田畑かんがい用サイホン式給水装置の製作

田舎で耕作している水田には、かんがい用の用水路がちゃんと確保されています。水不足の時に、上流の人が多くの水を取ると、下流の水田の持ち主からあまり良い顔をされないのです。ちょうど近くに砂防ダムがあるので、この中の水をサイホン方式(サイフォン方式)で取ることにしました。



また我が家の近くには、専用の小さい池があるので、同様にサイホン式(サイフォン式)の給水装置を考えて作ってみました。何の動力もいらないので便利です。

サイホン式給水装置の原理

サイホン式給水装置の原理(模式図)

我が家の池に設置した場合で説明します。まず出口側の スリースバルブ楽天 (ストップバルブでも良い)を閉めておき、入口側のボールバルブを上側と出口側が通じるようにします。そして上側のパイプにペットボトルで作った漏斗(ジョウゴ)を取り付けて水を入れてやります。

パイプの中が水で満たされたら、ボールバルブを水の吸い込み口側と出口側が通じるように操作して、下側のスリースバルブを開けて水を出します。

後はこのスリースバルブの操作だけで水道のように水を使う事ができます。

砂防ダムに設置したサイホン式給水装置

砂防ダムに設置したサイホン式給水装置

これは砂防用のダムで左側に水が貯まっています。右下約30メートル先に水田があります。落差は約10メートルです。

水の流れる位置より約1メートル高い位置にパイプを横に通しているのは大水の時この装置が損傷を受けないようにする為です。

水の取り入れ口はゴミが入らないようにストレーナを付けてあります。パイプの一番高い所に切り替え用ボールバルブを付けています。

切り替え用ボールバルブ部

切り替え用ボールバルブ部の拡大写真

この写真が切り替え用ボールバルブ部の拡大写真です。通常はこのバルブはこの写真の下側と右側のパイプが通じています。

最初にこのパイプの中を水で満たす為に、このバルブを操作して上側と右側のパイプが通じるようにします。右側のパイプの先端に栓をしておいて、この上のパイプの所にペットボトルで作ったジョウゴを付けて水を入れていきます。

パイプの中が水でいっぱいになったら、このバルブを操作して、通常のバルブ位置にします。そして水の出口の栓を抜くとサイホン式に水を供給することができます。

水田用の水の出口

水田用の水の出口

この写真が水田用の水の出口です。VP20のパイプから勢いよく水が出ています。この先端部分にスリースバルブ(ストップバルブでも良い)を付けておくと操作性がよくなります。

途中のパイプは長さが必要なのでVP20より少し太いポリエチレンパイプを使用しています。

池に設置したサイホン式給水装置

池に設置したサイホン式給水装置

この写真は我が家の裏の我が家専用の池です。

この池は畑や水田に水をやる為に、私が子供の頃家族全員で作りました。1996年にこの近くに家を建て、道も整備されたので近くの水田が無くなりました。今は主に畑に使っています。

写真の中央より少し上に排水口があります。この池には他に排水口を作っていません。

池の排水口とボールバルブ部

排水口とボールバルブ部の拡大写真

排水口とボールバルブ部の拡大写真です。

このサイホン式給水装置は全てVP20のパイプを使用しています。給水パイプの先には大きめのストレーナーを取り付けてゴミや小石が入るのを防止します。

排水口はVU150くらいです。大雨の時にはこの排水口から自然に排水されます。

池の排水口とサイホン式給水装置の水の出口

排水口と、サイホン式給水装置の水の出口

この写真が排水口と、サイホン式給水装置の水の出口です。ここにはスリースバルブ(ストップバルブでも良い)を取り付けています。真冬以外はこの装置を使って畑に水をやっています。

このパイプの先にホースを取り付けて畑に散水します。このバルブが水道の蛇口のような役目をします。