草刈機(刈払機)の使い方とメンテナンス
草刈機の使い方やメンテナンスが悪いと、いざ草刈機を使う時にすぐに使えないことがあります。エンジンのかけ方はプライマリーポンプを数回押した後、スターター紐をエンジンの爆発音がするまで数回引きます。一般的な草刈機の使い方とメンテナンスの方法を私の経験から解説します。
中山間部の農家では年間の仕事のうち、草刈りに掛ける時間がとても多く、草刈り機(草刈機、刈払機)の性能でその能率が左右されるものです。
一年の内には、同一箇所の草刈りが数回必要なこともあり、冬以外は年中草刈りをしていると言っても過言ではありません。
草刈機(刈払機)の特徴
私が子供の頃は、草刈機のような便利な物は無くて、全て草刈り鎌で手作業でした。今は草刈機という便利なものがあり、昔とは能率が何倍も違います。
私は草刈りが上手い方ではありませんが、長年草刈りをしてきた中で、気がついた点を述べてみたいと思います。
草刈機(刈払機)の各部の名称と使い方
この写真は私が使っている刈払機です。メーカーはあまり気にしたことがありません。というのは私は刈払機を買ったことがないのです。
実は父が刈払機の調子が悪くなると、それを直さないで、いつも新品を買ってくるからです。
エンジンは2サイクルの物と4サイクルの物があります。安いのは2サイクルですが、 4サイクル楽天 の方がガソリンを食わないようです。
エンジン(排気量約20~49cc)からメインパイプを通ってその先に刈刃が付いています。刈刃の手前には、元々飛散保護カバーが付いていたのですが、このカバーがあると長い草を刈る時に、草が巻きついてとても能率が落ちるので、カバーは取り払っています。
エンジンからメインパイプ間には自動遠心クラッチが付いていて、エンジンの回転を落とすと自動的に刃の回転が止まります。
メインパイプの途中に全体を吊り下げる肩掛バンドがあります。また、その前には両手で支えるハンドルがあります。両手ハンドルの無い機種もありますが、長時間の作業では両手を使わないと疲れてしまいます。
肩掛バンドと両手ハンドルの位置は体格によって変わりますので、使ってみて使いやすい位置に調整します。
2サイクルエンジンのかけ方
4サイクルエンジンについても、エンジンのかけ方は同様です。
- ストップスイッチのあるものは、スイッチを始動の位置にします。
- スロットルレバーを低速の位置にします。
- チョークレバーのあるものは、チョークレバーを「閉」の位置にします。
- メーカーや機種によってはその他に始動のレバーがあるものがあります。
- プライマリーポンプを数回押して、燃料が燃料戻りパイプから燃料タンクへ戻るまでガソリンを気化器に送り込みます。
- 本体を手でしっかり押さえながら、スタータグリップをエンジンの爆発音がするまで数回引きます。
- 最初のエンジン爆発音がしたらチョークレバーを「開」の位置に戻します。
- 再びスタータグリップを引っ張るとエンジンが簡単に始動します。
- エンジンが始動したら、2~3分間低速で暖機運転します。
- エンジンが暖まっている場合で、燃料が切れた時でなければチョークレバーを「開」のままでエンジンをかけます。
草刈機(刈払機)を使う時の注意とメンテナンス
- 保護メガネを必ず使用します。刈払機を使うと砂や小石や刃のチップが欠けたりして飛んでくることがあります。メガネ無しではとても危険です。
- 服装は長袖シャツと長ズボンを着用して、靴はゴム長靴を履きます。帽子や手袋も必ず着用します。これは体を保護する為でとても重要です。特にゴム長靴はマムシ(毒蛇)から身を護るには必須です。
- マムシの習性としては、人が近づいてもすぐには逃げません。草刈機の音がしてもなかなか逃げません。端から順に短く草を刈っていくとマムシを刃で切ることがよくあります。いきなり草むらに入らないように注意します。
- 草刈機の機械的に動く部分には注油またはグリスを注入します。ただし、自動遠心クラッチには油分を付けてはいけません。
- 2サイクルエンジンには混合油を使用します。メーカーの指定の混合比にします。一般的にはエンジンオイルとガソリンを1:20~1:50の比に混合します。よくわからない時は1:25位にします。
- あらかじめ草を刈る所の小石は取り除いておきます。草を刈る前にはこの作業は難しいので、草刈りの後に毎回小石を拾っておくと、だんだん小石は少なくなります。小石の全く無い所の草刈りはとても快適です。刈刃も長持ちします。
- 大きな石が露出している所は、その上に土を被せるか、その石を割って取り除いておきます。
- 草刈りをする所に蜂が巣をしていないか点検することも重要です。特にスズメバチは土の中に巣を作る場合がありますので、巣の位置を知らずに近づくと命の危険があります。
- 作業をする近くに他人が入らないように常に気をつけて作業をします。
- 前進しながら草を刈る場合、刃が左回転なので、刃先を右から左に向かって動かした時刈るのが能率が良いし、キックバックが発生しないので安全です。
- 草刈機を長期間使用しないで格納する時は、タンクと気化器の中の燃料を空にしておきます。そうしないとエンジンの気化器の細いジェット部が詰まることがあります。回転部や動く部分には注油したり、グリスを塗っておきます。私はいつも燃料が無くなるまで使っていますので、そのまま格納します。
- その他にも各部を時々点検して、不具合な所は修理しておきます。
- 草刈機を保管する場所は、乾燥した冷暗所が最適です。一番悪いのが直射日光が当たり、雨の掛かる所です。紫外線や湿気で様々な部品が劣化するのが早いです。