田植機(たうえき)の使い方とメンテナンス
私が子供の頃、苗代から稲の苗を抜いて手で田植えをしていたものです。しかし、今日では、田植機を使って田植えをするので、田植機をうまく使いこなす必要があります。最近は乗用式の田植機も販売されています。
田植機用ポット苗の特徴
我が家では田植機が「みのる」の ポット苗楽天 を使ったものなので、苗箱もポット苗専用のものになります。ポット苗というのは、田植えの際に、苗がポットと言われる小さい土付きの苗箱から抜き取って植えるものです。つまり苗箱によって苗の本数があらかじめ決まっているのです。
ポット苗は苗に土が多く付いていて、ポットに一株ずつ入っているので、田植え後の活着が良いのが特徴です。
ポット苗を使わない方式もあります。マット苗と言って、籾を蒔いて育てて苗だけをマット状にしたものです。苗には土がほとんど付いていません。これを田植機で引きちぎりながら植えます。
田植機を使って田植えをします
これはポット苗用の田植機で田植えをしているところです。2条用の歩行式田植機です。最近は4条用の乗用田植機もありますが、私のような零細農家には必要ありません。
この田植機でも人の何倍もの働きをします。便利になったものです。
ポット苗を自宅で作る場合には、田植えの約40日前に籾蒔き機で種を蒔きます。籾蒔き後に育苗を行ないます。育苗は田圃に苗床を作って温度管理を適切にして育苗します。苗が充分育つまで毎日水の管理をします。なかなか手間がかかります。
田植機で田植え作業をする順序(上手な田植機の使い方、植え方)
田圃に水を入れてから、代掻きをします。代掻きの後は水を少なめにしてから田植えをします。水が多過ぎると田植えの時、水の波で苗が倒れてしまいます。
また、代掻きをしたら約一日は田圃をそのままにしておきます。そうしないと、土がドロドロで柔らかすぎて、苗をうまく植えることができません。
田圃に田植機で田植えをするには、植え方や植える順番を良く考えてからにします。いくら良い機械でも使用方法が悪いとうまく植えることができません。
私はこの図のように、田圃の長手方向で直線に近い側から植え始めます。植え始めと植え終わり側に適度な間隔を残しながら植えていきます。
最後に田圃の侵入、退出路の外側から植えていきます。ちょうど反対側まで来たら、その内側に植えて行って退出路から田圃の外に出ます。このようにするとうまくすれば、後で手直し(植継、うえつぎ)をする必要はほとんどありません。乗用の田植機でもやり方は同じです。
真っ直ぐに植えるコツ(植え方)
田植機で田植えをする場合、なかなか真っ直ぐに植えられないものです。まっすぐに植えるにはちょっとしたコツがあります。上の写真のように目で遠くを見るようにします。植えているすぐ下をいつも見る必要はありません。ただし、時々はうまく植えられているかを見る必要があります。
もし、曲がってしまったら、植えながら少しずつ修正をしていきます。極端な場合、植え始めの列はかなり曲がっていても何列も植えていると次第に直線にすることもできます。
エンジンを始動する前の始業点検方法
- 田植機のエンジンを掛ける前に各部を見て異常が無いか点検します。
- ベルト等のゴム部品以外の動く部分に潤滑油を注油します。各種操作レバーのワイヤー部にも注油しておきます。
- グリスを注入する部分にはグリスポンプでグリスを注入します。
- エンジンオイルの量や汚れを点検し、異常があれば補充、交換します。
- ブレーキやクラッチの効き具合や遊びが適当かどうかを点検します。
ガソリンエンジンの始動方法
- エンジンに合った燃料を燃料タンクに入れます。(2サイクルエンジンには混合油を入れます)
- 燃料コックを開きます。
- アクセルレバーを低速から少し引いた位置(始動位置)にします。
- クラッチレバーを両方引いて切り状態にします。
- エンジンが冷えている時はチョークレバーを引きます。
- エンジンキーを始動の位置にします。
- スターターを引いてエンジンを始動します。
- エンジンが始動したら、2~3分間低速で暖機運転します。
- チョークレバーを戻します。
田植機のメンテナンス
- 田植機を使う前には、各部の決められた所に注油します。一年に一度しか使わないので、注油しないとキーキー鳴ることがあります。ゴム製品でできた部品には注油してはいけません。
- 使い終わった田植機は汚れをブラシ等で落としてから入念に水洗いします。
- 金属部分は錆びないように、油をしみ込ませた布で軽く拭いておきます。
- ベルトは消耗品なので、数年に一度は交換します。