、保護メガネを使うのが良いと思います。
また、火災予防の観点から燃えやすい物の近くでは使わないようにしてください。
鉄筋の曲げ加工方法
鉄筋を地面に置いて足で踏みつけて、手で曲げることができます。思ったより簡単に曲げられるものです。
曲げたい所を正確に曲げるには専用の工具が必要です。簡単なベンダーはホームセンターでも売られています。私はパイプベンダーを持っているのでこれを使ってもうまく曲げることができます。
何も無い場合は、ある程度手で曲げておいて、石の上で大き目のハンマーを使って鉄筋を叩いて曲げたこともあります。
鉄筋の組み立て
鉄筋を組み合わせて鉄筋を組み立てる時、U字型になった結束線という細い針金で鉄筋同士を繋いでいきます。ハッカーという工具を使ってねじって結束します。無ければペンチでも良いと思います。
ハッカーや結束線はホームセンター等で安く買うことができます。最近はユニット鉄筋という商品もあるようで、面倒ならこれを使うのも良いかもしれません。
鉄筋や軽量鉄骨の溶接方法
鉄筋や軽量鉄骨を接合する時に溶接機を使うこともあります。最近はホームセンターでも簡単な溶接機を売っています。
単相でも200Vの電源が用意できれば電気溶接機を使うことができます。単相100Vの電源では電気溶接はパワーの点で難しいと思います。
一般的に、価格の安い溶接機は使うのが難しいのですが、ちょっと溶接して何かを作る時にはとても便利なものです。私は軽量鉄骨の倉庫を建てた時に電気溶接機やガス溶接機も使用しました。
肉厚の薄い材料を溶接するのは電流の調節が悪いと材料に穴が開いてしまってとても難しいのですが、ある程度の肉厚の物なら簡単に溶接ができます。