穀物乾燥機(籾乾燥機)の使い方とメンテナンス

稲の収穫作業にコンバインを使うと、大量の籾を短時間で乾燥させる必要があります。この為、籾の乾燥作業に穀物乾燥機を使わなければなりません。今回は穀物乾燥機(籾乾燥機)の使い方とその注意事項について私の経験から述べてみたいと思います。



私が子供の頃の米作農家は、秋になると手作業でのこぎり鎌で稲刈りをしていました。そして稲の束をハゼに掛けて自然乾燥して、脱穀機で脱穀作業をしていました。

それがいつの間にか、バインダーで稲を刈り、束にして、脱穀にはハーベスターを使っていました。ずいぶん便利になったなと思っていたら、最近は、ほぼ全ての農家でコンバインを使い、稲刈りと脱穀が同時にできるようになりました。

籾の乾燥について

コンバインを使えば、とても便利ですが、今度は籾の乾燥作業に乾燥機を使い、灯油が必要になりました。何をするにも機械の力と石油のエネルギーを使うようになりました。今では農家はそれらの機械をうまく使いこなす必要があります。それができない人は、ライスセンター等の業者にそれらの作業を任せる必要があります。

私が使っている穀物乾燥機

穀物乾燥機(籾乾燥機)

この写真は私が使っている籾(もみ)乾燥機です。メーカーは山本製作所で機種は CD-7 です。

穀物乾燥機の容量は石高で表しています。これは7石(7こく) = 70斗(70と) = 1260リットル = 1.26m3です。電源は一般的には低圧電力(動力)の三相(3相)200Vのものが多いのですが、この乾燥機は小型なので電源は単相100Vです。乾燥機は大電力を使う所が無いので、100Vの物の方が使いやすいと思います。これは中古ではなく、新品で購入してからもう25年以上使っています。ベルト切れ以外の故障はほとんどありません。なかなか良い製品だと思います。

穀物乾燥機(籾乾燥機)の各部の名称

乾燥機の本体の大部分は籾の貯留部です。貯留部の一番下には螺旋(らせん)型のコンベアがあり、籾を貯留部から手前の昇降機の下部に移送しています。

この貯留部の手前に籾の張込みや乾燥や排出の時、籾を上に上げる昇降機が付いています。張込みや循環乾燥の時は、この昇降機で籾を上に上げて羽根で籾を飛ばして貯留部の奥の方から籾を貯めていきます。

その左側には乾燥の為の熱を発生する灯油バーナーがあります。このバーナーは灯油を霧状にして燃やすガンタイプです。その上には乾燥機の制御部があります。これは乾燥機の動作を決めたり、温度制御をしたりします。火気を使うので乾燥機の近くには燃えやすい物を置かないようにします。

制御部の上に置いているのは穀物水分計です。この乾燥機には 水分計楽天 が付いていないので別に用意します。最近の乾燥機には水分計が付いている物が多いようです。

昇降機の右側には穀物張込み口と穀物排出口があります。排気とゴミの排出口は本体の向こう側にあり壁に穴を開けてすぐに外に排気を排出するようになっています。

この乾燥機は息子と建てた半地下式の鉄骨倉庫にあり、この写真の右側の高さ約2mの壁の向こうは空間ではなく土の中です。この倉庫を半地下式にしたのは、土地の有効利用と、穀物の温度変化が少しでも少なくなるようにとの配慮からです。

私は半年分の籾はすぐに籾摺りをしないで、この乾燥機の中に貯蔵しています。翌年の4月頃に取り出して籾摺りをしています。籾のまま貯蔵することで少しでも米を美味しく食べたいと思っています。

穀物乾燥機(籾乾燥機)の使い方

穀物乾燥機を使う前にあらかじめ点検と試運転をしておきます。もし不具合があれば修理をしておきます。そうしないと、いざ使おうと思った時に使えない事があります。

乾燥機の使用手順

乾燥機を使う時の注意とメンテナンス

乾燥機を使う前や使用後に各部を点検して、不具合な所や気になる所があれば修理しておきます。