単管パイプを使ったツル性植物栽培棚の製作
単管パイプを使うと簡単に安価で丈夫な構造物を作ることができます。やり直しや組み換えも簡単で分解も容易です。DIYでキウイフルーツとブドウを栽培する為の棚を単管パイプを使って製作してみました。単管パイプの使い方や使用する時のコツについても考えてみました。
単管パイプとは
市販されている鉄製の単管パイプには2種類あります。ホームセンターで売っている肉厚1.8mmの硬質パイプとプロが架設足場に使う肉厚2.4mmの軟質パイプです。
外径寸法はどちらも48.6mmで共通です。素人がDIYで使う場合は肉厚1.8mmの硬質パイプが安くて軽くて良いと思います。
単管パイプを使ってキウイフルーツとブドウ栽培棚を製作
この写真が単管パイプを使って製作したキウイフルーツとブドウ栽培用の棚です。
あまり利用価値のない大きな岩の上を利用して作りました。広さは約4m四方あります。高低差があるので普通の脚立では無理なので剪定用の三本足の脚立を使いました。
高低差がある所で単管パイプを組み立てる場合は、横になるパイプを水準器で水平にして直交金具を使うのがミソです。こうすると柱が自然に垂直になるので、うまく早く仕上がります。
果物栽培用の棚では、余って出っ張ったパイプをカットする必要はありません。気になるようなら、パイプカッターや 高速切断機楽天 やディスクグラインダーなどで切ってください。
棚の傾斜は、岩の傾斜に合わせて収穫し易くするのと、日当たりが良くなるようにする為に約15度としました。
棚の上には何本もの長い竹を取り付けてキウイフルーツやブドウのツルを誘導するようにします。このように竹などの軽い物を使用すると棚を軽く作ることができます。
直交クランプの取付方向に注意(屋外の場合だけ)
直交クランプを取り付ける時、この写真のようにどのような向きにでも取付けられます。普通は何も考えることはありません。よく考えて作られています。
しかし、この写真の左の施工例を見てください。下側のパイプが傾斜している場合、屋外では直交クランプの上側部分を下から受けるようにすると、ここに水が溜まってしまいます。
写真の右のように受け側を上側にもって来れば問題はありません。自在クランプではこの部分に大きな穴があるので、そう問題はないでしょう。
組み立てのコツ
- できるだけ直交クランプを使う
- パイプが直角になる部分にはできるだけ直交クランプを使うようにしてください。自在クランプではパイプ同士が固定されませんので、強度が落ちますし、パイプ同士がグニャグニャして組み立てに手間取ります。
- 垂直な柱を立てるには横パイプと直交クランプを使う
- 横パイプを水平にして、柱との固定に直交クランプを使うと、簡単に柱を垂直にすることができます。
- 筋交いにはできるだけ長いパイプを使う
- パイプとパイプを強固に固定する為には、筋交いを使いますが、この筋交いにはできるだけ長い物を使ってください。短い筋交いだと、固定はできますが強度が劣ります。構造物全体を揺らしてみると、パイプの曲がりによって全体が揺れるのがわかります。
- スパナは自在スパナよりボックススパナを使う
- 工具は主にスパナだけです。自在スパナでもできますが、ボックススパナか ラチェットスパナ楽天 を使いますこの方が能率が格段に上がります。
注意事項
高所作業が多くなりますので転落事故に注意してください。特に起伏のある場所では脚立の取り扱いに注意が必要です。
クランプやネジの締め付け忘れがないようにしてください。仮止めした後、締め付け忘れがあると、強度が劣り、パイプの抜けなどの事故につながりますので注意してください。
屋根などを付ける場合は、風て吹き飛ばされないようにパイプを基礎にしっかり固定してください。パイプを土に埋めるかコンクリートで固めてください。
単管パイプの利点
単管パイプの組み立ては一人でもできます。特に最初は直交クランプを使うとパイプ同士が固定されて立てやすくなります。自在クランプではグニャグニャと曲がってとても一人ではパイプを立てられません。
また、あらかじめ、パイプにクランプを取り付けておくと、長いパイプでもクランプの上に仮置きできますので一人でも簡単に組み立てができます。
単管パイプの固定金具や部品には多くの種類があり、垂木を止めたり、コンパネを止めたりできます。また、パイプ同士を同一面上で接続できる金具なども市販されていて、価格は高くなりますが見栄え良く作ることもできます。
単管パイプのメリットは何と言っても価格が安いことです。大量生産とは言え、とても安価で助かります。
単管パイプの欠点
亜鉛メッキとはいえ、鉄パイプで出来ていますので、長い間には錆びます。塗装をすれば良いのでしょうが手間が大変です。
一般的に単管パイプは見栄えがあまり良くありません。しかし、価格は上がりますが、専用の接続金具を使えば見栄えを良くすることが可能です。また、壁を付けてしまえばパイプは見えませんので見栄えは関係ありません。