農業用動力運搬車の使い方とメンテナンス
農作業をするには農業用動力運搬車が便利で使いやすいものです。運搬車にはクローラータイプ、3輪タイプ、4輪タイプ等様々なものがあります。用途に応じて使い分けたいものです。農業用動力運搬車の使い方とメンテナンスについて考えてみました。
動力運搬車の特徴と使い方(ヤンマー)
この写真は私が使っているヤンマーの3輪の動力運搬車です。最大積載量は600kgです。後輪がダブルタイヤになっています。荷台がダンプカーのように油圧で上がるようになっています。
この写真は道端や側溝に溜まった落ち葉を集めているところです。冬の間に落ち葉を集めて水田に入れて 肥料楽天 にします。
このように場所を変えながら集めて回る作業には動力運搬車がとても便利です。
土砂を運搬するにもこの動力運搬車がとても便利です。荷台がダンプカーのように油圧で上がるようになっているものは、土砂を降ろす時には特に便利です。そうでないとスコップで少しずつ降ろさなければなりません。
3輪タイプは小回りがきくので、細い道や曲がりくねった道での走行を得意とします。(回転半径約2.5m)また、後輪がダブルタイヤになってるので、土や米などの重量物を積むことができます。
運搬車にはこの他にも、車輪がダブルタイヤでなくて、クローラータイプのものがあります。クローラータイプはキャタピラーで走行するもので、ぬかるんだ水田の中を走行するのは便利です。しかし、スピードはあまり出ません。
エンジンを始動する前の始業点検方法
- 運搬車のエンジンを掛ける前に各部を見て異常が無いか点検します。
- ベルト等のゴム部品以外の動く部分に潤滑油を注油します。各種操作レバーのワイヤー部にも注油しておきます。
- グリスを注入する部分にはグリスポンプでグリスを注入します。
- エンジンオイルの量や汚れを点検し、異常があれば補充、交換します。
- ブレーキやクラッチの効き具合や遊びが適当かどうかを点検します。
- タイヤの空気圧が適当かどうかを点検します。
ガソリンエンジンの始動方法
- エンジンに合った燃料を燃料タンクに入れます。(2サイクルエンジンには混合油を入れます)
- 燃料コックを開きます。
- アクセルレバーを低速から少し引いた位置(始動位置)にします。
- クラッチレバーを切り状態に、ブレーキレバーをブレーキが掛かった位置にします。
- エンジンが冷えている時はチョークレバーを引きます。
- エンジンキーを始動の位置にします。
- スターターを引いてエンジンを始動します。
- エンジンが始動したら、2~3分間低速で暖機運転します。
- チョークレバーを戻します。
動力運搬車の運転方法
- 運転台に乗ります。
- 足で踏むクラッチを切って、足で踏むブレーキを踏んでおきます。
- クラッチレバーを入り状態に、ブレーキレバーをブレーキが掛からない位置にします。
- チェンジレバーを低速にします。
- あとは自動車と同じようにアクセルとクラッチとブレーキとチェンジレバーをうまく使って運転します。
動力運搬車を使う時の注意とメンテナンス
- 服装は長袖シャツと長ズボンを着用して、帽子や手袋も必ず着用します。これは体を保護する為です。
- 急傾斜の道では危険なので、できるだけ乗用の動力運搬車を使わないようにしましょう。この場合はクローラー式の運搬車を使います。
- 乗用の動力運搬車で公道を走る時は、市町村の役所に届けてナンバープレートをもらう必要があります。小型特殊自動車の免許も必要です。自賠責保険にも加入する必要があります。田畑の中だけを主に走るのなら必要はありません。
- 動力運搬車を長期間使用しないで格納する時は、燃料タンクの中のガソリンは抜いておきます。フロート部の燃料も抜いておきます。2サイクルエンジンでは特にこれに注意しないと、次に使う時にエンジンが掛からないことがよくあります。
- その他にも各部を時々点検して、不具合な所は修理しておきます。